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絶望老人が異世界転生をしたら、もう既に最強無双になっている?  作者: 賭博士郎C賢厳
A.アリスノヴァイン王国編 ~王都へ向かえ~
26/122

19、『ブラックファントム』

  ●【No.019】●



 ーアリスノヴァイン王国ー


 この王都・城下町 "プリデミア" の勇者専用の "ギルド冒険商" の中にて、その主人である「王護聖騎士」たち三人くらいが立って現れている。


 その王護聖騎士を中心に、勇者マイカたち一行をはじめとする、他の沢山の勇者のパーティが、王護聖騎士たちを取り囲むように集まってきた。


 そこで王護聖騎士の一人が、これからの事について、集まった勇者たちに説明する。


「これから順番に隠し通路から、王宮の玉座の間まで行ってもらいます。 そこで王様の謁見を受けてもらい、わざわざ呼び寄せた理由・目的を説明して頂き、そのまま目的地まで行ってもらいます。」


 ざわざわざわ


 ここで集まった勇者たちが、明らかに動揺して騒いでいる。


 確かに、そうであろうな。 いきなり、そんなことを言われても、まったく意味が解らない。


 正直、困るだろう?


 だがしかし、この意味不明な現状を、ある程度予測して、ある程度予感をしている者も、この中にはいる。 勿論、勇者マイカもその一人である。


 あぁーー、なるほどねぇ~~♪ そういうことなのねぇ~~♪ よ~~くわかったわぁ~~♪


 おそらく、王様の説明を受けてから、また別のダンジョンまで行かせるつもりなのねぇ~~。 まぁ自分で行くか、そっちの方で連れて行ってくれるかは別にして、私たち勇者を、そのダンジョンに行かせるつもりなのねぇ~~。

 その目的は「何か特殊なアイテムを、そのダンジョンの中から見つけ出して、手に入れる為」だとか「囚われた姫様を、そのダンジョンの中から見つけ出して、救い出す為」だとか「真の勇者になる為の試練のダンジョンを攻略せよ」だとか―――ん~~ あとは思いつかないわね。


 まぁ~~ そんな感じかな。 なんかどこかのゲームとかで出てくるイベントのひとつだと思うよね?


 私が感慨深く考え込んでいると、私の後ろにいる他の勇者から質問が飛んできた。


「あのぉ~~ その詳細については、どのような解釈をすればよろしいのですか?」


「それについては、王様の謁見で詳細な説明がなされるはずです。 その詳細は王様からお聞きになって下さい。」


 当然の質問である。 少なくともこの世界の人達にとっては、突然この国の王様に呼ばれた勇者が集められ、その理由・目的を告げられることなど、普通は考えられないことなのだからね。


 よほどのことであろうか?


 だから他の勇者たちも、かなり不安・困惑している。

 でもあまりにも簡潔すぎる……もしかして、この王護聖騎士たちにも詳細な情報は知らされていない?


 よほど重大かつ極秘・秘匿な情報……特殊なイベントなのか? まぁ……隠し通路とか言ってる時点で、かなり怪しいんだけど?


 そこで順番通りに、某所の隠し通路を王護聖騎士たちによって案内される他の勇者たち。 私たちの番はまだまだ先なんだけど、ただ黙って待つのも退屈なのよねぇ~~。


「あのぉ~~ マイカさん? 何故、私たちはこそこそ隠れながら、王様と謁見するのでしょうか?」


 大魔女シャニルが当然の質問を私にしてきた。


「そもそも、なんでこんなに沢山の勇者が必要なのでしょうか?」


 今度は神官アロトリスが当然の質問を私にしてきた。


「ふふふ、そうね。でも実際に王様に聞くしかないわね。」


 私は当然の返答をした。でも実際には、その通りでしょ?


「………」

私以外の三人が無口になり、急に黙ってしまった。


 ここでまたしばらくの間、だいぶ時間が経過していき、遠くの方では、なにやら複数の男性の大声が、ここまで小さく聞こえてきた。 さながら怒鳴り声であり、何か言い争ってるように感じる。


 疑問に思った私が近くにいた王護聖騎士に声をかけた。


「ねぇねぇ、外の方が騒がしいけど、何かあったの?」


「あっ……はい、門の前で野盗が突然暴れだして、現在(いま)は衛兵や門番たちが取り抑えているところです。」


「ふーん、そうなのね」

「なんだか物騒ですね」

「ええ、まったくです」


「はっ、もうまもなく収まると思いますので、ご安心下さい。」


 やがて、男性の大声も遠ざかっていき、外の方のいざこざも収まった頃には、ようやく私たちの番になった。


 と言っても私たちが最後のようで、この "ギルド冒険商" にいた他の勇者たちは、王様の謁見を終えても、ここには戻ってこなかった。

 やっぱり、そのままダンジョンに行ったか行かされたか……でも一体どんな内容だったのか、結構気になってきたわね。


 まぁ面倒事さえ押し付けなければ、別にいいかな?


 どうやら王護聖騎士の一人が、私たちの前に来て、案内をしてくれるようね。


「えーと、勇者のマイカさん。 戦士のラグレテスさん。 神官のアロトリスさん。 魔法使いのシャニルさん……ですね? おお、一番マトモなパーティですね? ところで "チーム名" とか "パーティ名" とかあれば、是非とも教えて下さい。」


 まぁ一番マトモなパーティについてはスルーして、また厄介な事を言い出してきたわね?


「あら、それ必要?」

「はい、一応決まりなので……」

「あら、そうなの」


 そこで私たちは一度集合して作戦会議? をした。 ここで作戦会議? をすること、約三分……ようやく決まった。


「そうね、じゃあ私たちは『ブラックファントム』とでも名乗っておこうかしら?」


 ちなみに『ブラックファントム』と言うパーティ名は、私が考えたの。 何せ全員真っ黒だからね。


「はっ、『ブラックファントム』ですね? それでは玉座の間までご案内致しますね。」

「ええ、じゃあお願いね」


 ここでようやく最後の私たちが担当の王護聖騎士の案内のもと、直接王宮の一番奥にある玉座の間まで行くことになった。


まだこれから王様と謁見する予定である。

王様は一体何をさせるつもりなのか?

勇者マイカたちは一体どうなるのか?

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