34、灰色の勇者『マトオ』登場!D
今回も勇者マトオの視点です。
●【No.034】●
ここは "SMエロスの塔" の8階フロア。
いつの間にか、外に出ていたけど、そこに黄金の玉座があって、その玉座に座るのが、なんと王様のアリスノヴァイン六世のお姉様『ヤナイ姫』であった。
だがしかし、少し様子が変だ。
そのヤナイ姫が俯いていて、しかも気絶してるみたいであり、さらに両手・両足には【雷・鉄の鎖】で固定されており、彼女の身動きができないようにしてある。
つまり、お姉様は未だに囚われの身の状態である。
「こ、これはヤナイ姫が……っ!?」
「おお、ヤナイ姫! 今お助けいたします!」
そこである一人の他の勇者が、王様のお姉様であるヤナイ姫を助け出そうと、ヤナイ姫が座る黄金の玉座まで近づこうとすると、突然黄金の玉座の周囲に電流が走り、その他の勇者をビリビリと感電させて弾き飛ばした。
バァチィッ! ドサァッ!
「うわぁっ!!?」
「こ、これは一体……っ!!?」
「な、なんだ……今のは……っ!!?」
その様子を見ていた他の勇者たちも驚愕する。
これはヤナイ姫が座る黄金の玉座を守るように、その周囲には【雷の結界】が張られており、これに近づく者を感電させて弾き飛ばすようになっており、これでは迂闊に近づけない。
そこで他の勇者たちが、一体どうやってヤナイ姫を救出するのか、一生懸命に思案して検討している中で、勇者マトオだけが別のことを考えてた。
それは一体何故、勇者マイカたちのパーティーの姿が全く見えないのか、ってことである。 少なくとも、この8階フロアにはいないみたいである。
「あれ、勇者マイカたち『ブラックファントム』がこのフロアにいないようだが、もう上階へ行ってしまったのか?」
そこで俺が仲間の女性三人に話しかけた。
「ええ、確かにいないわね。 一体どうしたのかしらね?」
「あら、確かにいないわね。 一体何処に行ったのかしらね?」
「はい、このフロアにはいませんけど、この塔にはまだいるみたいですけど……ね。 本当に上階へ行ってしまったのですかね?」
「だが俺には、このままヤナイ姫を見捨てて上へ行ったとは思えない。 上にまだ何かあるからこそ、まず上に行ったのではないか?」
「………」
「するとまだ上があるのか?」
「ということは勇者マイカさんたちは、次の9階へ行ってるという訳ですか?」
「ああ、俺たちもまず9階へ向かわないか? おそらくここにいても、特に何も出来ないだろう。」
「でも、上へ行く階段なんて見当たらないけど、一体どうやって上階へ行けばいいんだ?」
「そうだ。 勇者マイカたちも9階へ行ったのなら、何か上へ行ける方法があるはずだけど、一体どうすれば……?」
「皆さん、アレを見てください!」
ここでルシティークが、ある方向を指差した。
すると、なんとヤナイ姫が座る黄金の玉座の後ろ側に、黄金のロープが垂れ下がっている。 この黄金のロープは、おそらく勇者マイカたちが9階へ行く時に、使用したロープを垂れ下げたモノと思われる。
ここから次の9階へ行くことが出来るみたいだけど、この事に気づいているのが、俺たち四人組のパーティーだけであり、他の勇者たちは、一体どうやって "ヤナイ姫が座る黄金の玉座" の「周囲にある【雷の結界】」を撃ち破るのか……を、みんなが必死になってヤッてる為に、その背後にある黄金のロープには、誰も気づいていないみたいだ。
そこで俺たちが―――
「よし、俺たちだけでも、あの黄金のロープの方へ行くぞ。」
「うん、わかった」
「ええ、いいわよ」
「はい、判りました」
誰にも気づかれず、静かにゆっくりと、その場から離れた。
ちなみにあの黄金のロープは、黄金の玉座からはだいぶ離れた場所にあって、その【雷の結界】の影響を受けていないみたいであり、普通に簡単に登れるようになっている。
(※おそらく勇者マイカたちが、その様にしてくれたと思われる)
そこに俺たち四人組のパーティーが、静かにゆっくりと誰にも気づかれない様に、忍び足で黄金のロープの方へ向かって歩いていく。
そして、俺たち四人組のパーティーが黄金のロープまで到着すると、早速俺がハーリルを肩車して、そのハーリルを黄金のロープに登らせていく。
「まずはハーリルからだ。 上へ登ってくれ」
「う……うん、わかったよ……マトオ」
ハーリルが登ってる最中で―――
ムニュッ♪
「ハーリルが落ちないように、お尻を支えてやるよ」
「うん、お願いマトオ」
最初のハーリルが9階フロアまで登っていくと、次に俺がエミリアスを肩車して、そのエミリアスを黄金のロープに登らせていく。
「次はエミリアスの番だ。 キミも上へ登ってくれ」
「え……ええ、わかったわ……マトオ」
エミリアスが登ってる最中で―――
ムニュッ♪
「エミリアスも落ちないように、お尻を支えてやるよ」
「ええ、お願いマトオ」
次にエミリアスも9階フロアまで登っていくと、今度は俺がルシティークを肩車して、そのルシティークを黄金のロープに登らせていく。
「今度はルシティークの番だね。 キミも上へ登ってくれ」
「は……はい、判りました……マトオ」
ルシティークが登ってる最中で―――
ムニュッ♪
「ルシティークも落ちないように、お尻を支えてやるよ」
「はい、お願いします。 マトオ」
続けてルシティークも9階フロアまで登っていくと、最後に俺自身も自力で黄金のロープを登っていく。
ちなみにだけど、女性三人を先に登らせたのは、俺が彼女たちのミニスカートの中を覗いて、三人のパンティーを見たり、お尻を触って押さえたりする為であり、その甲斐あって、見事に彼女たちのパンティーを見たり、お尻を触ったりすることに成功した。
勿論、女性三人もこの事に気づいていたけど、あえて抵抗も拒絶もせずに、彼女たちは頬を紅くしながらも、優しく進んで受け入れてくれた。
こうして俺たち四人組のパーティーも、無事に9階フロアまで到着した。
◎【九階】
そこで―――
「―――ここは……」
俺が周囲を見渡す。
一体何故、勇者マイカたちがそのフロアにいないのか、そこに気がついた勇者マトオも、なかなかヤる男のようである。




