118、祝祭日
●【No.118】●
ライドベル王国にて。
この王国の郊外・街の外れに、あのマリアン侯爵の豪邸が建ってる。 何故か…街の中央ではなく、端っこの方に建ってるのだが、それは一体どうしてなのか…よく解らない。 しかし、さすがは侯爵の豪邸だけあって、なかなか広い部屋がたくさんある。
この広い部屋が多くあって、執事やメイドたちもいて、主であるマリアン侯爵も住んでる。 主に執事とベテランメイドたちが彼女のお世話をしていて、他の下部メイドたちが屋敷のお世話をしている。
「……」
「……今日は…行かれないのですか?」
「ええ、そうね。
今日はマリリンがあそこに行く番だからね」
「「……」」
「そうだったのですか…」
「それに…今日は祝祭日だから、あの人はいませんよ?」
「それは……確かに……そうでしたね…」
「「……」」
大きい部屋の中央に円形のテーブルとイスがあって、そのイスに座るマリアン侯爵。 そんな彼女が白いティカップを持って紅茶をゆっくり優雅に飲んでる。 彼女のすぐ側に執事の男性が立ってる。 あの例の神殿には行かないようであり、どうやら今日は祝祭日というお休みみたいだ。
その後も彼女は、あの部屋で…ゆっくり寛いでて、特に何もしなかった。 こうして祝祭日の一日を過ごしていった。
━・ー●ー・━
早朝から神殿の前で両膝を地面につけて両手を組んで祈りを捧げている。 その姿がピンク色の長髪に瞳を閉じて純白のロングスカートドレスを着た状態である。 彼女もまた名のある貴族だと思われる。
「……」
彼女の名前はマリリン侯爵である。 彼女も爵位のある貴族であり、彼女自身が侯爵である。 長いピンク色のストレートヘアーにピンク色のリボンをつけていて、腰まで伸びたピンク色の髪をまとめてる。 蒼色の瞳に薄紅色の口紅。 純白のロングドレスを着ていて、青いハイヒールを履いてる。 彼女もまた見た目が若いけど、年齢は不詳。 身長は女性の平均身長よりも少し低め。 ドレスの上からでもわかるほどの大きな胸と、ドレスの上からでもわかるほどの括れたウエスト。 彼女の両親は貴族・爵位はなく、生死さえも不明である。
そんな彼女の全身が薄く光ってる。 光のオーラが何重にもなって現れており、彼女の全身が煌々しく見える。
ボワァァァァ―――
この光は……この力は……まさか…あの『聖女』―――そのものなのか…? 彼女は別に令嬢ではなく、貴族&侯爵であるのに…聖女でもあるのか…? そんな彼女が神殿の前で祈りを捧げる。 それは一体何のために…? どういった祈りを捧げていたのか、それは彼女にしか解らない。
「……」
ピカァッ!
彼女の組んだ両手が一瞬だけ強く光輝いた。 祝祭日というだけあって、聖なる力が彼女の身体に充満している。
「…いいですわね…」
シュゥゥゥッ!
彼女が立ち上がると、全身から発していた光もいつの間にか消えていて、あの煌々しさも失われていた。 元の普通のマリリンに戻っていた。 神殿に一礼して、後ろを振り向いて、神殿をあとにして、そのまま石でできた自動的に動く階段の方へと歩く。
「!」
「やあ!」
「マリーネさん」
「今日もお祈りかい?」
「はい!」
すると…石でできた自動的に動く階段に乗って、下からやって来た一人の女性とマリリンが鉢合わせた。 どうやらこの二人は知り合いのようで、お互いに声をかけた。
「マリーネさんは…今日はどういったご用件ですか?」
「マリアンは…今日は来てるのかい?」
「いいえ、今日は来てませんよ。」
「えっ、今日は来てないのか? 仕方ないね。
今日は一人で行くか?」
「?」
どうやらマリーネという女性は神殿の中に用があったと思われるけど、マリアンのことも知ってたようだ。 しかし、マリーネの話にマリリンが不思議そうな顔をする。
彼女の名前はマリーネ伯爵である。 彼女もまたただの令嬢ではなく、彼女自身が伯爵であり、貴族でもある。 赤いショートヘアーに紅色の瞳に紅色の口紅。 紅い服&ミニスカートに紅いハイブーツを履いてる。 彼女もまた見た目が若いけど、年齢は不詳。 身長は女性の平均身長よりもなかなか高い。 服の上からでもわかるほどの大きな胸と、服の上からでもわかるほどの括れたウエスト。 両親は健在で貴族・侯爵の地位にある。
「あら、今日は祝祭日ですよ? だから…マリアンさんも来ていないのですよ?」
「えっ、祝祭日…?
それじゃあ、まさかアプロテも来ていないのかい?」
「はい、今日は祝祭日なので来ていません。」
「そうかぁ~、マリアンもアプロテも来ていないのかぁ~。 だから…代わりにマリリンが祈りを捧げに来ていたのか?」
「はい、今日は祝祭日なので…」
「それじゃあ、私も今日は帰るか」
「はい、それがいいと思います。」
「よし、帰ろう」
「私も帰ります」
せっかく神殿まで足を運んで来たのに、今日は祝祭日だったので、マリアンもアプロテも来ていなかったのだ。 祈りを捧げに来たマリリンはともかくとして、マリアンとアプロテに用があったらしいマリーネは出直すことにした。 彼女も後ろを振り向いて、マリリンと一緒に石でできた自動的に動く階段に乗って、下へと移動していく。
二人が階段を降りると、貴族専用の馬車が待っていて、マリリンが馬車に乗ると出発した。 自宅の豪邸へと戻っていく。
「ごきげんよう、マリーネさん」
「ああ、またな。 マリリン」
一方のマリーネは馬に乗って、来た道を戻っていった。 こうして神殿に来た者たちが、続々と帰宅していた。
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祝祭日とは、神や魔王でさえも休む日とされていて、業務も宿屋や教会以外のほとんどのお店が休業となる。 勿論、この日はアプロテもお休みであり、神殿には誰もいない。 祝祭日は聖女の祈り以外は、全員身体を休める日とされてる。




