表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
絶望老人が異世界転生をしたら、もう既に最強無双になっている?  作者: 賭博士郎C賢厳
A.アリスノヴァイン王国編 ~『邪惚教都』~
52/122

45、盗賊共の巣窟

  ●【No.045】●



 丁度その頃、勇者マトオたち一行は、もう既に『邪惚教都(じゃこつきょうと)』に到着していた。 このかつての王国だった跡地・廃墟の場所まで来ていた。 彼らも馬車で来ていて、御者台に勇者マトオが座り、馬車の中には、戦士ハーリルや僧侶ルシティークや魔法使いエミリアスの三人が乗っている。


 この跡地・遺跡には、民家は勿論、宿屋や武器屋や防具屋や教会や酒屋などの建物も、一切ない状態である。 この跡地・廃墟には、そもそも人が暮らしているイメージがない。 だからといって魔物(モンスター)が巣食ってる気配もない。 また人気(ひとけ)がない訳でもない。


 遺跡の中心部に入ると、俺は馬車を降りた。 ここから先は、もう馬車では行けないみたいだ。 それからさっきから人の気配を感じで、誰かの視線も感じる。


 ちっ、仕方がない。

 相手がもし盗賊なら、ここでハーリルたちを出すわけにはいかない。 ()()()()()()()()()()()()


「ちっ、盗賊か……?

 お前たちは馬車の中で待機しろ!

 絶対に外に出てくるな!」

「ああ、わかったよ」

「マトオがそう言うなら仕方ないわね」

「はい、判りました。」


 俺は馬車の中にいる三人に声をかけた。

 三人共とても素直に俺の言うことを聞いてくれて、とりあえずホッと一安心だ。



 それにしても、あの『邪惚教都(じゃこつきょうと)』がすっかり盗賊共の巣窟になっていたとは……?



 俺は剣を取り出し構えた。


「………」


 ザザッ!


「っ!?」


 すると、いつの間にか盗賊共が俺たちの馬車を取り囲んでいた。 一体いつから居たんだ……こいつら? ()()()やっぱり、こいつらのたまり場・縄張りなのか? ちっ、それにしてもこの数……ざっと20人は居そうだな? この数……一斉に襲いかかってきたら、いくら俺でも対処できない。 ―――どうする?


「くっ!」


 こいつら……かなり殺気だってる……!

 本当にイキナリ飛びかかってきそうな感じだぞ……! ま、マズイぞ……!


 ニヤリ!


「殺せぇぇぇっ!!」

「「「「おおっ!!」」」」


 ダダダッ!


 盗賊のリーダー格の男の合図で、部下の盗賊共が一斉に俺めがけて襲いかかってきた。




「はぁはぁはぁはぁ……」


 俺は息を切らしながらも、なんとか5人までは剣で倒した。 俺も勇者のはしくれ……まだまだこんな奴らに負けはせん。 それにしても、それほど強くはないようだけど、やっぱり所詮はただの盗賊……この程度なら、なんとかなるかも……?




「はぁはぁはぁはぁ……」


 この後も俺は息を切らせながらも、さらに5人くらいはなんとか剣で倒せた。 やっぱりこいつら……それほど強くはないぞ。 ―――イケるか?


「何をしている? さっさと殺せぇぇぇっ!!」

「そ、それが……この男……結構強くて……」

「うるさい! 黙れ!」


 まるで喝を入れるように、または気合いを入れるように、盗賊のリーダー格の男が部下の盗賊共に命令を下す。 仕方なく残った盗賊共で、また一斉に俺に飛びかかり、襲いかかろうとした、その時だった。




「はぁっ、はぁっ、はぁっ、はぁっ……」


 タッタッタッ!


 俺たちが馬車で来た道から、一人の男がこちらに向かって走ってきた。 どうやら、その男も盗賊共の一味のようだけど、慌てた様子で血相を変えて走ってきてる。


「た、大変だ! 大変だ!」


 その男がもの凄い勢いで、盗賊のリーダー格の男に詰め寄った。


「どうした?」

「とんでもないパーティーがこっちに向かっている! 俺以外は全滅! 俺も命からがら走って逃げてきた!」

「なんだとっ!? まだこの地に来る者がいるのかっ!?」

「全員女性なんだが、凄く強くて手が出せなかった! あんな恐ろしいパーティーは初めてだ!」

「なんだとっ!? 全員女ぁっ!?」


「…!!?」


 おお、そうか。 勇気マイカさんたちが、もうすぐそこまで来てるのか。 マイカさんはあの上位魔族をも倒した女性(ひと)。 これでこの地に巣食う盗賊共も終わりだな。


 盗賊共(ヤツラ)が話し込んでいる(スキ)をついて、


 ニヤリ、ダッ!


 俺が素早く大地を蹴って、俺に襲いかかろうとした盗賊共のうち、油断してよそ見してる3人を剣で倒す。 これで13人の盗賊共がうつ伏せで地面に倒れている。

 俺も勇者だ。 盗賊相手にやられはしない。


「くそっ、こ……こいつも結構強いぞ!」

「そんなことより、早く撤退だ!

 このままだと奴らもここにやって来て、俺たちは全滅だぞ!」

「うっ!?」


 それを聞いて、盗賊のリーダー格の男が撤退をするか決めかねてる。 だが、その一瞬の油断が命取りになる。


 ズボボボボォッ!


「うぅっ!?」「がぁっ!?」「ぐぅっ!?」「何ぃっ!?」


 ドサササッ!


 なんと盗賊のリーダー格の男を除く、残った盗賊全員が胸に小さな穴を()けて、その場にうつ伏せで地面に倒れた。 ※(出血はしていない)


「ひぃっ!!?」


 ドサッ!


 この状況に盗賊のリーダー格の男が一番驚き、思わず尻餅をついた。 まさに一瞬の出来事だった。

 まさか、これはマイカの仕業……なのか……?


 すぐさま俺は馬車の中からロープを取り出し、そのロープで盗賊のリーダー格の男の両手両足を縛って、彼の身体の自由を奪ってから気絶させた。

 これで盗賊共も全滅だな?




 俺は自分たちの馬車を遺跡・廃墟の特定の場所に停めて、ハーリル・ルシティーク・エミリアスの三人を馬車から降ろして、マイカさんたちが来るのを待つ。 やがてマイカさんたちを乗せた馬車が、俺たちの待ってる場所までやって来た。



 この後でなんとか俺たち一行は、この『邪惚教都(じゃこつきょうと)』の地で、無事に勇者マイカたち一行と合流できた。


「お待たせ、マトオ」

「お待ちしておりました。 マイカさん」



ようやく勇者マトオと勇者マイカが、この何もない地で合流する?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ツギクルバナー cont_access.php?citi_cont_id=629877154&size=135
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ