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絶望老人が異世界転生をしたら、もう既に最強無双になっている?  作者: 賭博士郎C賢厳
B.バイオメドリグスの国編
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99、邪悪で強烈な気配を感じた

  ●【No.099】●



 ここはアリスノヴァイン王国の王都・城下町 "プリデミア" の王宮内にある豪華な来客用宿泊部屋にて。 ここに勇者マイカたち『ブラックファントム』の四人と、勇者マトオたち『セックス・ハーレム・ナイトメア』の四人が、一人一部屋ずつ泊まっている。


 そんなある日の深夜、みんなが寝静まる中、私は椅子に座り、窓の外の星々が輝く夜空を眺めながら、一人物思いに(ふけ)っていた。






 一方、その頃同時進行で―――


 ここは "バイオメドリグス" の国の "森の宿屋" にて。 あのヴァグドゥルスが単独行動していた。 深夜の "バイオメドリグス" の国の色んな場所に、あちこち飛び回っていた。 もの凄い速度(スピード)で民家の屋根の上を飛び移って、ある場所へ向かっていた。 就寝中の深夜なので、誰かが屋根の上に乗ったところで、所詮は誰も気づかない。


 そこに彼が、()()()を考えてた。


 ちっ、明日の朝食で()すはずの目玉焼きに使用する鄒鶏(ひなどり)の卵が不足していたとはな。 今から取りに行かないと、仕込みに間に合わないな。 それにしてもオレとポグルスの二人が手分けして、食材を調達しないといけないとは、あの宿屋の料理長も手抜きが過ぎるぞ。 ったく!


 なんと真夜中の外出は、明日の朝食の食材の調達であった。 それにしても心の中でも、いちいち愚痴を言ってるのかヴァグドゥルスよ。 全く大変なことだな。






 もう一方の、その頃同時進行で―――


 ここも "バイオメドリグス" の国の "森の宿屋" にて。 あのポグルスもまた単独行動していた。 深夜の "バイオメドリグス" の国の色々な場所に、あちこち向かっていた。 もの凄い速度(スピード)で民家の屋根の上を飛び移って、ある場所へ向かっている。 就寝中の深夜なので、誰かが屋根の上に乗ったところで、所詮は誰も気がつかない。


 そんな彼もまた、()()()を考えてた。


 ちっ、明日の朝食で()すはずの焼き魚に使うアジが足りないのかよ!? 今から取りに行かないと、仕込みに間に合わないな。 それにしても俺とヴァグドゥルスの二人が手分けして、食材を調達しないといけないとは、あの宿屋の料理長もいい加減だよな? やれやれだぜ。


 こちらの真夜中の外出も、やっぱり明日の朝食の食材の調達だった。 それにしても心の中でも、いちいち愚痴を言っているのは、いかにもポグルスらしいところよ。 深夜でも忙しいことで。






 更なる、その頃同時進行で―――


 ここ "バイオメドリグス" の国の "SMエロスの町" の中央広場のはるか上空にて。 今夜も上位魔族トウは『聖女』カロテラが来るのを待っていた。 もう深夜なので、人間たちは寝静まっている。 それでもカロテラが出現するまで、上空に浮かびながら待っていた。


 彼女もまた、()()()を考えてた。


 ―――今夜は来ないか? まぁ…それも仕方ないか…。 あの勇者マイカにコテンパンにやられて、実力の差を見せつけられたからねぇ。 相当ショックだったか…? それとも(あるじ)に外出を禁止されているのか…? いずれにしても、あともう少しだけ待ってみるか…。


 こちらは宿敵カロテラ不在のため、かなりの待ちぼうけを()らっていた。 でも自分だって、あの勇者マイカ相手に、相当やられた感じがするけどね。






 ポグルスが養殖湖へ、ヴァグドゥルスが養鶏場へ、それぞれ向かっている最中で、ある強烈な気配を感じた。また同時にトウも街の上空で、同じく強烈な気配を感じた。


「「「!?」」」


 三人ほぼ同時である。

 西の方角から、かなりの邪悪な気配を感じた。 その邪悪な気配とは、ある意味…魔物や魔族や魔王などが放つ異様で禍々しい気配ではなく、もっと強烈で邪悪な気配であった。 この気配は一体何なのか…?


「「「な…なんだ…!?」」」


 その邪悪で強烈な気配に、三人共に驚愕して動揺・困惑する。 この "バイオメドリグス" の国は、()()カラスクイーンアテナが支配・管理する国である。 それがこんな真夜中なのに、これほどの異様な気配は、今まで感じたことはなかった。 それが今まさに西の方角から感じていた。


「あ…あの方角には…街はないはず…?」

「否、何もないはず…?」

「あそこはたしか…森だったはず…?」

「「「それが…一体何故……?」」」


 三人共に、一斉に異様な気配を感じた西の方角を見る。 そこには街も村も建物も何もない―――ただの森があるだけだった。 だけど森の奥深くからまるで炎で燃えてるみたいに、なんだか赤く染まっていた。 けど…別に木が燃えている訳でもない。 真夜中なので、よく見えて不気味だ。 …気になる。


「……行ってみるか……」

「……あそこに…一体何があるのか……?」

「ちっ、あの森に…何があるんだ…?」


 そこから三人共に、その邪悪で強烈な気配を感じた西の方角の森の奥深くに向かうことにした。 一体何があるのか確認する必要があるからだ。 三人共に、もの凄い速度(スピード)で屋根の上を飛び乗って、()()()()へ行ってみた。






 やがて西の方角から街の建物もどんどん無くなり、屋根の上を飛び乗って行ける所もどんどん無くなり、"西の森" に到着。 森の入口には、なんと…あの[黒兵(ブラッククーデター)]の大軍が武装して集結していて、何か大声で騒いでる。 こ…これはただ事ではない…。


「「「な……なんだ……?」」」


 そこにポグルスとヴァグドゥルスと上位魔族トウの三人も、少し離れた場所からやって来た。 彼ら三人が、あの[黒兵(ブラッククーデター)]の大軍が見ている方角を見てみると、森の奥深くが燃えて赤く染まってる正体が、遂にわかった。


「「「なんだとっ!?」」」


 予想外の正体だった。

 ここで三人が、さらに驚いた。


「「「ドッ……ドラゴン……だとっ!!?」」」


 なんと "西の森" の奥深くにいたのは、本当に身体が燃えてる火のドラゴンだったのだ。 その姿は巨大で紅い龍だった…。


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