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絶望老人が異世界転生をしたら、もう既に最強無双になっている?  作者: 賭博士郎C賢厳
A.アリスノヴァイン王国編 ~SMエロスの塔~
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24、ふたつの謎の宝箱

さぁ遂に未知の宝箱との遭遇ですよぉーーっ!!

  ●【No.024】●



 ここは "SMエロスの塔" の地下内部


 先程まで、オオエロスネズミを退治した私たちは先を急いでいた。


 相変わらず通路は細く暗くの一本道であり、大魔女シャニルが魔法で作り出した小さな火の玉が、明かりの唯一の頼みである。


 私たちはただ黙って通路の先まで歩いていくのみである。



 ちなみに私たち『ブラックファントム』のパーティーの列の順番としては―――


1.戦士ラグレテス

2.勇者マイカ

3.大魔女シャニル

4.神官アロトリス


 というようになっている。


 引き続き、そのまままっすぐ歩いて進んでいる私たち『ブラックファントム』が、この後も雑魚モンスターを倒しながら進んでいく。






 やがて、突き当たりの行き止まりの壁が、うっすらと見えてきた。

 その下側には、謎の赤い宝箱がふたつ並んで置いてある。

 そのふたつの赤い宝箱の周囲には、特に何もないようだ。

 つまり、あのふたつの赤い宝箱以外には、何もないことになる。






 ここで私たち『ブラックファントム』が、このふたつの赤い宝箱の目の前に到着した。


「宝箱みーっけ!」

「赤い宝箱ですね?」

「このふたつのうちのどちらかに、あの『魔法の地図』があると言うことですか?」

「少しお待ち下さい。 今調べてみます。」


 そう言うと、大魔女シャニルが右手をかざして、ふたつの謎の赤い宝箱の方に向けた。

 そのシャニルの右手が少し鈍く光り出して、そのふたつの赤い宝箱を照らしている。


 サッ、ボォーウ!


 その様子を私たち三人が静かに見守ってると、突然シャニルが何か小声で言い出した。


 ―――ぶつぶつ

「…【マスタークイーンスピリット】…」


「……」

「それで、どうなのですか? シャニルさん、この宝箱の中身は『魔法の地図』なのですか?」

「う~ん、見たところ…宝箱はこのふたつだけみたいだから、これでハズレだったらダメージが大きいわねぇ。」


「……二人共、お静かに!」

「「……はい……」」


 だけど、シャニルはまだ何かをぶつぶつ言ってるみたいだけど―――


 少し時間をおいてから、またシャニルが話し出した。


「……判りました。」


 ★[危険度:1]

 ★[状態:青]

 ★[ランク:C]


「この宝箱に危険はありませんね。 これなら()けても大丈夫だと思われます。」


「えっ、そうなのですか?」

「それは良かったわ」


「じゃあ、()けちゃうよ。 シャニル」

「はい、大丈夫です」


 そう言うと、私はさっさとあっという間にあっさりと、まず左側の赤い宝箱のフタを()けてみた。

 ちなみに赤い宝箱は鍵がかかっておらず、普通に簡単にフタを()けられた。


 その左側の宝箱の中には、小さな白い紙切れが入っていた。

 その小さな白い紙切れには、色付きの地図のような()()(えが)かれていた。

 これはあきらかに何かの地図である。



 ♪勇者マイカは『魔法の地図』を見つけた♪



 勇者マイカたち『ブラックファントム』は『魔法の地図』を手に入れた。


「やったぁーーっ! 遂に見つけたぞぉーーっ!」

「ようやく見つけましたね。 これがあの『魔法の地図』ですよ。」

「これで一安心ですね。 あとは一番上まで行って、王様の "お姉様" を救出するだけですね。」

「……?」


 他の三人が特殊なアイテムの入手に喜んでる中で、私だけが()()()()に気がつき注視していた。



 まだ右側の赤い宝箱が残っている。



 そこで私は他の三人が気づかないように、ゆっくりと静かに右側の赤い宝箱の目の前に、そっと近づいた。


 そして、私は右側の赤い宝箱のフタを、そっと静かに()けてみた。


 その右側の宝箱の中には、小さな白い布袋が入っていた。

 その小さな白い布袋の中には、"黄金に輝く無数の粉" が入っていて、()()が一体なんなのか、何に使うのか、よく解らないけど―――



 ♪勇者マイカは『コドリスタ』を見つけた♪



 勇者マイカたち『ブラックファントム』は『コドリスタ』を手に入れた。



※『コドリスタ』とは、「黄金に輝く魔法の粉」でパーティー全員の身体に振りかけると、一瞬でダンジョン入口まで瞬間移動できるダンジョン脱出アイテムであり、一回使うと消えてなくなる。



 だがしかし、問題がまだ残っていた。


「それで、これから一体どうしますか? またあの落とし穴の所まで戻りますか?」

「いや、それよりも地上に出られる登り階段を見つけた方がいいと思いますよ。」

「でもありますかね? 地下に降りる階段もありませんでしたし、地上に登る階段がありますかね?」

「……」

「そうですよね。私たちはダンジョン脱出アイテムも持っていませんからね。」


 ここで他の三人が、地上一階に戻る手段が何も思いつかずに、結構困惑して考え込んでいる。


 そこで私が、その小さな白い布袋を持った右手を前方に出して、みんなに見せた。


「ねぇねぇ、みんな。右側の宝箱の中に、()()が入ってたよ。」


「……?」

「そ、それはコドリスタですか? なるほど、右側の宝箱に入ってましたか?」

()()は何……?」

「はい、()()はコドリスタです。 ダンジョンを脱出してダンジョン入口まで戻るアイテムです。 これさえあれば、ここからこの塔の入口まで一瞬で戻れますよ。」

「それは凄いですね!」

「それでは早速(さっそく)、使用してみましょうか。」

「ええ、わかったわ」


 そう言うと、私が自分を含む仲間全員の身体に、小さな白い布袋の中に入ってる、その「黄金に輝く無数の粉」を()()くと、その瞬間私たち『ブラックファントム』の姿が一瞬で消えてしまった。






※【マスタークイーンスピリット】とは、相手の精神や頭脳などの特殊な攻撃を、相手に反射させて迎撃する。 それを応用した()()で宝箱の中身の危険度・状態・ランクを、自分の頭脳に反射させて認識させる。


 ★[危険度:1]

  この宝箱の危険性は一番低い。

 ★[状態:青]

  この宝箱にモンスターは居ない。

 ★[ランク:C]

  この宝箱のアイテムのランクを表す。


※使用者:大魔女シャニル


ようやく例のアイテムを入手して、再びやり直しである。

今のところはだいぶロスしているけど、果たして一体どうなることやら…?

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