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絶望老人が異世界転生をしたら、もう既に最強無双になっている?  作者: 賭博士郎C賢厳
B.バイオメドリグスの国編
120/120

113、転移魔法ピレアム

  ●【No.113】●



 ここはナンナンチョウの町にて。


 ()()に勇者マイカたち『ブラックファントム』の四人と、勇者マトオたち『セックス・ハーレム・ナイトメア』の四人が来ていた。 同じく()()に来ていたシジルスが入手した『世界地図』を(マイカ)が受け取り、代わりにエネルギー・ポイント "30000EP" を(シジルス)にあげた。 あらかじめエネルギー・ポイントのいらない分を別に切り取って、()()を彼にあげたので、私の方は何も問題ない。


「これが……『世界地図』……?」

「……『世界地図』……」

「ああ、そうだ。 ちなみに現在地もしっかりと赤色で表示されるそうだ。」

「あっ、ホントだ」

「へぇ~、なるほどぉ~」

「これは確かに良いですね」

「……」


 これで取引は以上かな?

 まぁ…この『魔法の地図』と『世界地図』があれば、なんとか世界を旅することができるわね。 あとは船が出来上がるのを待つだけね。


「あともうひとつ。 お願いがある」

「あら、何かしら?」

「あなたたちの船に俺も乗せてくれ。」

「あら?」

「……」


 シジルスが私たちの船に乗船したいようね。 ここから違う大陸に行きたいのかしら?


「別の大陸に行きたいの?」

「ああ、そうだ」

「言っておくけど、私たちでは行き先を決めることはできないわ。 全ては船長の決めた場所・港にしか行くことはできないわ。 それでもいいかしら?」

「ああ、それでいい。

 行き先はあんたたちに任せるよ。」

「「「「……」」」」

「いいわ。 それでいいなら乗せてあげるわ。」

「すまないね」

「ヨロシク頼むよ」


 彼も何処(どこ)かに行きたいらしいけど、さすがに何処(どこ)へ行くかは教えてくれないようね。 まぁ…別にいいけどね。 私はシャニルやマトオたちとアイコンタクトをとっていて、そこからシジルスの乗船許可を()してあげた。


「じゃあ、あともう少し待っててね」

「完成時期や乗船場所もおって連絡があるかと思います。」

「ああ、わかった」

「それじゃあ、ヨロシク頼むよ」


 そう言って、シジルスとヴァグドゥルスの二人が振り向いて、そのまま立ち去っていった。 その様子を私たちがただ黙って見つめていた。 船が完成するまで、あともう少し―――あの『魔法の地図』と『世界地図』が入手できたことで、私はあることを思いつく。 そこで早速(さっそく)、私たちもアリスノヴァイン王国へ戻っていった。







 アリスノヴァイン王国にある某所の工房にて。


 マトオたちと別れて、私たち四人は某所にある工房へ来ていた。 私はこの大陸を離れる前に、最後の作業をすることにした。 この工房は私が見つけた工房であり、今まで何回か使用してきたけど、おそらく今回で最後の使用となりそうね。


「ここに来るのも久しぶりですね?」

「……」

「マイカさん、ここで何するつもりですか?」

「私に足りないモノがあるの」

「えっ、足りないモノ?」

「ありましたかね?」

「……」

「マイカさんにできないことなんかありませんよ?」

「ひとつだけあるわ。 私に足りないモノがね」

「それは何ですか?」

「それは転移魔法よ」

「「「ッ!?」」」

「……転移魔法……」

「転移魔法ですか?」

「そう、いつでもこのアリスノヴァイン王国へ戻ってこれるように転移魔法を作成する必要があるわ。」

「……」

「もし、仮にアリスノヴァイン王国で何かあってもすぐに戻ってこれるようにしておかないといけないからね。」

「なるほど、確かに……」

「でも、そんな簡単にできますかね?」

「ええ、できるわ」

「「おおぉぉっ、凄い!」」

「……」

「ただし、少しだけ時間がかかるけど、まぁ…船が完成するまでにはできるでしょう。 ()()が完成すれば、またアリスノヴァイン王国に瞬時に戻ってこれるはずよ?」

「なるほど、確かに……」

「それで何から始めます?」

「材料は揃っているわ。

 あとはうまく組み合わせて、転移魔法らしきモノを作っていけばいいワケよ。」

「……材料……?」

「ええ、()()()を使用するわ」


 今回使用する材料は―――


◎1.『世界地図』

※「世界の地図を表示・現在地も赤色で表示」

◎2.『魔法の地図』

※「ダンジョン内の地図とダンジョン内の情報を表示」

◎3.『コドリスタ』

※「黄金に輝く魔法の粉」

※「一瞬で全員をダンジョンから必ず脱出できる」

◎4.『リリスのカスミ』

※「白銀に輝く魔法の粉」

※「一瞬で全員を戦闘状態から必ず脱出できる」

◎5.『ヤナイのコンパス』

※「ヤナイ姫からもらったアリスノヴァイン王国を常に指すコンパス」

◎6.『黒い鉄の棒』

※「マイカの目印」


 以上の6点である。

 これらをうまく使用して、転移魔法モドキでも完成すれば、見事成功よ。


「それじゃあ、早速(さっそく)作っていくわね?」

「「はい」」

「……」


 まずは『コドリスタ』と『リリスのカスミ』を混ぜる。 黄金の粉と白銀の粉が混ざった形となる。 これを実験粉と呼称する。


 次に『世界地図』のアリスノヴァイン王国の所に実験粉をふりかけて置き、その上に『ヤナイのコンパス』を置く。 この『ヤナイのコンパス』は常にアリスノヴァイン王国がある方角を指す。


 続いて『魔法の地図』の "SMエロスの塔" の所にも実験粉をふりかけて置き、その上から『ヤナイのコンパス』を置く。 すると先程の『世界地図』のアリスノヴァイン王国がある所が光り出す。 どうやら『ヤナイのコンパス』は完全にアリスノヴァイン王国の場所・方角を記憶できたようね。


 あとは『黒い鉄の棒』にも実験粉をふりかけて、この工房内の所定の場所に()して立てておく。 その『黒い鉄の棒』の上の部分にも『ヤナイのコンパス』を置く。 これでいつでも、この『黒い鉄の棒』の所に戻ってこれるように記憶する。


 最後に私とシャニルで『ヤナイのコンパス』を手で握る。 すると握った手の方が光り出す。


「……できた……」

「えっ、もうできたんですか?」

「思ったより、早いですね?」

「ええ、そうね。 あとは実際に転移できるか実験するだけよ。 ちなみにこの転移魔法の使用にコンパスはもう必要ないわ。 もう記憶してるからね」

「……」

「この転移魔法は私とシャニルの二人が使用可能よ。 その名も転移魔法ピレアム…」

「転移魔法ピレアム…」

「私とシャニルが、それぞれ別の場所からピレアムを唱えて、この工房の『黒い鉄の棒』まで瞬時に移動できれば成功よ。」

「「おおぉぉっ、凄い!」」

「それでは早速(さっそく)、試してみましょうか?」

「ええ、そうね」


 そこで私とアロトリスが『邪惚教都(じゃこつきょうと)』の近くまで移動して、シャニルとラグレテスが "バイオメドリグス" の国の近くまで移動する。 アロトリスが私の身体に触り、ラグレテスがシャニルの身体に触る。 そこで私とシャニルが転移魔法ピレアムを唱えた。


「「転移魔法ピレアム展開開放!」」


 ボアァァ~~ン、シュッ!


 すると私たちの足元に転移魔法の魔法陣が出現して、一瞬で私たちの姿が消えた。 そして、次に姿を現した時には、あの工房の『黒い鉄の棒』の前に私たち四人が立っていた。


「……成功よ……」

「やったぁ~~!」

「本当にできた…」

「これで…いつでもアリスノヴァイン王国に戻れる…」

「ええ、そうね。 これで旅立つ準備はできたわね」

「「はい」」

「ええ、そうね」


 実験は成功した。

 これでいつでもアリスノヴァイン王国に戻れる。 ただし、この転移魔法は別の場所からアリスノヴァイン王国の工房に戻るだけの転移魔法であって、一度行った場所を自由に移動できる魔法ではない。 それからこの工房は閉鎖・封鎖して、外から入れないようにする。 これで転移魔法ピレアムの完成ね。


 あとは船が完成するのを待つだけ。


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