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絶望老人が異世界転生をしたら、もう既に最強無双になっている?  作者: 賭博士郎C賢厳
A.アリスノヴァイン王国編 ~SMエロスの塔~
33/122

26、謎の中ボス登場

  ●【No.026】●



 ◎【四階】


 そこで―――


「―――ここは……」

 私は周囲を見渡す。




 なんと、この階は複雑な迷路になっている。


 やっぱり、この階からはもう単純な構造ではなく、複雑な迷路の通路になっていて、結構迷いそうな感じになっている。


 さらに段階を出た所の入り口には、既にふたつの通路に分かれている。

 この階からは、登り階段もふたつ以上あるみたいで、出現するモンスターも強そうになってるみたいね。

 どうやら、ここから先は一筋縄ではいかないようね。


 多少なりとも薄暗く細い通路になっていて、先を通ったであろう他の勇者たちは、この迷路を迷わずに()()せただろうか?

 だけど、私たち『ブラックファントム』には、先程入手した『魔法の地図』がある。 これがあれば、道に迷わず行けるはずよね?



 大魔女シャニルが『魔法の地図』を取り出して、まずは右側の通路を指差した。


「こっちみたいです。」


 そこで私たちは、階段を出た所の入り口の、左右に分かれた通路の右側の通路の方を歩いていく。


 その後も、この複雑な道を『魔法の地図』を頼りにしながら進んでいき、出現してきた強力なモンスターは、前衛の私かラグレテスが倒していく。 後衛のシャニルとアロトリスは、私たちの援護射撃である。


 この後も複雑な迷路を、右に曲がったり、左に曲がったり、また右に曲がったりして、どんどん先に進んでいき、強力なモンスターもどんどん倒していき、今のところは迷わずに進んでるみたいね。

 ちなみに途中で見つけた宝箱は、中身が空っぽだった。 どうやら、先行している他の勇者たちが取っていってるようね。





 やがて、まっすぐの道が続いていき、強力なモンスターを倒しながら、私たちが歩いていくと遠くの方から、登り階段が少しずつ見えてきた。


「あらあら、階段が見えてきましたわね。」

「あの階段が、次の5階に行ける階段ですかね?」

「いえ、それはまだ……」

「確かに複雑だったけど、この『魔法の地図』があるから、ある程度、迷わずにここまで来れましたわね?」

「ここまで特に何も起こらず来れたわね。」

「…はい…」


 そう言いながら、私たちが、あの登り階段(中央部)の方に向かって歩いて近づく。


 ここまで特に何も問題が起きておらず、またこの階でも他の勇者たちとは、まだ出会っていない。 複雑な迷路の為なのか、既に先に行ってしまったからなのか、もう誰もいないようね。





 ここで迷路の出口にあたり、登り階段(中央部)の手前に差し掛かる所で、突然シャニルが私たちに声をかけた。


「そこでストップしてください。」


「……?」

「どうしたの? シャニル」


「はい、階段の手前に "落とし穴" があります。」


「…えっ!?」

「なんと!?」

「それじゃあ、この先には行けないわね。」

「このまま引き返して、別の階段を使用しましょう。」

「仕方ありませんね」

「ええ、わかったわ」


 そう言うと、私たちがもと来た道を戻りながら、また右に曲がったり、左に曲がったりして、またまた左に曲がったりすると、あとはまっすぐな道が続いていて、むこうの方の遠くから、うっすらと登り階段が見えてきた。


「あらあら、階段が見えてきましたわね。」

「今度のあっちの階段は登れますかね?」

「さぁ、どうかしらね?」

「でも残念ですが、(トラップ)などの仕掛けは目前まで近づかないと、よく解りません。」

「へぇ~ そうなのねぇ~」

「それでも、この『魔法の地図』さえあれば、この程度の迷路なら迷わずに進めますね。」

「ホント、助かるわねぇ~」


 そう言いながら、私たちが、あの登り階段(右側端)の方に向かって歩いて近づく。





 ここで私たち『ブラックファントム』は、その登り階段(右側端)の目の前に到着した。

 今度の階段は、"落とし穴" や他の(トラップ)の仕掛けとかは、特に何もないようね。

 どうやら普通に登れる階段のようね。


 まぁ、確かに少しは強いモンスターも出現してきているけど、それほど慌てるほどのことでもないようね。


 そこで私がみんなに改めて確認する。


「次がいよいよ5階よね? みんな」

「はい、問題の5階です。 マイカさん」

「はい、危険な5階です。 マイカさん」

「なんだか、今からドキドキしてきました。」

「みんな、心と戦いの準備はいい?」

「「「はい!」」」

「じゃあ行くわよ!」


 気合いを入れ直した私たちが、そのまま登り階段(右側端)を登っていった。






 ◎【五階】


 そこで―――


「―――ここは……」

 私は周囲を見渡す。



 この5階のフロアは、真っ暗な広い空間であり、フロアのいたる所に複数の柱が立ってあって、柱の上部には松明(たいまつ)が備え付けられていた。


 また大魔女シャニルが、火の魔法で小さな火の玉を作り出し、周囲を照らす。


「「「っ!!?」」」

「こ……これは……っ!?」


 なんと異常な光景であった。


 他の勇者たちや、その仲間の人達の衣服がボロボロに(やぶ)けて無くなっていて、そこら辺の地面に倒れていた。


 私は思わず、このフロアの中央部を見た。


 そこにいたのが、白色の貴族の服と真紅のマントを着た朱色のガイコツで、左手には銀色のサーベルを持っていて、不敵な笑みを浮かべて堂々と立っていた。


 こいつが《SMエロス伯爵・リン》である。


遂にボス戦……開始の予感……っ!!?

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