44、盗賊は基本モンスター扱い
●【No.044】●
アリステレストの町にある宿屋にて
今回は大部屋を確保できて宿泊している。
普通のベッドが四つあって、私、シャニル、アロトリス、ラグレテスの四人が、それぞれベッドを使用して眠っており、私たち四人にパジャマなどないので、漆黒の下着姿で寝ている。
そんな私たちが朝、一斉に目を覚まして、上体を起こして、両手を上げて背伸びする。
「ふああぁ~~」
「んんあ~~~」
「はぁ~~んん」
「ふぅ~~~う」
私たち四人は下着のままで寝ていて、昨夜もとてもよく眠れたみたいね。 この頃、快眠、安眠続きだわ♪
それぞれ漆黒の下着を脱ぎ捨てて、部屋に完備されてるシャワー室でシャワーを浴びる私たち四人。 シャワー室は一人用なので、私たちは順番を決めて、シャワーを浴びる。 それから部屋に戻って、白いバスタオルで身体を拭いてから、また新品の漆黒の下着に着替えて、ベッドの上に座る私たち。
「ふ~う、スッキリしましたぁ~」
「ふ~う、サッパリしましたぁ~」
「ん~~、生き返るわぁ~~♪」
「はぁー、気持ち良かったぁ~~♪」
私たちはそこで一息つく。
また私たち四人が、それぞれ漆黒の下着姿のまま、ここでも無意識のうちに、それぞれエロいポーズをとっている。
「ふ~う、やっと疲れが取れてきたわね♪」
「はい、そうですね。 ここの宿屋も体力と魔法力が回復しますね?」
「ええ、そうね」
「はい、そのようですね」
この後も私たちは、それぞれ自分の衣服を着て、それぞれ自分の武器・防具を装備して、それぞれが旅立つ準備をしていく。
「それじゃあ、そろそろ行きますか?」
「「「はい」」」
私たちが軽めの朝食をとった後に宿屋を出ていき、そのまま街の外へ出ていって、街のすぐ外の所定の場所に "私たち専用の馬車" が停まって待ってた。
私が御者台に座り、残りの三人が馬車の中に乗り込み、そして馬車が走り出す。 次の目的地『邪惚教都』へ向かって―――
私たちを乗せて馬車が『邪惚教都』へ向かって走り出す。
もうだいぶ進んだみたいで、だんだんと人通りの少ない道に入り、左右に森林がある小道を馬車が走る。
すると、その先の道の脇に『04725』と書いてある立て札・看板が見えた。
私はアリナから貰った地図を見ながら、あの立て札・看板を見て現在位置を確認する。
「どうやら、この先が例の『邪惚教都』って所ね」
「あの『04725』って、一体何のことかな?」
「さぁね、ともかく先を急ぐわよ」
私の左肩の上に乗ってるミドリが私に質問してきた。
確かに、気になる数字だけど、ここで考えても仕方ない。
どんどんと薄気味悪い道に入っていき、瓦礫や石碑などが散乱している場所まで来ている。 周囲が森林に囲まれていて、そのうちのぽっかりと空いた空間に建物の瓦礫や廃墟などがあって、道もだいぶ古く舗装されていない。
例えるなら、荒れ果てた王国の遺跡である。
「……?」
そこに私が何かに気がつき、馬車を止めて馬車から降りて構える。
すると物陰から隠れていた盗賊共が、私たちの馬車を取り囲むようにして、いっぱい現れた。 一応、剣や槍やナイフなどの武器を持って、古びた皮製の鎧を装備していて、顔は悪人面の男共が約20人はいそうな感じね。 それと盗賊はモンスター扱いになる。
「………」
なんだか盗賊は何も言ってこない。
普通こういう場面なら「死にたくなかったら、金目の物を全部置いていけ!」とか「死にたくなかったら、おとなしく言う事を聞け!」とか、何かしらの要求がありそうなのに、さっきから神妙な面持ちで無言のまま、武器を構えているだけ、何も言ってこない。
でも、なかなかの緊張感を出している。
これは「いつでも飛びかかるぞ!」という感じね。
そこにシャニルやラグレテスも馬車後部から降りてきて、凌辱の杖や漆黒の剣を取り出して構える。
「かかれぇぇーーーっ!!」
ダダダッ!
盗賊のリーダー格の男の合図と共に、盗賊共が一斉に私たちに飛びかかり、襲いかかってきた。
私が【フルメタルジャケット・ミラージュ】で応戦、ラグレテスも漆黒の剣で応戦、シャニルも【嵐王砲】で応戦、襲いかかってきた盗賊共は私たちの強さになすすべなく、どんどんと倒されていき、とどめはシャニルの【凍王砲】で刺す。
「凍れぇぇ!! 【凍王砲】!!」
ブオオオオウウウーーーッ!!
「うわあああぁぁぁっ!!?」
「ぐぅあああぁぁぁっ!!?」
「うがあああぁぁぁっ!!?」
この【凍王砲】によって、盗賊のリーダー格の男と側近の男の二人を除いて、他全員の男の身体が凍りついた。
「ひぃっ!!?」
「くそっ!!?」
タタッ!
そこで盗賊のリーダー格の男と側近の男が、私たちに背を向けて走り出す。 どうやら私たちから逃走するつもりね。
「逃がさないわよ!」
ザァン!
私が伝説の皇剣【八魔蛇の剣】を取り出して、剣先を地面に突き刺し、この剣の前方にいる側近の男の両足の自由を奪って動きを止めた。
「な、なにっ!!?」
「ッ!!?」
ドサァッ!
全速力で走っていた側近の男が両足の自由を奪われ動きを封じられたことによって、思わず前のめりに倒れ込んだ。
それを見た盗賊のリーダー格の男は、自分の側近の男を見捨てて、そのままさっさと走り去った。
「あらあら、仲間を置いて逃げちゃったよ」
「サイテー!」
「サイアクです!」
この後で凍りついた盗賊共を私の【フルメタルジャケット・ミラージュ】で全部破壊、また側近の男には、私の伝説の皇剣【八魔蛇の剣】の効果により全身の動きを封じた上で、頑丈なロープで全身を縛りつけた。
両手両足胴体を頑丈なロープで縛って、近くある木にこの側近の男を少し浮かせてくくりつける。 この男は無言のまま視線を逸らして、私たち四人の方を見ようとしない。 完全に黙秘を貫くみたいね。
「………」
「どうします? この男」
「さっきから全然何も喋りませんね?」
「ん~~、私は拷問とか尋問とか苦手なタイプでねぇ~~」
「へぇ~、そうなんですかぁ~」
「仕方ないわねぇ、ミドリの出番よ」
「任せてよ、マイカ」
そこでミドリが私の左肩から側近の男の左肩の上に、ピョ~ンと飛び乗って、ミドリが側近の男の目を見る。 少しすると側近の男が目を回して、ガクッと項垂れてピクリとも動かない。 またミドリが私の左肩の上に飛び乗って、私に軽くウインクする。 どうやら作戦成功のようね。
「マイカさん、彼はどうなったんですか?」
「気絶したわ。 でも情報は手に入ったわ」
「……?」
「それじゃあ、そろそろ行きましょうか」
「「「はい」」」
その側近の男はこのまま放置して、私が御者台に座り、他の三人が馬車の中に乗り込み、私たち四人は目的の場所へ先を急ぐ。
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