12、次の街での不愉快な事?C
どうやら、またいつも通りの日常が戻ってきたようだ?
●【No.012】●
翌朝、外では小鳥が鳴いている。
俗に言う朝チュンである。
目が覚めた私がボォーとしながら、ベッドからムクリと起きた。
「ふあぁぁ、朝か……」
背伸びしながら、窓の方に目を向けた。 もう太陽が眩しい時間帯である。
隣のベッドでは占い師のシャニルが、まだ眠っているようだ。
「さて、そろそろ起きますか?」
「ZZZ」
「ほら、起きて…シャニル」
私はまだ眠いながらも、隣で寝ているシャニルを起こして、普段の旅用の服に着替えて、旅立つ準備をしている。
それで朝食は宿屋が用意してくれた軽食で済ましている。
こうして、宿泊していた宿屋から外に出て、また "ギルド冒険商" に向かう勇者マイカと占い師のシャニル。
その道中で二人が話し合っている。
「さて、昼食まで "ギルド冒険商" に行って時間を潰しながら情報も入手していこうかしらね。」
「はい、そうですね。 マイカさん」
「ところでシャニルはこの後どうするの?」
「せっかくですので、このままマイカさんについていくつもりです。」
「あら、そう。 じゃあ私専用のパーティー誕生かしらね。」
「まさか、このまま一人で旅をするつもりだったんですか?」
「別に一人でもいいんだけど、どうしても一人だとつまらないのよねぇ~」
「はい、そうですね。 マイカさん」
♪大魔女シャニルが仲間になった♪
「それじゃあ、今日からあなたの名前は、"大魔女シャニル" だからね!」
「あのぉ~ 占い師の方は……?」
「それを含めて、大魔女シャニルなのよぉ♪ わ・か・る?」
「……いえ……」
「だ・か・ら、魔法使いと占い師とその他諸々合わせて、大魔女ってわけよぉ♪」
「………」
「ふふふ♪」
などと話している内に、あっという間に "ギルド冒険商" の前に到着した。
二人が中に入ると、いつも通りの賑かな光景であり、相変わらず沢山の冒険者で賑わっている。
早速だけど、私たちはカウンターの向こうにいる主人に近づき、そこでなにやら話しかけていた。
「いらっしゃい」
「はぁ~い、ご主人さん♪」
「どうもです、ご主人」
「おお、お嬢ちゃんたちか、よく来たね。 今日は何の用だい?」
「あのぉ~ 国王はまだ勇者様を集めているのですか?」
「おお、まだ集めているようだな。 それから順次に、ある目的地に向かわせているようだな。」
「それは一体何の為に?」
「さぁ、それはわからんな。 国王に直接聞くしかないな。」
「ふ~ん、そう」
ここで私は次の質問を主人にした。
「それはそうと、ここから王国の王都の街まで、あとどのくらいあるのかしらね?」
「おお、それならこの街を出て、次の街を越えたら、やっと王都の街に到着するみたいだな。」
「ひゃぁー、まだ街があるんだね。 こりゃ大変だわ。」
「おお、そうだな。 次の街は確か、"マロニューウナの町" ってところだな。」
「へぇ~ "マロニューウナの町" ねぇ~~♪」
「おお、ここだと北に約2キロってところだな。」
「まぁまぁの距離よね。 私ならあっという間に行けるわね。」
「はい、私も大丈夫だと思います。」
「おお、そうかい。 まぁ、頑張ってな」
「はぁ~~い♪」
などと、この後も私たちは主人と雑談しており―――
「それじゃあ、またねぇ~~♪ ご主人さん」
「それでは行ってきます。 ご主人」
「おお、気をつけて行ってきな。 お嬢ちゃんたち」
お別れの挨拶もそこそこに済ませると、私たちは、そのまま "ギルド冒険商" を出ていった。
お昼頃には街を出ていきたい為に、ちょっと早いけど、もう昼食にすることにした。
今日のお昼は魚料理店にすることにした。
早速店内に入ると、私たちは席に座り、この街の魚料理を堪能することにした。
私のは美味しそうな焼魚と白米とミソスープの定食。
シャニルのは魚を丸ごと揚げた美味しそうな料理と白米とミソスープの定食。
私たちは美味しそうに食べていた。
「へぇ~ 魚料理もなかなか美味しいわねぇ~~♪」
「はい、そうですね。 マイカさん」
「ねぇ、ミソスープって味噌汁のことよね?」
「はい、たぶん、そうだと思います。」
「ところでシャニルは戦闘できそうなの?」
「はい、私は魔法使いなので、せいぜい後方からの魔法攻撃による後方支援程度ですけどね。」
「それじゃあ、シャニルは接近戦や肉弾戦は不可能なのね?」
「はい、あとは占い師としての予言くらいですかね?」
「あら、意外と便利ね。シャニル」
「はい、でも私はあまり戦力に入れない方がいいですよ。 レベルもそれほど高くはないですしね。」
「ふ~ん、そう」
「まぁ、気楽にいきましょう。」
「はい、マイカさん。宜しくお願いします」
私たちが食事を食べ終わると、会計を済ませてから、その魚料理店を出ていった。
その後で私たちが必要なモノを買ってから、色々な物を充分に補充して、丁度お昼頃にこの街を出ていった。
その私たちの背後を見つめる複数の人影があったみたいだけど……ね。
果たして、昨夜の出来事……勇者マイカは知っていたのか?
ぜひ聞いてみたいモノだな……。