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絶望老人が異世界転生をしたら、もう既に最強無双になっている?  作者: 賭博士郎C賢厳
B.バイオメドリグスの国編
114/120

107、モンスター・ゴブリン来襲

  ●【No.107】●



 これは夜明け前、勇者マイカたち『ブラックファントム』がアロトリス所有のドラゴンの背中に乗って、急いで "バイオメドリグス" の国からアリスノヴァイン王国へとんぼ返りしてる最中の出来事。






 とある草原&荒野の土地にて。


 ここは草原と荒野が隣り合わせの場所となっていて、草原も荒野も半々だけど面積が結構広くなっている。 この土地は誰のモノでもなく、フリーな土地である。 そもそもこんな荒れて手入れもされていない土地など、誰も寄り付かない。 勿論、動物や魔物は寄り付くけど…。 その上、清掃・管理などに多額の資金が必要。 その為、この場所は長年…放置されてきた。 またここは魔物の巣窟となっているので、その駆除にもお金がかかる。 さらに人間が寄り付くと、動物や魔物が襲ってくるかもしれない。 こんな危険な場所、人間はまず寄り付かない。


 このあまりに理不尽で不要な土地に、一人の謎の男がいた。


「……」


 謎の男が丁度、草原と荒野の境目を立っている。 謎の男が辺りを見渡すけど、当然…誰もいない。


「これだけあれば十分だろう」


 謎の男が、この土地を管理してるのだろうか? 否、違う。 きっと誰かに頼まれて、ここにいるのだろう。 では、一体誰に頼まれたのか?


「ここならば、彼もきっと喜んでくれるだろう」


 彼―――ということは…依頼人は男なのか……? だが…その前に、()()に意外な客が現れた。 ()()()()は一体……ッ!?


「ケケケ、そいつはどうかな?」

「ああ、そうだぜ」

「ケケケ、そうとばかりはならないぜ?」

「ああ、まったくだ」


「……モンスター・ゴブリンか……」


 謎の男を包囲するようにして、モンスター・ゴブリン共が現れた。 数にして、約13体程度。 このモンスター・ゴブリンとは、強さは未知数。 だが…かなり知能が高く、人間の言葉が理解できて、人間の言葉で話すこともできる。 また人間のように武器・防具を装備して攻撃してくる。 その代わり、その緑色の身体の強度・体力は、それほど高くはない。 それでも非常に厄介なモンスターである。


「……」


 だが…謎の男は、全く動じない。 確かにモンスター・ゴブリンが約13体、謎の男を包囲して、逃げ道を塞ぐ。 しかも、その謎の男もそれほど強そうには見えない。 しかし、何の根拠もない自信と余裕がある。 ()()()に当然、モンスター・ゴブリン共は気づいていない。


「おい、()()はオレたちの縄張りだぞ!」

「ケケケ、オレたちの縄張りに人間が勝手に入ってくるんじゃねぇ!」

「そうだそうだ!」

「ブッ殺してやるぜ!」

「みんな! かかれぇーーっ!」

「「「おお!」」」


 タッ、タッ、タッ、タッ、タッ!


「……」


 モンスター・ゴブリン共が一斉に謎の男に向かって襲いかかる。 どうやら問答無用のようだ。 モンスター・ゴブリン共が手持ちの武器を使って、謎の男に攻撃する。 棒で叩いたり、剣で斬り裂いたり、槍で突き刺したり、ナイフで切り刻んだり、他にも色んな武器を使用して、その謎の男を殺そうとする。


 ドォン、ザァン、ズゥン、シュパッ!


「……」


 ハタから見ると、ただのリンチにしか見えないけど、謎の男には、全く通用しない。 謎の男が、どれだけ一斉同時攻撃されてもビクともしない。 ピクリとも動かない。 別に()()()というワケでもないだろうけど、とにかく一切何も効かない。 一体どういうカラクリなのか? 少しは気になるところだ。


「ちっ、何で効かないんだ?」

「そんなバカなぁ!?」

「一体どういうことだっ!?」

「コ…コイツ……一体何者なんだぁ!?」

「クソッ、チクショォオオウウウゥーーーッ!!」


 モンスター・ゴブリン共にとっては、予想外の出来事だった。 自分たちの攻撃が全く通用しない相手に、さすがのモンスター・ゴブリンも驚愕・困惑するだろう。 コイツは一体何者なのか…? 見た目が、それほど強そうな相手に見えなかったので、少しナメてかかったけど、これほどの強敵だったとは…知らなかった。


「……」


 ドォーン、ザァーン、ズゥーン、シュパァーン!


 まだまだモンスター・ゴブリン共の攻撃が続くけど、この謎の男には、一切通用しない。 諦めの悪いモンスター・ゴブリンが執拗なまでに攻撃するけど、まるで黄金のバリヤーにでも守られてるみたいに、謎の男の周囲が黄金に輝く。 その謎の男が、ただ静かに悠々と立ってるだけ。


「「「「はぁーはぁーはぁーはぁーはぁーはぁー……」」」」

「……ふっ……」


 謎の男がニヤリと笑う。


 やがて攻撃を止めたモンスター・ゴブリン共。 攻撃しすぎて疲労困憊の状態で、かつ自分たちの攻撃が一切通用しないことへの動揺・焦りもあったからだ。 勿論、そのほんの一瞬のわずかな(スキ)を謎の男が見逃すはずもない。 ほんの一瞬の動きで、防御から攻撃へ切り換える。


「喰らえ!」


 バッ、ズドォーーーン!


「「「「なぁっ!?」」」」


 謎の男が両手両足を左右に開く。 そこから謎の男の全身が黄金の光に輝いて、その黄金の光の衝撃波が周囲にいたモンスター・ゴブリン共を一斉に吹き飛ばす。


 ピカァーーーン、ズバァーーーン!


 《ゴールデン・シャイニング・ショック》


「なぁっ!?」

「にぃっ!?」

「ぐあぁっ!?」

「うわぁっ!?」

「うがぁっ!?」

「そんなぁ!?」


 ドォーン、ズゥーン、ゴォーン、バァーン!


 モンスター・ゴブリン共が自分の縄張りから一気に吹っ飛ばされて、背後にあった木や岩や壁などに背中を激突。 そのまま意識を失い気絶する。 想像以上の威力・破壊力に、さすがのモンスター・ゴブリン共もなすすべなくやられたワケだが―――


「……ふふっ……」

「くっ!」


 モンスター・ゴブリン共が全員吹き飛ばされたと思いきや、一人だけ()(とど)まっていた。 そいつは明らかに普通のモンスター・ゴブリンとは違う別の何か―――明らかに強者の(たたず)まいだった。 つまり、あの《ゴールデン・シャイニング・ショック》に耐えたことになる。 それでも…いかに強者であっても、かなりの驚愕・困惑してることは、たしかだった。


「そうか、お前が…あのマスター・ゴブリンなのか…?」

「そういう貴様は…一体何者だ?」


 ここでようやく謎の男の素性を聞いたマスター・ゴブリン。 ようやく話の通じる相手が現れたようだ。 実際、この謎の男が一体何者なのか、少し気になるところだった。 よくぞ聞いてくれたな。


 バサァーーッ!


「俺か……? 俺の名前は…シジルスだ」


 ここに来て、遂に()()シジルスが登場。 漆黒のフード・ローブ・マントを脱ぎ捨てて、その真の姿を現した。




 ◎シジルス (人間・男)

  レベル:55

  冒険者ランク:C

  貴族爵位:侯爵

  軍事階級:衛将軍

  その他の詳細は不明



 ◎モンスター・ゴブリン

  モンスター化したゴブリン。

  知能は高いけど、理性は低く、悪性モンスターなので当然、人間を襲うこともある。



 ◎マスター・ゴブリン

  モンスター・ゴブリンを束ねる長で、モンスター・ゴブリンよりも、知能・理性は高いが当然、人間を襲うこともある。


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