第10話〜Square heart〜
―――「二従兄妹」なのに、なんでこんなに傍にいて欲しいと願うのだろう。
涙腺はだんだん引き締まり、意識がはっきりしてくる中・・・美輝はそう疑問に思う。
美輝の中で・・・大輝の存在は、確実に「二従兄妹」という単純な名称の場にいることは・・・なくなっている。
そう彼女が自覚すればするほど・・・「なんで?」という未知症状に陥ってしまうのであった。
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一方、健全な男子高校生はケータイ片手にうんうん唸っている。
―――俺、大変なこと目の当たりにしてる?
「ヤる」という語源を、初めて知った大輝は、混乱していた。
混乱して、必死に悩んだ末・・・
「・・・こうなったら、ダミーを使用する・・・か。」
非常に危険度の高い選択をした。
それは・・・ダミー(仮身)を使うこと。
今から特注ダミーを注文すれば、明後日には間に合う・・・
大輝は、早速注文をしに「ダミー開発所」へと向かった。
そして、日にちは飛ぶように過ぎ・・・
「・・・当日になった・・・かぁ・・・」
美輝は、スーツケースを部屋の外へ出した。
部屋の外へスーツケースをさらすと、やはり当日という言葉の重みが圧し掛かる。
「・・・あ〜、重ぇ・・・」
低い呻き声がし、美輝はビクッとなって振り返る。
視線の先には、美輝用のスーツケースよりはるかに大きい・・・大輝の等身大もののスーツケースがあった。
「な、何その大荷物・・・と、等身大だし・・・」
彼を見るなり、彼女は未知の感情を思い出す。
しどろもどろにそう問い質した。
「あ、これヤる用のダミー。特注で注文したはいいものの・・・なんで俺って、こんなに重いんだ?」
大輝の身長どころか、体重もそっくりそのまま人形にしてある。まさに分身。
彼はスーツケースをバンバン叩きながらそう言った。
「お、重いに決まってんじゃんっ!大輝、体重55.3キロっしょ!?」
「お前・・・俺のいちばんの最高体重もらすなっ!しかもなんで知ってんだよ」
・・・それは、美輝が大輝の身体計測結果表を失礼を承知で鞄から抜き出して拝見した為である。
「・・・ま、まぁ、予想?てゆーか男子って太っても気にならなくない?」
「気になるんだよ、俺は。あ〜、重・・・」
・・・ここだけの話。大輝は体脂肪率が引き締まった筋肉質の外見と反して平均より微妙に高い。
なので毎日筋トレに励む日々を送っているのだ。
「は、半分持とっか?」
「いや、いい・・・分解するの、さすがに怖いし。」
そんな会話をしながら、2人は別々の学校への道を辿っていく。
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学校で注意事項を一通り聞いた後、エアポートへのバスに乗り込んだ。
「楽しみだねぇ〜!旅行!」
美輝の隣に座っている恵夢は、もはやウハウハ状態で麗沙の曲を聴いている。
「あ、この曲麗沙の新曲!ずっと前、一緒に行けなかったでしょ?レンタル屋!」
「え?あ〜、あの時・・・」
美輝の頭の中は、「大輝の彼女」のことでパンクしそうだった。
だから、恵夢の言葉も失礼を承知で聞き流している。
「そん時買ったんだよね〜!聞いてみなよっ!新曲!」
恵夢は、美輝の耳穴の中に無理矢理イヤホンをねじ込んだ。
しっとり系なメロディとともに流れ込んできたのは
『Square heart 4つの気持ちが交差する時
4人の運命が決まる
Square heart どんな運命でも
Oh mine lover 共に乗り越えて
そんな儚い願いを灯しながら
とめどなく交差するSquare heart』
美輝は、瞬時に思った。
―――あの事件のことを、綴ったんだな・・・
大輝が言っていた、そんなことを。
「・・・母さんにしては珍しいバラードだね。」
美輝はそうコメントし、もう目の前に来ているエアポートをボーっと見つめた。
Square heart
そんな状態になったときの、どう取ればよいかの行動を考えながら。
・・・結論は出たものの・・・
Squareの頂点に位置する人物は、思い描くことが出来なかった。
『比例×反比例』裏コント〜ダミー〜
作者「では、ダミーはどうやって作られるのか、職人さんAに来てもらいました!」
職人A「今日Bは来ていないのだが、よいか?」
作者「全然、問題ナッシング〜!ってゆーことで、ダミー完成までの道筋を教えてください!」
職人A「う〜ん・・・まず初めに、届いた写真を分析して、脳ミソを味噌で形成し、目は魚の目を着色して使用し、唇は鱈子で造り、心臓は鳥の心臓を使用し、筋肉は鳥の肉を使用し、心臓には操作器具を押し込んで、性器の部分は・・・」
作者「ギャー!気色悪ぃ〜!もういい!もういいよ!とっとと帰った!ギャー!キモいキモいキモい〜!」
職人A「よ、呼んだのアンタじゃないですか・・・」
今後、キモダミーがどうやって動くのか・・・必見です!




