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絶望老人が異世界転生をしたら、もう既に最強無双になっている?  作者: 賭博士郎C賢厳
B.バイオメドリグスの国編
105/120

98、王様との謁見E

  ●【No.098】●



 ここはアリスノヴァイン王国の王都・城下町 "プリデミア" の王宮内にある『玉座の間』にて。


 勇者マイカたち『ブラックファントム』の四人と勇者マトオたち『セックス・ハーレム・ナイトメア』の四人が、王様とお姉様の座る玉座の目の前で(ひざまず)く。


 玉座は黄金と白銀のふたつある。


 黄金に輝く玉座に座る十三歳の黒髪の可愛い男の子が豪華な王族衣装を着ている童顔の少年王こそが国王のアリスノヴァイン六世である。

 白銀に輝く玉座に座る少年王・アリスノヴァイン六世の姉で豪華な王族ドレスを着ている絶世の美女こそがヤナイ姫である。



 まず王様から私たちに話しかける。


「マイカお姉ちゃん、よく帰ってきたね」

「マイカさん、お帰りなさいませ」

「はい、ただいま戻りました。 王様、お姉様」

「はい、やっと戻れました。 王様、お姉様」

「「「「はい、どうもです。 王様、お姉様」」」」


「それじゃあ、早速(さっそく)聞こうか?」

「宜しくお願いします。 マイカさん」

「「はい、判りました。」」


 私たちは、あの "バイオメドリグス" の国で起きた出来事や入手した情報を王様たちに説明・報告した。 その中でもカラスクイーンアテナの事や『聖女』カロテラの事や()()ポグルスの事なども、なるべく少年王にもわかり易く端的に説明・報告する。


「なるほどね、そういうことか」

「…カラスクイーンアテナ……ですか…」

「はい、そのカラスクイーンアテナが作られたとされる国… "バイオメドリグス" の国…も…なかなかキナ臭い国ですよ」

「私たちも何度か襲われかけた…らしいけど…ね」

「そうか、お姉ちゃんたちもか…」

「なかなか危険そうな国が我が国の隣にありますね。」

「あの国って、アリスノヴァイン王国の領土内にある国よね?」

「はい、基本的にはこの小さな大陸そのものが我が国の領土になります。」

「過去には色んな国も結構あったけど、今では王国は、このアリスノヴァイン王国のみ。 あの "バイオメドリグス" の国というのは、一般的にいう国としては成立していないよ。」

「えっ、あの国って…正式な国ではないってこと…ですか?」

「そういうことだよ」

「だったら無秩序に勝手に作った国を力ずくで攻め落として、自分たちの領土にしてみては?」

「そういうワケにはいかないよ。 いくら認めてないって言っても、一応はあの国にも一般市民が暮らしているからね。」

「はい、問題は()()ですね?」

「でもまた、あの[黒兵(ブラッククーデター)]なんかが攻めてきたら、この国の方が危険ですよ?」

「う~~~ん、そうなんだよねぇ~~」

「確かに、その通りですけど……」

「……」


 やっぱり平和主義者的な二人には、他国へ攻めることに抵抗あるようね。 そこがまた良いところよね? やっぱり平和が一番。


「ではカラスクイーンアテナと、その部下だけを倒してしまえばいいのでは? あの『聖女』も元は魔族だと判りましたし、倒しても問題ないでしょう?」

「それも…そうね」

「確かに、それなら一般市民に危害を加える必要はないわね。 もっとも上手くいけばの話だけどね」

「……そうね……なかなか難しい討伐内容だけど……ね?」

「うん、そうだね」

「やっぱり倒しておくべき相手なのでしょうか? そのアテナとやらは…?」

「……そうね……まぁ…仕方ないけど……ね?」

「「……」」


 そんなアリスノヴァイン王国としては、目の上のたんこぶでもある『邪惚教都(じゃこつきょうと)』と "バイオメドリグス" の国をなんとかしたい考えなのだが、何故か私はあまり乗り気じゃないわね。 また王様たちもあまり手荒な真似(マネ)はしなくないようね。 一応は "バイオメドリグス" の国には、あのポグルスや上位魔族トウたちが抑えている。 また『邪惚教都(じゃこつきょうと)』に関しても、ある程度は解決したと思っている。 あまり物事を無理に強引に進めても良くないと、長年の経験が言ってるからね。 だけど、このまま放置する訳にもいかないわね。 だから、この私でさえも考えて悩んでる訳よ。


 それを見ていたマトオが私に聞いてみる。


「どうします? また戻りますか?」

「……そうね……」

「ん~~~、また()()()に……ですか?」

「もう一度、あの国に戻るのは、さすがに抵抗がありますね。」

「ええ、なんか色々あったからね。 さすがの私でも少々難色ありますね。」

「「「……」」」

「なるほどね、それは確かに嫌な感じだよね?」

「さすがのマイカさんでもですか……?」


「またあの国に行くかどうかは、少し考えるわ。 まだ戻ってきたばかりだから、もう少し休みましょうか?」

「そうですね、少し休みましょう」

「私もその意見に賛成です。」

「「「はい、判りました。」」」


 そこで私たち八人も、あの "バイオメドリグス" の国から帰ってきたばかりなので、しばらくはアリスノヴァイン王国の街で休むつもりよ。 さすがの私でも少しは疲れたからね。 もし仮にもう一度、あの国に行くにしても、まずはこの国でしっかりと身体を休めて、しっかりと準備をしてからでないと行けないわね。


 今度はお姉様のヤナイ姫から私たちに報告があるみたい。


「マイカさん、船の件ですが、もう少しお待ちください。 今はまだ造船中なので……」

「ええ、わかったわ」

「はい、判りました。」


 勇者マイカたち一行専用大型船は現在、造船中で完成するまでに、もう少しだけ時間がかかる予定である。 ここら辺はRPGゲームならではの時間のかけ方である。 とにかく船が完成するまでは、他の大陸へは行けないので、その間に、この大陸でやり残した事をして時間を潰すしかない。 そう…やり残しがないように―――



  それからしばらくの間は王様との謁見が続き、その後で私たちは『玉座の間』を退出する。 そして今夜は王宮内にある豪華な来客用宿泊部屋に、一人一部屋で泊まることになった。 さすがは王様、太っ腹ね。 ちなみに巨大カマキリモンスター【デスキラー・シャ】は、このアリスノヴァイン王国のはるか上空で待機してるみたい。



 その日の深夜、みんなが寝静まった中、私は椅子に座り、窓の外の星々が輝く夜空を眺めながら、一人物思いに(ふけ)っていた。



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