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2人の贖罪セカイ~命《いきる》を選んだその先は~  作者: 【表現者のタマゴォ】/燿霞乃夜
第1章

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講義後談話




「やああ終わったぜえええ」

「お疲れ」



 あれから約二時間後。


 オレたちはそれぞれ説明会を聞き終え、集まっていた。

 予定よりも時間が長引いていたドリオーが今合流し、これで全員だ。



「終わるの遅かったね~」

「すまんすまん、つい話し込んじゃってさあ」

「それだけためになる話が聞けたということでしょう?

 いいことじゃありませんか」

「ま、まあな」



 少し照れくさそうに、頬を掻くドリオー。

 普段おどけてばかりのイメージが強い彼が、真摯な面差しで話を聞いていたのは、どこか違和感があったな。...別人みたいだった。



 ――なんか、みんなちゃんと大人になってるんだなぁ。……なんて思ったり。




 一方オレはというと、始まって10分15分くらい経ったあたりで、結局意識が飛んでしまっていた。


 いや、ちゃんと聞こうとはしたんだ。


 というか実際聞いてはいた、最初の方は。

 でも途中から、いつも通り興味のない内容になってしまい、致し方なく......。


 幸いにも、宿題は各自志望職に分かれて説明を聞く際に使用するためのもので、特に発表とかはなかったので助かった。


 ちなみにオレが参加したのは、エリオットの講義だ。

 デュムールにある仕事を幅広く紹介してもらえて、こちらはなかなか参考になった。

 おかげで()()()を得られたからな。



「我も今回は特に、意義のある時間にできたと感じている...!」

「おまえさっきまでそんな感じじゃなかっただろ」

「......!? そんなことはない!我は常に己を曲げないぞ!」



 おかしいな。


 途中、横目でチラッと見たが、話を聞いている時のタイゼンは ザ・優等生 みたいな佇まいだったけどな。

 これと同じ人間だとは思いたくないほど。



「――みんな、この後の予定は?」



 伝説モードになってしまったタイゼンには触れずに、エレナが言葉を挟む。



「特にないぜ!」

「オレはちょっと休んだら店の手伝いかな」

「わたしは...まだ質問したいことがあって、もう少しここに残るかな...」

「僕は帰ります。勉強もありますので」

「我はこの後手持ち無沙汰な時間を過ごす予定だッ!」



 それはつまり暇ってことだろう。

 とりあえず、この後は皆バラバラになる感じだな。



「私も少し予定あるし、ちょっと早いけど今日はここで解散にしよっか」

「了解」

「おっけぇ」



 彼女の提案に全員うなずくと、ここに残るリセ以外は各自帰りの支度にとりかかる。


 ひとまず今日の講座も無事乗り切れて、一安心だ。

 特に用事はないし、オレはまっすぐ帰るとするか。


 なんて考えていると、横からひょいっと顔を出して「ちょっといい?」といきなりエレナが声をかけてきた。



 ――いい匂いがする。



「ん、どうした?」



 何事もない顔を作って、オレは言葉を返す。


 エレナは少し声のトーンを落とし、周りに聞こえないくらいの声で、



「今日一緒に帰らない?」

「…え?」



 思わぬお誘いに、ついふぬけた声が出てしまった。


 な、なんだこのラブコメみたいな展開は...!


 

「まだ全然話したりなくてさ~。

 少し付き合ってよ、ね?」



 ちなみにオレは、今までの人生で放課後に女の子と2人で...なんてシチュエーションを体験したことはない。

 いや放課後に限らずそんなものはない。




 ――要するに、初めての展開にオレは今すごく動揺している。

 


 これは告白されているのだろうか?あーもちろん『付き合って』、ってそういう意味じゃないのは分かってるぞ。けどこれはもはや告白だろう。だって好きじゃない相手と2人で登下校とかしないよね?普通。ていうか、この手の経験がなさすぎてそもそも普通がわからないんだった。どうしよう、なんて答えるのが正解なんだ。せっかくの女の子からのお誘いだ、もちろん断るつもりはない。ないけど無難に頷くとかでいいものなのだろうか...。


 心が躍りそうになるのを必死に抑えながら、なんとか冷静を装って



「...喜んで」

「え?」



 ああミスった。

 これじゃないわ。



「イヤッ、ごめん間違えた…...うん、もちろんいいよ」

「よかった。じゃあ入口で待ってるね」



 そういって先に講義室を出るエレナ。


 別にすぐそばで待っててくれてよかったんだが...まぁいいか。






 それにしても今のはキモ過ぎたかもな......オレ。

 帰ったら反省会だ。






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