表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
絶望老人が異世界転生をしたら、もう既に最強無双になっている?  作者: 賭博士郎C賢厳
A.アリスノヴァイン王国編 ~『邪惚教都』~
63/122

56、鏡の鎧の騎士

  ●【No.056】●



 ここは『邪惚教都(じゃこつきょうと)』の地下階段を降りた地下の中。


 広く何もない空間から、また細く狭い通路を歩く。

 そこから道なりにまっすぐ歩く勇者マイカたち四人は、この後も巨大昆虫モンスターのザコ共を倒していく。 相変わらず勇者マイカは列の一番最後を歩く。 最強無双の勇者マイカをこの地下ダンジョン攻略の為に温存するためだ。 強敵(ボス)が出現してきた時の為のとっておきにする。

 それと床を見ていて、ひとつ気になる点がある。 それはここから先はもう、あまり人骨が転がっていないのだ。 ここまで、あまり人が来ていないのか?






 しばらく直線通路を歩く私たち。


 すると、()()()()()()()()()()


「おい、また広い空間が?」

「あれ、また広い空間なの?」

「あら、通路が左右に分かれていないの?」

「こっからはもう手抜きかしらね?」


 流れからいって、ここでまた通路が左右に分かれるものだと思っていたら、さっきと同様にまた広い空間が現れた。 この流れからいって、巨大昆虫の《モノリスワーム》がこの後すぐに出現する運びだけど、ここでまた()()《モノリスワーム》の出現かしらね? でも、いくら広く何もない空間に近づいても、()()()()()()()()()()ニョロニョロ~ッと出てこない。


 そこで私たち四人が、また広く何もない空間に来た。 ここでひとつ、気になる事がある。 それは床に人骨が転がっていない事である。 私は床に人骨がないことに着目する。


 仮に巨大昆虫モンスターが人間を襲う時、皮や肉は食べられても、さすがに骨までは食べられない。 例えば着ていた衣服や武器や防具などを、強力な胃酸で溶かせたとしても骨までは溶かせないはず。 骨は燃やしても炭や灰にならずに、そのまま残る。 だから吐き出すしかない。 だけど、その骨がない。 ここまで到達した人間がいないから、と言う解釈もできるけど、もうひとつの解釈もできる。


 それは人間を食い殺す巨大昆虫モンスターの方がどんどんいなくなっているから。


 もし、私の仮説通りそうだとしたら、もう巨大昆虫モンスターのザコ共は―――


「………」

「本当に何もない?」

「はい、あの巨大ミミズも出てきませんね?」

「もう全部倒したの?」


 広く何もない空間の中心部に立つ私たち四人。 床には人骨もなく、向こう側(反対側)の細く狭い通路から、また巨大昆虫《モノリスワーム》がニョロニョロ~ッと出現する気配もない。 つまり、()()()()()巨大昆虫モンスターの出現エリアであり、()()()()()()もう巨大昆虫モンスターが出現しないエリアになると言うことよね?



 すると―――


「あら?」

「ん?」

「え?」

「お?」


 そこに何処(どこ)からともなく、音も気配もなく、突如として、私たちの目の前に鏡の鎧の騎士が現れた。 この騎士とは、兜から鎧まで全身が鏡でできており、剣や盾も鏡でできている。 ちなみに白いマントも身に付けており、さすがにマントは布でできている。 一体どうやって出現したのか、この私にもさっぱり解らないほど、突然現れた。


「「ちっ!」」

「うわっ!」

「ひゃあ!」


 ダッダッダッダッ!


 すぐに私たち四人は、その鏡の鎧の騎士から離れて、後方ジャンプで後退していき、少し距離をとった。 だが鏡の鎧の騎士の方は全く動かない。


「敵か?」

「何っ?」

「これは…?」

「むっ?」


 いつの間にか出現した鏡の鎧の騎士。 だが全く微動だにしない。 まるで鎧の置物みたいね。 この全身鏡張りの鎧は、一体何っ!?


「ま、マイカさん……コイツは一体……っ!?」

「ええ、わかってるわ。

 さすがの私でもよく解らないの」

「意味不明」

「一体何なんでしょうか?」


 考えてる私の目に【反射鏡の盾】を装備したラグレテスと、【反射鏡の鎧】を装備したマトオの姿が見えていて、ハッと思った私がまたすぐに鏡の鎧の騎士の方を見た。



 これって……もしかして―――



 同じだわ。

 ラグレテスが装備している【反射鏡の盾】とマトオが装備している【反射鏡の鎧】に、この目の前にある鏡の鎧の騎士の鎧も【反射鏡の鎧】なんだわ。 おそらく盾も【反射鏡の盾】ってことね。 それだと、あと兜と剣も【反射鏡の兜】と【反射鏡の剣】ってことかしらね。 これって……つまり―――


「マイカさん、どうしましたか?」

「「……?」」

「この鏡の鎧の騎士は、おそらくラグレテスとマトオが装備しているヤツと同じヤツだと思うわ。」

「「えっ!?」」

「あっ、そういえば確かに同じ鎧ですね。

 それだと、この鏡の鎧の騎士は中身がカラなのですか?」

「ええ、そうね」


 そこで私は()()()を試してみる。


「マトオの鎧とラグレテスの盾を、この鏡の鎧の騎士の前に置いてみて」

「はい、判りました。」

「ええ、わかったわ。」


 ここでマトオが【反射鏡の鎧】を外して、鏡の鎧の騎士に向き合う感じで目の前に置く。 次にラグレテスが【反射鏡の鎧】の左腕に【反射鏡の盾】を装備させる。 鏡の鎧の騎士が向き合う形でふたつある (()()()は兜と剣がない状態) 。 あとは兜と剣だけである。


「あとは兜と剣を見つけて、この鏡の鎧の騎士のように置いていけば、きっと何かが起こるわね。」

「それでは兜と剣を探しますか?

 マイカさん」

「それじゃあ、戻りますか?」

「いや、先へ進みましょう。

 仮に戻っても兜と剣はないと思うわ。

 おそらく鎧か盾しかないと思うの。」

「あ~あ、なるほど」

「はい、判りました。」


 私の予想では盾と鎧が()()()で入手して、兜と剣は()()()で入手して、この中間地点にある広く何もない空間 (中央に鏡の鎧の騎士が置いてある) に戻って置くと思うの。


 そこで私たち四人は、広く何もない空間 (中央に鏡の鎧の騎士が置いてある) から、再び細く狭い通路に向かって歩く。



ここで特殊アイテムとイベントの伏線か?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ツギクルバナー cont_access.php?citi_cont_id=629877154&size=135
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ