表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
絶望老人が異世界転生をしたら、もう既に最強無双になっている?  作者: 賭博士郎C賢厳
B.バイオメドリグスの国編
101/120

94、待ち伏せ

  ●【No.094】●



 ここは "バイオメドリグス" の国にある "森の宿屋" にて。 勇者マイカが呼んだ受付の男・ポグルスの案内のお陰で、無事に "森の宿屋" へ到着した。 深夜とはいえ、この宿屋はまだまだ予約可能であり、勇者マイカたち『ブラックファントム』の四人と、勇者マトオたち『セックス・ハーレム・ナイトメア』の四人が、それぞれ一部屋ずつ宿泊することになった。 彼女たち八人は、それぞれの宿泊部屋にて、もう既に就寝している。


 それと受付の男・ポグルスが森の宿屋の外の裏側に立っていた。


「………」


 まるで彼が「何か」を待つように静かに立っていた。 もしかしたら奴が来るのを待っているのか?



    ・ー・ー・ー・ー・



    ● □ ● □ ● □ ●



   ・━ー━・〇・━ー━・



 やがて暗い森の奥から一匹の獣が姿を現し、ポグルスの方に向かってくる。 それは彼にとっても、見覚えのある橙色の宝石の身体を持つ豹の形をした獣モンスターだった。


「そうか、やっぱり来たか…。

 ゲル=パンサード・オレンジよ。」

「ガルル…」


 今までの一連の流れで、あのゲル=パンサード・オレンジも彼の所に来ることは、容易に予想がついた。 だけど、そのゲル=パンサード・オレンジの横に、あのカラスクイーンアテナも一緒に来ていたことも、容易に想像がつく。 これまで散々自分の計画を邪魔してきた憎き男に会いに…。


「そうか、やっぱり現れたか…。

 カラスクイーンアテナよ。」

「……」


 ここで遂にポグルスとカラスクイーンアテナが対面・対峙する。 場所は森の宿屋の外の裏側の薄暗い森の中。 今夜は月も雲に隠れて、暗さが増している。 暗いながらも少しは見えてるようで、しばらく双方が無言で(にら)()う形となる。


 まさに「因縁」と言わざるを得ないだろう。


「何故、私の邪魔をする?」


 ゲル=パンサード・オレンジの頭を撫でながら、彼に静かに質問を投げかける。


「ふっ、それは俺がお前を倒すために、この世界に転生・派遣されたからだ。」

「ならば、今ここで私がお前を殺せば、もう誰も邪魔が入らないことになるな。」

「それはお前が俺を殺せたらの話だ。」

「ガルルルゥゥ~」

「不死身のポグルス……女神によって与えられた任務を果たさぬうちは、何度でも黄泉(よみ)(がえ)る不屈の魂の持ち主…」

「さすがに俺のこともよく知ってるようだな。

 だがしかし、俺は常に一人。 仲間など、持った試しがない。 手段・方法は選ばず、最終的に敵を倒せば、それでいいのだ。」

「何故、そこまでする?」

「ふっ、それはまだ消滅したくないんでね…」

「もう充分なはずだ」

「いいや、まだだね。

 もしかして、お前は俺を消滅させたいのか?」

「私の邪魔をする者は、この世に必要ない」

「なるほど、凄い偏見だな。

 だが…深夜とはいえ、こんな所で戦闘をしたら、当然…マイカたちやこの国の住人たちも起きて見に来るぞ。」

「………」


「それで、これからどうするつもりなのか?」

「……」

「ガルルルゥゥ~」

「俺はお前と戦うつもりはない」

「何故…?」

「俺はお前と戦う大義名分がないからだ。

 あとは他力本願で生きてきた。 ほとんどの事は他人の力で解決し、強敵を撃ち破ってきたからだ。」

「……」

「今回も勇者マイカにお前を倒してもらう。

 今まで、そうやって任務をこなしてきたからな。」

「自分で()らないのか?」

「ふふふ、お前に言われたくないな。

 お前も他人(ひと)のこと言えないよ。 重労働は部下にやらせたり、聖女にやらせたり、俺のかつての仲間にやらせたり、自分で何かやった覚えがあるのか?」

「……」

「ガルル…」


 痛いところを突かれたからか、そこでまた彼女が黙ってしまう。 ゲル=パンサード・オレンジもかつての仲間に痛いところを突かれて、思わず下を向いてしまう。



   ━・ー●ー・━



 すると、そこからあの男も会話に参加する。


「あははは、確かにポグルスの言う通りだな」

「ッ!?」


 あのカラスクイーンアテナの背後から、突如として謎の男の声がして、そこで彼女が後ろを振り向いてみると、なんとヴァグドーに顔がそっくりの謎の男が、彼女の背後にある木に寄り掛かって、いつの間にか現れてた。 彼もまた森の宿屋の従業員である。


「……あなたは……?」

「俺の名前はヴァグドゥルス。

 いずれ国王になる男だ」

「……国王……?」

「確かに今は……しがない…ただの冒険者……。

 だが…必ずのしあがって、一国の主になってみせるさ。」

「他人の国を奪って…か?」

「それもいいけど、やっぱり一から国作りをしてみたいと思わないかい? 可能なら誰にも頼らずにだ」

「……」

「相変わらずだな…ヴァグドゥルスよ。」

「ガルルルゥゥ~」

「いやいや、それほどでもないぜ。」


 位置的には、ポグルスが森の宿屋の外の裏側に立ってる。 正面の少し離れた場所に、カラスクイーンアテナと横にゲル=パンサード・オレンジが立ってる。 その背後の少し離れた木に寄り掛かって、ヴァグドゥルスが立ってる状態。


 ここで遂に協力者(ヴァグドゥルス)が登場しており、また話しかける。 (※協力者(ヴァグドゥルス)の今現在の詳細な情報については、またおいおい説明するつもりだ)


「それで……一体何しに来た?」

「おそらく勇者マイカたちの寝込みを襲うつもりなのだろう? 教会の時は、二回も失敗したからな。 しかも、今度は本人直々がこの宿屋にやって来る始末。」

「ガルル…」

「なるほど、そういうことか。

 それにしてもご苦労なことだな」

「……」

「それで協力者(ヴァグドゥルス)を呼んだところだよ。 俺一人だけでは対処できないんでな。 ちなみに彼も俺と同じ境遇の持ち主だよ」

「ヨロシク」

「くっ!」

「ふふふ、それで一体どうするつもりだ?」

「今ここで俺たちを倒して、勇者マイカたちにとどめを刺すつもりか?」

「うっ!」

「ガルルルゥゥ~」

「あははは、俺たちは別に今ここであんたを倒すつもりはないぜ。」

「まぁな、三回目の失敗になるけどな」

「ちっ!」


 遂にカラスクイーンアテナが直々に勇者マイカたちに来襲しに来た。 だがしかし、事前にポグルスが森の宿屋の外で待ち構えており、応援に来た協力者(ヴァグドゥルス)も背後から待ち伏せしていた。 この後、本当にカラスクイーンアテナは、一体どうするつもりなんだ?


なんと大の男二人がカラスクイーンアテナのことをあおり続けてる。

これも何かの作戦か?

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ツギクルバナー cont_access.php?citi_cont_id=629877154&size=135
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ