【幕間】疾走する雷迅
――――異常事態だ。
今回の報せ、それは従来の枠には収まらない規模のものだった。
「こんなことが起こりえるのか…」
短く舌打ちしながら、その内容を頭の中で反芻する。
要点は、大きく分けて3つ。
要塞都市国家デュムールの近郊にある村が、妙獣の襲撃にあっていること。
そこには、大型妙獣の個体が確認されたこと。
そこには、人型妙獣の姿も確認されたこと。
一人で対処ができるとは思えない。
だが現場の近くにいて、すぐに動けるのは彼しかいなかった。
応援を待っているほど、余裕のある案件でもない。
枝を蹴り、幹を踏み、木から木へと森の中を駆けていく。
男は件の村へと急行していた。
森を抜ける途中、数体の妙獣が行く手を塞ぐ。
しかし、そんな木っ端に時間を使っている余裕はこの男にない。
「――邪魔だ」
自分にだけ聞こえる声でそう呟き、掌を妙獣らの方へと突き出す。
――次の瞬間、空が低く鳴った。
それとほぼ同時に白光が落ち、雷鳴が地を打つ。
妙獣たちは悲鳴を上げる暇もなく、焦げた影に変わった。
その結末を確かめぬまま、彼はさらに足を速める
「いざとなれば……出し惜しみはしてられんか」
――やがて、視界が開けてくる。
村が見え始めた。
――否。
そこにあったのは、 “村だったもの”。
足が、自然と止まる。
「一体……これは…」
崩れた家々。
黒く焼けた地面。
あちこちに散らばる、無数の亡骸。
人の声は、ない。
生き物の気配すら、しない。
あまりにも、静かすぎた。
「私が来る前に、全て…終わったというのか……?」
これにて【第1章】完結になります!
ここまで読んでくださりありがとうございました!><
物語はこれから本格的に動いていきます!
次章の更新まで少し期間空く予定ですが、また読んでいただけたらとっても嬉しいです!
【第2章】からもぜひよろしくお願いします!!!




