41、王様との謁見B
お待たせしました。
●【No.041】●
翌朝、勇者マイカたち『ブラックファントム』の女性四人組が宿泊している "ルモレーゲンの街" の宿屋にて
今回は四人一部屋が確保できて宿泊している。
ベッドはふたつあって、そこに今回は私とシャニルの二人が一緒のベッドに寝ていて、アロトリスとラグレテスの二人が一緒のベッドに寝ていて、私たち四人にパジャマなどないので、漆黒の下着姿で寝ている。
そんな私たちが朝、一斉に目を覚まして、上体を起こして、両手を上げて背伸びする。
「「んんあ~~~」」
「「はぁ~~んん」」
私たち四人は漆黒の下着姿でいるけれど、昨夜はとてもよく眠れたみたいね。
それぞれ漆黒の下着を脱ぎ捨てて、部屋に完備されてるシャワー室でシャワーを浴びる私たち四人。 シャワー室は一人用なので、私たちは順番を決めて、シャワーを浴びる。 それから部屋に戻って、白いバスタオルで身体を拭いてから、そのままバスタオルを身体に巻き付けて、ベッドの上に座る私たち。
「ふ~う、スッキリしました」
「ふ~う、サッパリしました」
「ん~~、生き返るぅ~~♪」
「はぁー、気持ち良かった……」
私たちはそこで一息つく。
別にセクシーなポーズをとってる訳ではないけど、普通の男の人が見たら、まずエロいと思われるようなポーズを、それぞれ無意識にとってる私たち。
それから私たちは、それぞれ自分のパンティーを穿いていき、それぞれ自分のブラジャーをつけていき、それぞれがまた漆黒の下着姿になって、ここでも私たちは無意識に、それぞれエロいポーズをとっている。
「ふ~う、なんだか疲れが取れてきたわね」
「はい、そうですね。 ゲームで宿屋に宿泊すると、体力と魔法力が回復するアレと同じ現象ですかね?」
「あ~、アレね」
「そうだと思いますよ」
この後も私たちは、それぞれ自分の衣服を着て、それぞれ自分の武器・防具を装備して、それぞれが旅立つ準備をしていく。
「それじゃあ、そろそろ行きますか?」
「「「はい」」」
私たちが軽めの朝食をとった後に宿屋を出ていき、そのまま街の外に出ていくと、なんと街のすぐ外に "白馬三頭付き豪華な大型馬車" が停まっており、馬車の前に一人の男性が立っていて、私たちの方へ向かって、一礼した。
「……?」
「あら、何かしらね?」
「おお、勇者マイカご一行様ですか?」
「はい、そうですけど……?」
「あんた誰?」
「はい、私は王様の使いの者です。 これから皆さんを、アリスノヴァイン王国の王都・城下町 "プリデミア" の王宮まで、この馬車でお連れしたいと思います。」
(あら、この馬車……いつからいたのかしら?)
「おお、それは助かるよ」
「………」
「あらそう、それじゃあ、ヨロシクお願いね♪」
「はい、かしこまりました。」
そこに私たち四人が馬車に乗り込み、その王様の使いの者が御者台に座り、そのまま馬車を走らせて、アリスノヴァイン王国の王都・城下町 "プリデミア" の王宮まで向かっていく。
私たち四人を乗せた "白馬三頭付き豪華な大型馬車" は、あっという間にあっさりと、アリスノヴァイン王国の王都・城下町 "プリデミア" の王宮の入口手前まで到着して停まった。
私たちが馬車から降りると、今度は王宮の入口の前に一人の衛兵が立っていて、私たちの方へ向かって、一礼する。
「……?」
「あら、何かしらね?」
「おお、皆さんが『ブラックファントム』の方たちですね? お待ちしておりました。 王様も大変お会いしたがっております。」
「あら、そうなのね」
「………」
「おお、王様が私たちに?」
(どうやら今度は堂々と王宮の入口から中に入れるみたいね)
「はい、それでは玉座の間まで、ご案内させていただきます。」
「あらそう、それじゃあ、ヨロシクお願いね♪」
「はい、かしこまりました。」
そう言うと、その衛兵の案内で、私たち四人は王宮の中に入っていき、この衛兵を先頭に、私たちはまっずく『玉座の間』まで向かっていく。
私たち四人はあっという間にあっさりと、『玉座の間』の大きな扉の前に到着して止まった。
そこで案内役の衛兵が無言で首を縦に振ると、この大きな扉の左右に一人ずついる二人の衛兵が、無言でこの大きな扉を開ける。 この大きな扉が正門である。 隠し通路側にある門とは訳が違い、こちらこそが正真正銘の『玉座の間』の扉である。
その『玉座の間』とは、部屋自体が細長く広くて、地面には細長く青い絨毯が敷かれており、天井には大きく立派なシャンデリアがふたつ吊るされてあって、左右端の壁には沢山の白い柱がずらりと並んで立っている。
この『玉座の間』の中に、私たち四人が案内を担当する衛兵を先頭に、どんどんと奥の方に歩いていき、王様が座る玉座へどんどんと近づく。
なんと玉座は黄金と白銀のふたつある。
黄金に輝く玉座に座る十三歳の黒髪の可愛い男の子が豪華な王族衣装を着ている童顔の少年王こそが国王のアリスノヴァイン六世である。
白銀に輝く玉座に座る少年王・アリスノヴァイン六世の姉で豪華な王族ドレスを着ている絶世の美女こそがヤナイ姫である。 どうやらたいした怪我もなく、無事に目を覚ましたみたいね。
私たち四人が玉座の前まで近づくと、一応しゃがんで跪く。
「やあ、マイカお姉ちゃん。 お姉ちゃんを救出してくれて、ありがとう」
「あなたが勇者マイカさんですか。 この度は私を救出してくださって、本当にありがとうございます。」
「いえ、無事で良かったです」
「お姉ちゃんたちの活躍は、勇者マトオたちから聞いているよ。 あの上位魔族を倒したなんて、人間では出来ないと思ってたけど、お姉ちゃんたち凄いんだね。」
「どうもありがとうございます」
「何か褒美が必要だよね? 何がいいかな?」
「いえ、当然の事をしたので結構です」
「え~、そんなこと言わないで、何か言ってよ。 可能な限り、褒美を取らせるよ」
「……褒美ですか? そうですね。 それでしたら、私たちに階級や爵位は貰えませんか?」
「えっ……階級……爵位……?」
「………」
王様は少し驚いているけど、私たち四人は前々から褒美は階級や爵位などを検討していた。 どんなにダンジョンの宝箱で宝物を見つけたとしても、どんなにお店で高価で強力な武器や防具を買ったとしても、それでもどうしても手に入らないモノがある。 それが階級や爵位などの地位である。
さすがにヤナイ姫が、そんな私たちの心理に気づいていた。
「それでは四人共に "男爵" の地位を差し上げましょう。」
「おっ、お姉ちゃん……?」
「あなたは子供だからまだ解らないけど、彼女たちのこれからの旅に必要なのよ。 色々とね」
「………」
「それと冒険者としてのランクを "D" まで引き上げておきますね。」
「どうもありがとうございます。 ヤナイ姫」
「構いませんよ。 私を助けてくれた上に、あの塔に巣食う上位魔族・ヒョウをも倒したのだから、このくらいは当然でしょう。」
「本当にありがとうございます。 ヤナイ姫」
こうしてヤナイ姫から私たち四人に男爵の地位と冒険者ランクDが与えられた。
◎『ブラックファントム』
勇者マイカ :爵位→男爵・勇者.冒険者ランクD
戦士ラグレテス:爵位→男爵・戦士.冒険者ランクD
神官アロトリス:爵位→男爵・神官.冒険者ランクD
大魔女シャニル:爵位→男爵・魔女.冒険者ランクD
次回をお楽しみに!




