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昨日もスミンさんの破壊力抜群の笑顔を見れたおかげでいい夢みれました。おはようございます。
さて、今日は薬作りの続きです。
ラムネもどきはもう少し乾燥が必要そうなので、薬草を採取しに行きます。
やっぱり群生してるし、ミントなみの生命力だよねーこれ。
わっさわっさと生えてるそれは見た目さわやか!おいしいよ?とでも言いたげなのに、ドン引きするレベルで苦いです。
乾燥して粉末にしたら苦味は少し抑えられたけど。
ラムネもどきは味が付いていないので、何かでコーティングしてみようかと考える。
いっそ砂糖を乳鉢ですりつぶしたのを入れて甘くしてもよかったんだけど、虫歯になりそうだしなぁとやめたのだ。
個人的希望は糖衣錠のようなものだと飲みやすいかなーと考えている。
でも医薬品とかの知識はない。あれどうなってんだろうか…でも出来る範囲で考えましょうかねーと砂糖を取り出す。
結局これを粉糖にして、アイシングをつくる。これでコーティングしてみよう。
ぎり飲み込めるかな…。やっぱちょっとでかいよねー。苦味とか全く感じないけど。こどもが飲むにはきっついもんがあるわ。
じゃあやっぱラムネもどきに砂糖追加してそんまま何もせずに飲めるようにするか…。
葉っぱ一枚分だしこれ以上小さくすると効果なくなりそうだしなーと試行錯誤を繰り返す。
歯をしっかり磨きましょう!としておいたらなんとかなるかしら。
というかこの乾燥したのって茶葉っぽいわー。お湯注いでみよ。
人間、好奇心がないとだめですね。
めっちゃ飲みやすいわこれ。なんだこれ。ほうじ茶かな?
香ばしさもあり、苦味もない。これ効果あるのかなー。どうかなー。
いや試してみるしかないんだけど。
実験台にするお詫びも兼ねて、大量の焼き菓子を作る。
スミンさん、スミンさんの部下の方々、これで許してね!
というわけで、訓練で怪我もつきものだろう!というかっこうの実験体を思い出したので、二日連続でスミンさんの職場に。
あらやだ通い妻みたい!
「スミンさーん」
「夕月!?」
ひょこっと扉から顔を出せば、部下に囲まれているスミンさんがいた。
あれ仕事の邪魔ですかね。ごめんなさい。
「どうした?」
「いえ、お願いがあって!仕事の休憩の時でいいので、時間ください!」
「いや、今から聞こう。あいつらは稽古の時間だからな」
だからな、のな、のところで振り返った先にいた部下の方々はダッシュで中庭に走っていく。
おう、素早いね。さすがだね。
さっそくお願いということで、薬草で作ったお茶の効能が知りたいために飲んでもらえる人を探していると伝えた。
あっさり部下に飲まそうか、と頷いている。こんなんでいいのかな。
「あ、お礼にマドレーヌ持ってきたから、飲んでもらった人にあげようかとおもって」
「まず俺が飲もう」
スミンさん、マドレーヌに釣られたな。
でも怪我をしている風に見えなかったけど、まぁいいか。
疲れているのかもしれないしね!私の相手に…だったら切ないけど。
はいどうぞーと渡したお茶をためらいなく飲む。
「うん、苦くない。すごいな。それに」
「それに?」
訓練着なのか、7部丈のズボンにTシャツだったスミンさんが急にTシャツをめくる。
ちょ!腹筋!!ていうか、包帯??
「えぇ!包帯!?」
「昨日ちょっとな」
なんてことはないと包帯をとって、血の色がにじむガーゼを外すとそこに傷はなかった。
「え?」
「うん、効能的には問題なさそうだな」
思わずまじまじと傷があったらしいところを観察する。
確かにガーゼと包帯に血は滲んでたけど、肝心の傷はない。
すごい効果かもしれないこの薬草。ごめんね散々けなして。
ぺたぺた触っても違和感なし。すごい。
「あー…夕月?」
「はい?」
「こしょばいんだが」
「……わぁお!すんません!」
何も考えてなかったけどスミンさんの腹だよ!!私!しっかりしろ!
顔が熱い!落ち着け私!!
「さ、部下にも飲ませてみるか」
そういって部屋から出るスミンさんの後をおとなしくついていった。
結果、部下の人にも効果は絶大。
これはすごいことかもしれないなーと感心する。
だってこれ飲めばいいもんね?苦いの飲まなくても。
まぁ一部の人は、この苦いのじゃないと効いてる気がしない!というかもしれない。まず~い!もういっぱい!みたいに。
効能もわかったので、スミンさんにマドレーヌを託して家に戻る。
全部自分で食べそうだけど、大丈夫かしら。
私森の中の魔女のようになってきてませんか?神様。