“爆睡”していた石破氏に、なぜ各政党代表は負けてしまったのか?
筆者:
本日は当エッセイを選んでいただきありがとうございます。
今回は11月11日の首相指名選挙で石破総理が30年ぶりの少数野党ながら選ばれたわけですが、
逆に自民党が過半数割れを起こしているのに他の党首はどうして選ばれなかったのか?
について考察していこうと思います。
質問者:
その前に、石破さんが風邪薬を飲んだ影響からか首相指名選挙の最中に寝ていることが話題になっていますね……。
筆者:
自身が選ばれる選挙で病気だったとしても寝られるのは問題でしょう。
中にはそんなに睡眠作用が無い風邪薬もありますからそう言った対策を取ることができなかったのかな? と思ってしまいます。
そのような方が各国首脳との会談中に急に眠られたりしても非常に困るので総理大臣として不適当と言えると思います。
ちょっと話は本筋から逸れますがそもそも、ああいう投票時間って本当にただ待つだけで無駄な時間なんですよね。
デジタル化したら、何百分の1かの時間で済みますからね。
国会の投票は、全部デジタル式にして誰が誰に投票したのか、法案なら賛成したのか反対したのか国民に分かりやすく公表した方が良いと思います。
(一度選挙で当選した方を任期中に罷免する制度が無いのも問題です)
質問者:
確かに電子投票なら何分から何分の間に投票してくださいで1回で済みますからね……。
それは元より、どうしてそんな石破さんが再び総理大臣に選ばれてしまったのでしょうか?
◇自民党内の要因
筆者:
まず自民党内の話ですが、石破氏と直接戦った高市氏に関しては
精力的に支持した安倍派の勢力が衆議院で3分の1まで減少し、衆議院だけで見れば第5番目まで大きく地位を下げたようです。
これにより反攻の狼煙を上げたとしても勝てる見込みがなく、党内の分断を発せさせるだけだと分析したのでしょう。
石破氏は猫の目のようにコロコロという事が変わっていきますから、必ず支持率は低下していきます。
求心力が更に低下した時に「降ろし」が始まると思われます。
一番重要なのは来年の夏の参議院選挙であり、ここでまたしても衆院解散総選挙で「衆参同日選挙」にもなりかねません。
高市氏ら後釜を狙っている方々はこの直前を狙っているのでしょう。
基本的には今の時点で党を割ったところで、野党が迎合してくれる可能性は低いので総理大臣になれる可能性はありません。
そのためには、自民党内での勢力争いで勝利することを狙い続けることでしょう。
質問者:
自民党を割ったからと言って総理大臣になれる見込みが薄いとなればなおさらここは波風を立てない方が良いという事ですか……。
◇野党は混迷
筆者:
そうなります。
次に直前にスキャンダルで話題になった国民民主党の玉木氏と代表選で出馬しないことが決まっている日本維新の会の馬場氏ですが、
彼らは直前に身内での問題があったこともあり、主軸として担ぎ上げるという話は野党内では無かったようです。
質問者:
確かにそう言う状況の方々が総理大臣になるとは思えませんね……。
野党第一党の立憲民主党の野田さんはどうして総理大臣になれなかったのでしょうか?
理論的には野党全ての党が合わされば逆転できたのですが……。
筆者:
野田氏は、「総選挙の結果」でもう敗北が決まっていました。
結局のところ「比較第一党」になれなかったのが全てでした。
せめて、「2党合わせて過半数レベル」でなければお話にならなかったのです。
質問者:
どうして2党なんでしょうか?
筆者:
野党での小選挙区での統一性が取れなかったように、
党同士での意思疎通と言うのが取れていなかったんですね。
直前までバチバチとやり合って票を奪い合っていたのに(大体は立憲民主党が勝ったでしょうし)、突然自分を指名してくれだなんてムシが良すぎませんかね?
質問者:
確かにそうですね……。
筆者:
比較第一党――せめて自公以外の上位2党で過半数と言う状況であれば政権が取れたと思います。
ですが実際は立憲民主党、国民民主党、日本維新の会の野党トップ3が合わさっても過半数に届きません。
候補者ですら調整できなかったのに総理大臣にはなりません。
また、参議院では自公が過半数を超えている状況では法律が通らなので、
なおさら野田氏が総理大臣になる可能性はほとんど無かったのです。
質問者:
なるほど……実際のところはかなり可能性は低い状況だったんですね。
そうなると野田さんはどうして「総理大臣を目指す」と言う雰囲気を出し続けていたんでしょうか?
筆者:
正直なところ、「比較第一党」を成し遂げられなかった以上、「総理大臣」と言う目標を掲げないと代表の座に居座り続けられないと思ったのでしょう。
立憲民主党は議席数を1.5倍にしましたが、見方によっては「目標未達」という事で「野田降ろし」が起きてもおかしくは無いですからね。
立憲民主党の比例代表の得票数から見てもほとんど前回から横ばいで、「支持されたために議席数が増えた」というよりも「相対的に小選挙区で勝利」としか言いようが無いですしね。
それを野田氏はカムフラージュしたかったんでしょう。
比例代表の得票数だなんてあんまり注目している方は少ないですしね。
質問者:
なるほど……過半数割れをした石破さんは勿論のこと野田さんも勝っていないとなると、今回の衆議院選挙は実は「勝者無し」と言う感じだったんですね。
筆者:
正確に言えばそうなります。
石破氏も恐らくはこの野党の状況、党内の反対派がまとまらないという見込みを立てて「総理大臣居座りメガネ」であり続けているという事なのでしょう。
誰しも敗北が確定している選挙だなんてやりたくないですからね。
敢えて言うなら総理大臣の座を守った石破氏が「相対的・消極的に勝利」と言う形なのかもしれません。
質問者:
何だか、この何とも言えない状況は、誰も決定的に良い政策を打ち出せずズルズルと悪くなっている今の日本を象徴しているような気がしますね……。
筆者:
残念ながらそうなります。
現行のお金がかかる選挙では小選挙区で当選するために必要な2000万円(最低でも供託金300万円)を失っても痛くも痒くもない人しか立候補できないので、国民本位の政策が実現しにくいんです。
◇候補者調整はしない方が無難
質問者:
そして、選挙の話に戻るんですけど、野党の候補者を一本化した方が政権交代は起きたんでしょうか?
候補者調整と言うのはした方が良いんでしょうか?
筆者:
「政権交代」と言う1点で見てみれば候補者調整をした方が得策でしょうね。
ただ、現実的には野党内で1人に候補者をまとめるという事は難しいです。
「野党の中での予備選挙」をすることが一つの手としてありますが、国政選挙前の段階でお金がかかるとなると、やはり組織票のアル相対的に大政党の方が有利になります。
質問者:
結局のところ増税政党同士の自民党対立憲民主党の基本構図は変わらないという事ですか……。
筆者:
基本的にはその「増税する残念対決」になりますね。
また、党公認で出馬しなくても「無所属」として出馬して約束を反故される可能性もありますしね。出馬を止めることは人権侵害になりますしね。
そのために僕はどこかの政党が思いっきり勝って調子に乗って増長するよりも、
現在のような「みんな負けた」と言うような中途半端な状態の方が国会で緊迫感が出て良いと思いますよ。
野党のどこかの意見を聞かなくては法律も予算も何も成立しない状況になりましたからね。
(敢えて「勝った」と言えるのは国民民主党ですが不倫問題、投票中睡眠で少し評価が下がることでしょう)
質問者:
小選挙区制度ではそうなってしまうという事ですか……。
筆者:
だから基本的には中選挙区制以上の方が民意が反映されやすいです。
大政党以外がノーチャンスってどう見ても異常ですからね。
お金のかからない選挙になるにはまだまだ時間がかかるので、中選挙区制度にすることが先決だと思います。
質問者:
中々、「政治改革」と言う話でそう言った改革にはなりにくいのが残念なところですよね……。
筆者:
日本が停滞する要因であることが山積過ぎることが問題ですよね。
僕はその問題を一つ一つ分かりやすくお伝えしていきたいと思いますね。
という事でここまでご覧いただきありがとうございました。
今回は“爆睡”していた石破氏になぜ各代表が負けたのかについて個人的な分析をお伝えし、やはり現在の選挙制度が問題だという事をお伝えしました。
今後もこのような政治について個人的な解説をしていきますのでどうぞご覧ください。