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絶望老人が異世界転生をしたら、もう既に最強無双になっている?  作者: 賭博士郎C賢厳
A.アリスノヴァイン王国編 ~SMエロスの塔~
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31、灰色の勇者『マトオ』登場!A

  ●【No.031】●



 ◎【七階】


 そこで―――


「―――ここは……」

 私が周囲を見渡す。




 私たち『ブラックファントム』は、6階の中央の階段を登って、既に無事に7階まで来ていた。


 この7階フロアには、さっきの6階フロアとは違い、フロア自体が比較的明るくなっていて、フロア中央には、未開封のふたつの赤い宝箱が並んで置いてあり、フロアの奥の方には、左右端にそれぞれ上階へ上がる登り階段があるだけの、ただ広いだけのフロアである。 (※赤い宝箱は鍵無し宝箱)


 また7階フロアに出現するモンスターも、かなり強力なモンスターになってる。




 私たちは、それらのモンスターを倒しながら、フロア中央にある、ふたつの赤い宝箱まで歩いて向かった。

 モンスター自体も、まだ私の敵ではないレベルのモンスターであり、その途中で何らかの(トラップ)や床の毒や他の仕掛けなどといった、私たちの通行を阻害する()()は、特になかった。

 このフロアは安全フロア、モンスターの強さを除けば、主だった()()はないみたいね。




 私たちは、そのふたつの赤い宝箱の目の前に到着した。


「宝箱発見!」

「ここからは私たちが先行してるので、まだ未開封のままみたいですね。」

「それでは早速(さっそく)、調べてみましょう。」

「宜しくお願いします。 シャニルさん」


 そう言うと大魔女シャニルが右手をかざして、ふたつの赤い宝箱の方に向けた。

 そのシャニルの右手が少し鈍く光り出して、そのふたつの赤い宝箱を照らしてる。


 サッ、ボォーウ!


 その様子を、私たち三人が静かに見守ってると、なにやらシャニルが何か小声で言い出した。


 ―――ぶつぶつ

「…【マスタークイーンスピリット】…」


 今度はしっかり静かに見ている私たち。


 だけどシャニルは、まだ何かをぶつぶつ言ってるみたいだけど―――


 少し時間をおいてから、またシャニルが話し出した。


「……判りました。」


 ★[危険度:1]

 ★[状態:青]

 ★[ランク:C]


「この宝箱に危険はありませんね。 これなら()けても大丈夫だと思われます。」


「あら、そうなの?」

「それは良かったです」


「じゃあ、()けちゃうよ。 シャニル」

「はい、大丈夫です」


 そう言うと私は、まず左側の赤い宝箱のフタを()けてみた。

 ちなみに赤い宝箱には鍵がないため、普通に簡単にフタを()けられた。


 その左側の赤い宝箱の中には、小さな白い布袋が入っていた。

 その小さな白い布袋の中には、"黄金に輝く無数の粉" が入っている。

 ああ、これは『コドリスタ』ね♪



 ♪勇者マイカは『コドリスタ』を見つけた♪



 勇者マイカたち『ブラックファントム』は『コドリスタ』を手に入れた。


 きっと、これもあとで役に立つ重要なアイテムね。




 続けて、今度は右側の赤い宝箱のフタを()けてみた。


 その右側の赤い宝箱の中には、小さな黒い布袋が入っていた。

 その小さな黒い布袋の中には、"白銀に輝く無数の粉" が入っていて、()()が一体なんなのか、何に使うのか、よく解らないけど―――



 ♪勇者マイカは『???』を見つけた♪



 勇者マイカたち『ブラックファントム』は『???』を手に入れた。


 ゲッ、なんで『???』なの?

 きっと、これもあとで役に立つ重要なアイテムだよね?




 まぁ、いいわ。 特に危険性のないアイテムみたいだし、役に立たないアイテムは、そもそも宝箱の中には()れないでしょ?




 この7階フロアの情報も、既に『魔法の地図』で確認済みである。


「次の8階に行くには、左側の階段を使用した方がいいようですね。」

「はい、右側の階段は危険な香りがします。 避けて通るのがベストです。」

「それじゃあ、左側の階段に行くわよ。 みんな」

「はい、判りました。 マイカさん」


 そう言うと私たちは、フロア奥の方にある左側の階段へ向かって歩き出し、そのまま8階へ上がれる階段を登っていった。







 ◎【五階】


 この5階フロアでは、フロア中央に中ボスのガイコツモンスター《SMエロス伯爵・リン》がいた所である。 その中ボスのガイコツ自体は、既に勇者マイカたち『ブラックファントム』によって倒されている為、現在(いま)は何もないただ広いだけのフロアである。


 その勇者マイカたちも、今は8階へ向かってる最中。


 ここでようやく中ボスのガイコツに倒された、他の勇者たちも起き始めていた。




「……マトオ……」


 その中でも、とても長く綺麗な金髪に青色の瞳をして、服はボロボロにされたけど、(かろ)うじて純白のブラジャーと純白のパンティーと純白のニーソックスだけを残した下着姿の金髪美女が、ある男を膝枕して寝かしつけてた。

 おそらく彼女は僧侶だと思われる。


「まだマトオは起きないのか?」


 その近くで、少し長い綺麗な黒髪に(みどり)色の瞳をして、服はボロボロにされたけど、(かろ)うじて水色のブラジャーと水色のパンティーと水色のニーソックスを残した下着姿の黒髪美女が、(ひざまず)いた状態で、ある男の方を見つめていた。

 おそらく彼女は魔法使いだと思われる。


「もう他の勇者たちも起き始めているぞ。」


 その隣では、綺麗な赤髪に黄色の瞳をして、服はボロボロにされたけど、(かろ)うじてピンク色のブラジャーとピンク色のパンティーとピンク色のニーソックスを残した下着姿の赤髪美女が、同じく(ひざまず)いた状態で、ある男の方を見つめていた。

 おそらく彼女は戦士だと思われる。


「………う……ん………」


 そして、膝枕されて寝ている、そのある男とは、灰色の髪に茶色の瞳をして、服はボロボロにされたけど、(かろ)うじて紺色のトランクスと紺色の靴だけを残した下着姿の灰色の勇者『マトオ』が、今ようやく目を覚ました。


「―――ここは……?」


 目が覚めた灰色の勇者『マトオ』の目の前……上の方には、見覚えのある僧侶の顔がうっすらと見えてた。



※ニーソックス

 ニーハイソックスのこと。

 膝上まである靴下のことで、この異世界では靴と靴下が一体化したモノもある。

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