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絶望老人が異世界転生をしたら、もう既に最強無双になっている?  作者: 賭博士郎C賢厳
A.アリスノヴァイン王国編 ~王都へ向かえ~
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09、道中での出来事B

果たして占い師の女性の正体とは……!?

  ●【No.009】●



 道端にあった小さな小屋の一軒家『占いの館』の中に入っていった勇者マイカが、部屋の奥の方に座っている謎の女性を見つめながら近づいていく。


「は~~い、ど・う・も~~♪」

「いらっしゃい」


 勇者マイカの方は愛想をいっぱい振り撒いた荒対応をしているけど、占い師の女性の方は素っ気なくあっさりとした塩対応をしている。 ちなみに荒対応とは荒れた対応のこと。


「……何の用なんですか? ……占いですか?」

「ねぇ、あなたは本当に占いができるの?」

「ええ、まぁ……一応は……」

「じゃあ、私のことを占ってみてぇ~~♪」

「…はい…」


 ここで私が占い師の女性の目の前に立ち、占い師の方はなにやら紫色の水晶玉を覗き込んでいた。


「………」

「………」


 しばらく無言と沈黙の時間が続いたけど、やがて占い師の方から―――



 ―――突然語りだしてきた。


 ━ あなたはこれから様々な場所に行き、様々な出会いと別れを経験するでしょう ━


 ━ 沢山いる勇者の中から、あなただけが生き残り、さらに様々な強敵を倒し、遂には大魔王をも打倒して、ようやく悪魔神との邂逅を果たすでしょう ━


 ━ あら、その中で……一人の男性の姿が見えますね? 彼は一体何者なのでしょうか? ━


「もしかして、未来の旦那様かな♪」


 突然勇者マイカが横槍を入れてきたけど、その占い師がそんな勇者マイカを無視して、なおも占いを続けた。


 ━ その後で……あなたは……あなたは……ふーう ━


 ━ あなたと悪魔神との対峙までは見えていたのですけど、その後に登場したこの男性の()()で、これ以上の未来(さき)映像(すがた)を見せてくれませんね ━


 ━ この後……あなたが、一体どうなったのかは全く解りません ━


 どうやら紫色の水晶玉で見えた出来事はここまでのようだ。


「……えっ、その男の人って……そんなに凄いの? ……あっ、でも私は悪魔神のところまでは行けたのね? そこがわかれば十分よ♪」

「そうですか。 ところでマイカさん、これからカグラツカサの町に向かうんですよね?」

「うふふ♪ やっぱ私のことを知っていたのね♪ あなたのお名前は何て言うのかしら?」


「私の名前は…… "シャニル" です。 他方からは『魔法使いの()()()()』と呼ばれています。」


「あら、魔法使いなの……占い師じゃないの?」

「いいえ、私は占い師でもあり、魔法使いでもあります。 あと賢者の真似事も少しはできます。」

「あら、なかなかの万能さんね。 ただの魔法使いじゃないんじゃないの?」

「ええ、まぁ……」


「なら、そうねぇ~~♪ あなたはなかなか凄そうだから、いっそ "大魔女シャニル" って名乗ったらどうかしらねぇ~~?」

「……検討します……」

「そぉ~~♪ まぁ~~ お好きにどうぞぉ~~♪」


 その後で私とシャニルは少しお話ししたの。 実は彼女も私と同じ『異世界転生者』であることがわかった。 彼女の魔法使いとしての腕は一流で、四大元素である「火」・「水」・「風」・「土」の全ての魔法が使用可能なの。 やっぱり "大魔女" を名乗るべきよね? 私のことをある程度知ってるみたいで、相棒で緑色のスライムのミドリのことまで知っていた。 占いで見えたのかしらね? いやぁ、占い師としての才能も相当なものよね。


 この後も私とシャニルは話し合いを続けて情報交換・共有をしていたけど、やがて私たちはお腹がすいてきたようなのよね。 だけど、ここには食べ物が無いみたい?


「食事なら、次のカグラツカサの町まで行かないとないですね?」

「カグラツカサの町かぁ……アリステレストの町から約20キロはあるんだよねぇ~~」


「……えっ!? ……20キロ……ッ!? アリステレストの町からカグラツカサの町まで、()()()()ですけど……?」

「……えっ……えっ!?」

「ちなみにアリステレストの町から()()まで約1.8キロだから、残り約0.2キロ(200m)ですけど……?」

「……えっ……えっ!? そうなのっ!?」

「ええ、だいたい町から町へ、そんな遠くありませんよ。」

「………」


 ……私は目が笑っていても顔と心が笑っていない、なんとも言い様がない程の威圧感と怒りでミドリに詰め寄った。


 ゴッゴゴゴゴゴゴゴゴゴ―――


「ミィ~~ドォ~~リィ~~ッ!!!」

「……ぁあっ、いや、えーと、その……ひ、一桁間違えたかな……? ヒィーーッ!!」


 ミドリが汗を流しながら、慌てて言い訳をしている。


「まぁまぁ、もうそこまでですから、道案内がてら、一緒に食事でもしましょうか?」

「あら、そうね。 それはいい案ね。 そうしましょうか。」

「ふ~~う」


 ここで占い師のシャニルが、怒りの勇者マイカをそっと(なだ)めていて、とりあえず危機が去ったミドリはホッとして胸を撫で下ろした。 まぁ、スライムに胸があればだけど……


「じゃあ、早速行きましょうか。 シャニル」

「はい、判りました。 マイカさん」


 そう言うと、私とシャニルは小屋から外に出て、シャニルが道案内をして、私が用心棒をして、そのまま次の目的地カグラツカサの町まで歩いていった。


 ったく、それにしてもミドリは、まったくいい加減な情報を教えちゃって、果たして何処まで信用出来ることやら?


 などと考えているうちに、あっという間にカグラツカサの町の出入口の前まで到着していた。









 それにしても "大魔女シャニル" の名付け親が、あの勇者マイカだったとは……ね。

ここで遂に大魔女シャニルが登場した。

この頃の大魔女シャニルはまだ結構真面目……?

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