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絶望老人が異世界転生をしたら、もう既に最強無双になっている?  作者: 賭博士郎C賢厳
B.バイオメドリグスの国編
107/120

100、巨紅龍A

  ●【No.100】●



 ここ "バイオメドリグス" の国の "西の森" にて。


 ()()に到着したポグルス・ヴァグドゥルス・上位魔族トウの三人が、少し離れた場所から森の奥深くを見てみると、その正体が遂にわかった。


「「「なんだとっ!?

 ドッ……ドラゴン……だとっ!!?」」」


 なんと "西の森" の奥深くにいたのは、身体が紅く燃える火のドラゴンだった。 その姿は巨大で紅い龍だった。 この大きいドラゴンが何処(どこ)からやって来て、一体何しに来たのか? 何故こんな森の奥深くに突然出現したのか?






 その巨大なドラゴン相手に、勇猛果敢にも[黒兵]ブラッククーデターの大軍が、森の外に出さないように足止めする。 だけど…そもそも巨大なドラゴンと人間では話にならない。 しかも、そのドラゴンの身体は、全身が炎をまとっている為、そもそも近寄って攻撃することが難しい。 だから剣での斬撃も腕ごと燃えてしまうかもしれない。 何より固い(ウロコ)で覆われていて、果たして普通一般の剣で斬れるのか?


 そこに《ミスカラスレディ》・《ミスターカラスポーン》・《カラスナイトクリムゾン》ら幹部が、[黒兵]ブラッククーデターの大軍に指示を送る。


「おい、あのドラゴンを街に近づけるな!」

「お前ら、アイツをこっちに来させるな!」

(ふせ)(ふせ)げ!」


 ズゥン、ズゥン、ズゥン、ズゥン!


 ()()火の巨大ドラゴンが、森の奥深くから "バイオメドリグス" の国の方に向かって、ゆっくりと歩き始めた。 当然だけど、[黒兵]ブラッククーデターの大軍も()()ドラゴンの行く手を(さえぎ)って、ドラゴンの前で陣形を組んで攻撃する。 強力なドラゴン相手に、なまじ特攻である。 だが…それも仕方がない。 黒き兵士たちは国や市民を守る義務・責任がある。 無理でもなんでも戦わなければならない。






 少し離れた某所から、ポグルス・ヴァグドゥルス・上位魔族トウが見物する。 この三人にとっては、この国がどうなろうともどうでもいいこと。 正直いって、この国の市民なんかもどうでもいい。


 しかし、あのドラゴンが一体何処(どこ)から現れて、一体何の目的があって、あんな森の奥深くにいるのか? ()()()重要で調べなければならない事案なのだ。


「…()()は巨紅龍か……」

「まさか…あの巨紅龍が…()()()()に…?」

「ちっ、()()()()にまた厄介なヤツが……」


 ポグルス・ヴァグドゥルス・トウが、あの巨紅龍(ドラゴン)の出現に、それぞれ感想を()べてる。


 この巨紅龍(きょこうりゅう)といえば、あのヴァグドーの最初の相手だった。 あの時は、当時から最強だったヴァグドーが一人だけで、あっという間に倒してしまった。 けど…それでも相手はドラゴンだ。 普通の人間だけで、そんな簡単に倒せる相手ではない。 この巨紅龍も身体が燃えていて、口からは炎を吐く。 果たして、()()()()()を倒せるのか?


「おいおい、ここでドラゴンかよ? ヤバイぜこれは…」

「ちっ、いくらなんでもドラゴンなんて、あり得ないだろう? ()()をどうしろっていうんだ?」

「上位魔族である私でもドラゴン相手には勝てないぞ? 一体どうすればいいんだ?」


 さすがのこの三人でも、()()ドラゴンには勝てないようだ。 でも…勝てないとわかって、わざわざ自分から向かっていくこともないだろう。 そこまでバカではない。 だから少し離れた所で待機するしかない。


 だがしかし、これから一体どうすればいいのか? 正直いって、いくらこの三人でも()()をどうすればいいのか、よく解らないのだ。


「ん?」


 よく見ると、なんと『聖女』カロテラが巨紅龍と対峙する。 カロテラが宙に浮いていて、巨紅龍の顔の目の前で向かい合ってる。


「アイツ……()()()()にいたのか? 道理で私の所に来ない訳だ。 だが…いくら聖女でもドラゴン相手に勝てるのか?」


 その巨紅龍もカロテラの方を見ていて、大きな口を()ける。


 グゴゴゴゴゴゴゴォォォォォーーーー―――


『グゴゴゴゴゴォォォォォ』

「ちっ!」


 ササッ!


 巨紅龍が炎を吐いて、目の前にいるカロテラを焼き尽くそうとする。 ただカロテラも炎をなんとか回避して、直撃を(まぬが)れる。 ここから反撃体勢に移る。


「でぇぇいいいぃーーーっ!」


 グググググググゥゥゥ―――


 カロテラが弓を持って、矢をつがえて、巨紅龍の顔に狙いを定めて、矢を離す。


 パッ、ヒュッ、パキッ!


 だがしかし、ドラゴンの身体に矢が刺さらない。 否、(ウロコ)が硬すぎて、あの程度の矢では全く刺さらないのだ。 それでもカロテラは巨紅龍の炎を避けながら、矢を連打で射ち続ける。 だけど…矢は巨紅龍の顔に刺さらないで、そのまま跳ね飛ばされる。


「……」


 その様子をトウが無言を見ている。


「チッ、チクショオオオオォォォォッ!!」

「なんとか押さえつけろぉーーーっ!!」

「なんとしても街に()れるなぁぁーーーーっ!!」


 ここでも[黒兵]ブラッククーデターの大軍が、巨紅龍の足に攻撃する。 けど…やっぱり力の差がありすぎて、()()大きな足で踏みつけられたり、()()大きい尻尾を振り回されたりして、どんどん[黒兵]ブラッククーデターの大軍が数を減らす。 やっぱりドラゴンは凄く強い。 特攻・上下同時攻撃もドラゴンの前では、無意味なのか?


「ちっ、()()では…ダメだな。

 あの程度の武器では、ドラゴンの(ウロコ)にキズもつけられないぞ。 それに…あのドラゴンには、数も時間稼ぎも通用しない。 このままでは時間の問題だな」


 その様子を見ながら、トウが現状の感想を()べる。 一方、ポグルス・ヴァグドゥルスの二人も様子・戦況を見ていて、それぞれ感想を()べてる。


「しかし、あのドラゴン相手によくもってる方だ。 たとえ勝機がなくとも……なんとか森からは()していない…」

「だが…このままでは(らち)があかん。 奴らの数が、どんどん減っていくだけだ。 いずれ全員()られれば、あのドラゴンは森から出て、街の中に侵入する。」

「ああ…そうなれば…この国は滅ぶ。 たった一匹のドラゴンによって…」

「まさか…ドラゴンによって国が滅亡するとはな…。 さて、どうする?」

「俺たちには無理だな。 ドラゴンなんか相手にできない…」

「確かに無理だ…」


「だがしかし、彼女なら―――」

「もしかしたら、彼女ならば―――」

「否、もう彼女しかいない…」


 そこでポグルス・ヴァグドゥルス・トウの三人は、それぞれ同時に()()()()のことを考えてた。 三人共に()()()()を思い浮かべる。 おそらく彼女ならば、あの巨紅龍(きょこうりゅう)を倒せるかもしれない…と。



 そう…勇者マイカのことを―――



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