00、プロローグA
新作を始めました。
宜しくお願いします。
●【No.000】●
冥界の女神ハーディス
冥界を司る女神。
とある異世界を担当している若く美しい女神。
ブロンドロングヘアーに碧色の瞳でヨーロッパの美女を思わせる顔立ち、それと巨乳のナイスボディの持ち主。 しかも何故か、純白のウェディングドレスを着ていて、女神としては異様で異質な格好。
ある一人の女神がハーディスに、こんな質問をしてきた。
「ねぇ、あなたさぁ、なんでそんな暑苦しい格好してるの?」
「………え?」
普通の女神からしてみれば、普段から薄く涼しそうな白い布の服を着ている。 ノースリーブとミニスカートの魅惑的・魅力的な服装が一般的なのに、ハーディスの場合はウェディングドレスなので、他の女神が疑問に思うのも無理はない。
「そうねぇ~♪ ……着たいから?」
「でも…結婚式でもないのに、普段からウェディングドレスなんか着ていたら、婚期とか遅れない……?」
「そんなの人間が作った迷信よぉ~♪」
「……そうなのね……」
返ってくる答えは、だいたいこんな感じ。 まともに答えてくれないようだし、ハーディスが変人だと思われてしまう。
もっとも本人はあまり気にしていないようだが…。
この冥界の女神ハーディスは、異世界管理免許資格を有する女神至高順位、第7位。
女神爵位は、『B』
パッと見、一体何を言っているのか、よく理解できないと思われるけど、詳細な説明はおいおいさせていただく。
死の女神タナトス
死を司る女神。
とある異世界を担当している若く美しい女神。
綺麗で凄く長い黒髪に紅い瞳の大和撫子を思わせる顔立ち、それと巨乳のナイスボディの持ち主。 そして何故か、紫色のウェディングドレスを着ていて、ハーディスの他にもなかなかの格好をしている。
ある一人の女神がタナトスに、こんな質問をしてきた。
「ねぇ、あなたはなんで、そんな暑苦しい上に、そんな変な色のドレスを着てるの?」
「………はい?」
先程も説明したけど、普通の女神ならば、薄く白い布のノースリーブとミニスカートを着ているのが、一般的なのだが、タナトスの場合もウェディングドレスの上に色も違う。 当然だが、他の女神たちも疑問に思ってしまう。
「この服は自分の趣味です。 この色も自分の好きな色です。 勿論、イフレア様の許可は得ています。」
「へぇ~ そうなのぉ~ でも結婚式でもないのに、ウェディングドレスなんか着て、婚期が遅れない~?」
「…婚期って何ですか? 私は生涯独身を貫きます!」
「……そ、そうなのね……」
ここにも変人がいた!!
全くもって、クソ真面目な答えだけしか返ってこない。 彼女の場面は、結婚よりもウェディングドレスにしか興味がないらしい。
この死の女神タナトスは、異世界管理免許資格を有する女神至高順位、第8位。
女神爵位は、ハーディスと同じく『B』
一応、ハーディス同様に彼女のここの紹介だけさせていただく。
義憤の女神ネメシス
義憤を司る女神。
とある異世界を担当している若く美しい女神。
灰色のストレートヘアーが腰まで伸びて、銀色の瞳に無表情のアジア系美女を思わせる顔立ち、それと巨乳のナイスボディの持ち主。 さらには何故か、灰色のウェディングドレスを着ていて、先程の二人の女神と同じ格好をしているけど、やっぱり同じ匂いの者なのか?
ある一人の女神がネメシスに、こんな質問をしてきた。
「ねぇ、あなたってさぁ、なんで―――」
「なんでウェディングドレスなんか着てるのか…ってコト?」
「………えっ、うん、そう」
なんと質問を途中で遮り、逆に質問してきた。
「………」
先程から何度も説明しているけど、普通一般の女神の服装と彼女ら三人の服装は、明らかに違う。 だから、他の女神たちが疑問に思うのは、無理もないことなのだが…。
「あなたもドレスが着たいのなら、イフレア様に許可を貰うことね。」
「いや、違う。 あたしの質問はなんで―――」
「着てるかは、秘密♪ 別に婚期なんて全く気にしないわよ♪」
「……あっ、そう……」
不思議ちゃんもいた!?
全く会話が噛み合わない…と言うよりも、ネメシスが先読みしすぎ、しかも質問を質問で返してくる。 彼女と会話するの、少し大変だぞ。
この義憤の女神ネメシスは、異世界管理免許資格を有する女神至高順位、第9位。
女神爵位は、先程の二人と同じく『B』
どうやら、そろそろ役者が出揃ってきたようだな。
ここは遥か天上の異世界、アルヴァトロス
女神が住まう楽園でイフレア大神殿がある場所。
ここには多くの女神が暮らしていて、この異世界の最高責任者でもある、光の神王・女神イフレアが秩序・管理・治安を守っている。 ちなみにだが、この異世界には男性の神は住んでおらず、女性の神だけしかいない。
そして、イフレア大神殿とは、限られた選ばれし女神のみが居ることを許された場所であり、その女神たちを『黄金の女神』と言い、イフレアの直属の配下にあたる。
それこそ〔イフレアの『黄金の女神』〕と呼ばれる。
そんな、ある日の朝
突然だが、光の神王・女神イフレアが『黄金の女神』を呼び出し、居る者で集合させていた。
その中には、ハーディス、タナトス、ネメシスの三人の姿もあった。
イフレアがその美しい音色の声で語りかけてきた。
『皆さん、突然のお呼び出し、申し訳ありません』
「どうかされましたか?」
「いいのよぉ~♪」
「急用なのですか?」
『はい、残念ですが、悪い知らせの急用です』
「……」
「あら~♪ あまり聞きたくないわねぇ~♪」
「た、確かに…いいえ…なんでもありません。」
イフレアが両目を閉じて、少し間をあけてから、再び語りかけてきた。
『三大悪魔神のひとつ、悪魔神ヴォグゲロルスが復活してしまいました』
「「「!!?」」」
その場に居た女神全員が、イフレアのこの発言に強烈に、凄く驚愕している。
「あ、あの~ 今なんと言いましたか~? よく聞こえなかったもので……」
イフレアの声はとても美しく透き通った優しい声。 聞こえない筈がない。 だがしかし、聞き直さなければいけない程に異常事態なのである。
『三大悪魔神のひとつ、悪魔神ヴォグゲロルスが復活してしまいました』
それは…最早、やまびこやオウム返しのように、もう一度繰り返して言ってきた。
「……そ…そんな……」
「……な…なんと言うこと…」
「…せっかく…先日やっと、悪魔神トニトリエクルスを世界ごと封印できたと言うのに……」
『……悪魔神ヴォグゲロルスは勇者マイカに封印される寸前で分身体を作成して、適当な異世界に放っています……』
イフレアがため息をつく。
『……そいつの働きかけにより、本体の復活が見事に成功したと言うわけです……』
「……それで…一体どうするつもりなのですか? …イフレア様…」
「……やっぱり…また勇者マイカに悪魔神の封印をお願いしますか?」
「でも…今の彼女は他の異世界に移動していますわ」
「……それでは…本当に一体どうするつもりなのですか?」
『………』
「「「……」」」
イフレアの額から、少し汗が光っていた。
『……放置します』
「「「…えっ!!?」」」
イフレアのこの発言に、他の女神たちも強烈に、凄く驚愕している。
『…し、しばらく様子を見ましょうか。 今は…下手に動いて、こちらの動揺を見抜かれる訳にはいけません。 それに勇者マイカも新しい異世界に行ったばかりで多忙だと思いますから。』
「「「……」」」
イフレアがいかにも、もっともらしいことを言っているつもりなのだが、彼女の瞳は明らかに、あさっての方を向いていた。
『…ほ、ほら、それに…もしかしたら、とても優秀な勇者が沢山育っていけば、悪魔神なんて…あっという間に―――』
「…えっ!?」
「それって…勇者を沢山増やしてもいい…と言うことなのですか…?」
ある一人の女神が、イフレアのこの発言に素早く質問してきた。 最も当たり前の質問である。
『ええ、私が許可します。』
イフレアが何処か顔を横に向けながら、キリリと答えていた。 最早、面倒臭そうな顔をしていた。
「…そうですか…」
「…わかりました…」
『皆さん、そういうことなので、勇者を沢山つくって、どんどん強くして、悪魔神なんて…すぐに打倒できるぐらいにしちゃってください。 多少の不正には、目をつむりますから。』
遂に女神の頂点に立つお方の言う台詞ではない発言も飛び出してきた。
「「「……」」」
集まった女神たちが無言で…ただただ唖然としていた。
イフレアは最強無双の女神。 彼女ならば悪魔神ごときに負ける筈がない。 だがしかし、彼女にはいくつかの問題点もあり、そのひとつが『面倒臭がりな性格』なのである。
この光の神王・女神イフレアは、異世界管理免許資格を有する女神至高順位、第1位。
女神爵位は、最高ランクの『S』
遥か天上の異世界、アルヴァトロスの創始者にして、イフレア大神殿の最高管理者と『黄金の女神』の最高統括者でもある。
完全なる不定期更新・投稿です。
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