55、地下通路の簡易戦闘
●【No.055】●
ここは『邪惚教都』にある地下階段を降りた地下通路。
この細く狭い通路から広く何もない空間に出た。
この広く何もない空間とは、なんと巨大昆虫《モノリスワーム》との戦闘場所になっていた。
そこで勇者マイカと勇者マトオと戦士ラグレテスと戦士ハーリルの四人が、その巨大昆虫《モノリスワーム》と戦うことになる。
そこに巨大昆虫《モノリスワーム》が勇者マイカたちの目の前まで突進する。
まず私が特殊能力の【フルメタルジャケット・ミラーシュ】を発動する。
無数の小型の光の弾丸を発生させて、それを《モノリスワーム》の方に向けて、全方位から同時に、一斉に発射させる。
【フルメタルジャケット・ミラーシュ】
それを見て慌てた《モノリスワーム》が咄嗟に光属性のバリアを自分の周囲に張って、私の【フルメタルジャケット・ミラーシュ】の射撃を防ごうとする。
「ふふふ、無駄よ」
だがしかし、貫通力のある射撃型には光属性のバリアなどは通用せず、どんどんバリアを貫通していき《モノリスワーム》の身体を貫く。
ズババババァァァーーーーッ!!
もう《モノリスワーム》が四方八方からやって来る【フルメタルジャケット・ミラーシュ】にメッタ撃ちにされて、どんどん茶色の液体を身体中から流しながら弱っていく。
その隙をついて、私が右手を前方に出して、妖しく禍々しく邪悪で漆黒の闘気を右手だけに集中して、その掌を《モノリスワーム》の頭部の方に向けた。
「喰らいなさい。 【神納覇・黒白】!」
ドーン、ズバァン!
まさに一瞬の出来事だった。
衰弱する《モノリスワーム》の頭部に小さい穴がポッカリとあき、そのままの勢いで《モノリスワーム》の頭部が吹き飛び、力なくその場に倒れた。 あまりに素早くよく見えないけど、小型漆黒弾丸を発射させて、あの《モノリスワーム》の頭部を貫通して、小さな黒い穴があいた感じに見える。
そんな巨大昆虫《モノリスワーム》が呆気なく消滅する。
「ねぇ、楽勝だったでしょ♪」
「「「……」」」
改めて、この私のあまりの圧倒的な力の前に、やっぱり勇者マトオたち三人が、ただただ無言で驚くばかりなのよ。
勇者マイカが巨大昆虫《モノリスワーム》を撃破。 ドロップアイテムの【反射鏡の盾】が落ちてた。
勇者マイカは【反射鏡の盾】を手に入れた。
とは言っても、私は盾を装備したくない。 常に両手を自由にしておきたいから。
「私、盾なんて装備しないわよ?」
「それなら私が装備してもいいかな?
盾なら装備できるわ」
「わかったわ。 ラグレテス」
こうしてラグレテスが【反射鏡の盾】を装備した。
それから巨大昆虫《モノリスワーム》を見事に撃破した私たち四人が、その広く何もない空間から、また細く狭い通路へ歩く。
「さっさと先へ行きましょう。」
「「「はい」」」
このままずっとまっすぐ細く狭い通路を歩く私たち。 しばらくの間、直線の通路が続いており、私たち四人は道なりにまっすぐ歩く。 その間も巨大昆虫モンスターのザコ共を倒す私たち四人。
現在の並び順は、勇者マトオ→戦士ハーリル→戦士ラグレテス→勇者マイカの順番になってる。
この中で一番強い私が一番最後にされて、強敵に備えて温存されてるみたいね。
するとまた通路が左右に分かれていて、今度は右側の通路に行くべきか、それともまた左側の通路に行くべきか、ここは思案しないといけないみたいね。 さて、一体どちらに行くべきか?
ここでマトオが私に質問する。
「このまま全員固まって進んだ方がいいですか?」
「ええ、そうね。 この先も何があるか解らないからね。 ここは全員固まって行動した方がいいかもね。」
「はい、判りました。」
「今回は多数決で決めましょうか。
行きたい方を挙手してちょうだい。」
「「「はい」」」
「また左側の方がいい人?」
「「「……」」」
私を含めた四人全員が挙手しなかった。
つまりここにいる全員が、今度は右側の通路を選択した。
「OK。 それじゃあ、右側の通路を進んでいきましょう。」
「「「はい」」」
そこで私たち四人は右側の通路を歩く。
またしばらくの間は道なりにまっすぐ歩く。
勿論、この間も巨大昆虫モンスターが出現してきて、どんどん私たちに倒される。
やがて、また広く何もない空間が現れた。 勿論、床には巨大昆虫モンスターに食い殺された人間の人骨が、そこら辺に散らばっている。
「あら、またかしら?」
「「「……」」」
そう、またである。
また向こう側(反対側)の細く狭い通路から《モノリスワーム》がニョロニョロ~ッと出現した。
ここで先頭がマトオから私に交代する。
突進してくる《モノリスワーム》を相手に、また私が【フルメタルジャケット・ミラーシュ】と【神納覇・黒白】を活用して、光属性のバリアを張って突進する《モノリスワーム》相手でもバリアも肉体も貫通して、どんどん茶色の液体を身体中から流していき、私たちの目の前に来る前にダメージを受けすぎて、ダメージ超過を起こし《モノリスワーム》が消滅した。
「ん~~、なんだかちょっと可哀想になってきたわねぇ~」
「「「……」」」
改めて確認しておくけど、強敵の《モノリスワーム》は決して弱くない。 ただこの私のあまりの圧倒的な力の前に、ただただ無惨に殺られていくだけなのよね。
勇者マイカが巨大昆虫《モノリスワーム》を撃破。 ドロップアイテムの【反射鏡の鎧】が落ちてた。
勇者マイカは【反射鏡の鎧】を手に入れた。
とは言っても、さすがに鎧は装備できないわ。 これをどうすればいいかしら?
「それでしたら、俺が装備しましょうか?
マイカさん」
「あら、装備できるの? マトオ」
「はい、一応は重装備型の勇者なので、鎧も盾も装備できます。」
「それじゃあ、お願いね♪」
「はい、判りました。」
こうしてマトオが【反射鏡の鎧】を装備した。
そこで疑問に思ったラグレテスが私に質問する。
「この鎧や盾に何か意味があるのかしら?
マイカさん」
「きっとあると思うよ。
あの聡明な『聖女』様が無意味な事はしないでしょ?」
「「……」」
「まぁ、それは確かに…そうですけど…」
「さぁ、先を急ぎましょう。」
「「「はい」」」
私たち四人はこの広く何もない空間から、また細く狭い通路の方に向かって歩く。
勇者マイカの今の実力なら、無知な巨大昆虫のザコ相手なら、最早【ストリンガー・デスロック】や伝説の皇剣【八魔蛇の剣】を使うまでもない。
それほど強くなったのだ。




