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絶望老人が異世界転生をしたら、もう既に最強無双になっている?  作者: 賭博士郎C賢厳
B.バイオメドリグスの国編
119/120

112、『世界地図』

  ●【No.112】●



 こちらはアリスノヴァイン王国の王都・城下町 "プリデミア" の王宮内にあるマイカたちの自室にて。


 王様たちとの話し合いも終わり、私たちは自室に戻っていた。 最も今は宿泊させてもらっているだけなので、自室というよりも宿泊部屋といった表現(ほう)がいいんだろうか…? この部屋には、私たち『ブラックファントム』の四人しかいない。 勿論だけど、この四人だけで、今後の事について話し合うつもりよ。 決して女子会ではないわ。 それと私は、よくミドリやアオとも打ち合わせしている。


「………」

「これからどうします?」

「もうあらかた行きましたよね?」

「そうですよね? もうこの大陸で行ける所はないですよね?」

「……」

「アリスノヴァイン王国以外に王国はないですし、それと『邪惚教都(じゃこつきょうと)』や "バイオメドリグス" の国にも行きましたし―――」

「それにもうカラスクイーンアテナやポグルスもいませんし―――」

「あと『魔法の地図』も入手したし、船ももうじき手に入るから―――」

「ええ、その船で次の大陸へ出航するだけ―――」

「「…はい…」」

「いいえ、まだよ」

「「―――えっ!?」」

「?」

「まだ手に入れてない()()があるわ」

「えっ、まだぁ!?」

「それは何ですか?」


「『世界地図』よ!」

「「「ッ!!?」」」

「そう、この大陸で『世界地図』を入手しておかないと、次に入手できる機会がいつになるか解らなくなるからね。」

「―――『世界地図』……」

「確かに、これから世界に出るなら『世界地図』は必要ですね?」

「しかし、どうやって入手します?」

「大丈夫よ。 アテはあるわ」

「マイカさんには何か考えがあるようですね?」

「ええ、あるわ」

「判りました」

「はい、判りましたわ。」

「入手しに行きましょう」

「その『世界地図』を―――」

「ええ、行くわよ」


 私たちの次の目的、それは『世界地図』の入手である。 ここから先…次の大陸へ行くにも、もはや頼りになるのは…その『世界地図』のみ。 必ず入手しなければならない。 最重要アイテムなのである。 問題は何処(どこ)に行けば入手できるのか? でも…()()については、私に考えがあるわ。





 それからしばらくして、次に私たちが王宮内の某所にて、マトオたちと合流した。


「これからどうします?」

「私たちは『世界地図』を入手するわよ」

「……『世界地図』……?」

「そう、これから世界を旅しようという時に、あの『世界地図』は絶対に必要だからね?」

「あぁ、確かになるほど」

「あなたたちはいらないの?」

「いえ、ここだけの話。 俺たちに地図は必要ないんですよ」

「……」

「??」

「「…えっ!?」」

「マイカさんたちには言いますけど、このルシティークの特殊能力に『神の地図』というモノがあって、それで外でもダンジョン内でも何処(どこ)でも光の道筋がわかるようになってるんですよ。」

「……」


 ルシティークが軽く会釈する。

 でも…『神の地図』って…一体何なの? まさか…彼女だけが持ってる特典能力とかなの? なかなかやるわね彼女も―――便利そうで―――


「……」

「「……『神の地図』……」」

「…はい…」

「………」

「だから俺たちに地図は必要ないんですよ」

「「「……」」」

「……羨ましいわね……」

「「「……」」」

「……」


 私がポツリとした小声の発言に、ルシティークをはじめマトオやシャニルたちも思わず魅了して言葉を失う。 別にそんなつもりで言ったワケではないけど、思わず本心が口に出てしまったんだろうね。


「それで私たちは、これからある場所に行くつもりよ?」

「ある場所とは?」

「ナンナンチョウよ」

「……」

「??」

「ナンナンチョウ?」

「ええ、そうよ。 そのナンナンチョウへ行って、ある人物と待ち合わせするつもりよ」

「ある人物と?」

「……」

「もし良かったら、俺たちも一緒に行っていいですか?」

「ええ、別にいいわよ」

「ありがとうございます。」

「………」


 マトオたちも同行するみたいね。 そのナンナンチョウとは、このアリスノヴァイン王国から南に行くとある街であり、そのナンナンチョウも漢字で書くと『南難町』となるそうね。 最もこの世界に漢字はないので、あの漢字の意味がわかる者でないと、ほとんど何も読めないわね。


 そのナンナンチョウとは、あのアリスノヴァイン王国の南側を、徒歩・馬車で行っても半日もかからずに行くことができるようね。 これからすぐに行って、ある人物に会うつもりでいる。 この後で私たちが、それぞれ出掛ける準備をして、また例の某所にて、合流・集合した。 その間も私はミドリやアオと打ち合わせしていた。


「それじゃあ、行きましょうか」

「はい、判りました。」


 そう言うと、私たち『ブラックファントム』の四人と、マトオたち『セックス・ハーレム・ナイトメア』の四人で王宮を出ていき、王都・城下町 "プリデミア" を出ていき、そのまま馬車に乗って南側へ向かい、次の目的地・ナンナンチョウを目指す。





 半日もかからないとはいえ、あのナンナンチョウに到着した時には、もう既に夜だった。 実は夜に着くように時間を調整していた。 この街は夜でも自由に入れて馬車も所定の場所に停車できる。 私たちは早速(さっそく)、街の酒場の裏側にある某所へ向かう。


 私を先頭に、他の者たちが後を追う。 私が一体誰と会うか、わかる人にはわかるけど、解らない人には解らない人物である。


 そこに待っていたのは、ヴァグドゥルスとシジルスの二人だった。


「待たせたわね?」

「否、問題ない」

「「「……」」」

「「「??」」」

「例のヤツは?」

「手に入った」


 他のみんなもヴァグドゥルスには会ってるけど、もう一人の彼(シジルス)とは初見である。 最も私も初見である。 ヴァグドゥルスの話だと、このシジルスが『世界地図』を調達してくれたらしい。 最も一体どうやって『世界地図』を入手できたのかは、さすがのヴァグドゥルスでも知らないらしいけど―――


「あなた誰?」

「我が名はシジルス。 ヴァグドゥルスの知人だ」

「「「……」」」

「へぇ~、そうなんだぁ~」

「…そうですか…」

「「……」」

「ビジネスの話をしましょう。」

「あぁ…例のブツは持ってきたぞ!」

「ありがとう。 それであなたの欲しいモノは、例の()()かしら?」

「あぁ… "30000EP" は頂こうか?」

「ええ、わかったわ」

「「「……」」」

「「「??」」」


 そこでシジルスから『世界地図』を手渡され、私からは彼に30000EPを送った。 ちなみにEPとは、"エネルギー・ポイント" のことをいう。


 いずれにしても、これで遂に―――


 ♪勇者マイカは『世界地図』を手に入れた♪


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