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十一ノ書「腰を入れてぶった斬れ」

お読み頂きありがとうございます。今回のお話の描写でかなり大事なシーンが出てきます。それ故に気合いが入りすぎて文字数が多くなってしまいました。

許して。

レディィファイ!


その一言で始まったこの試験。相手はなんとソルジャーゴーレムと呼ばれる人型の戦闘兵器。

さてどうする…。


「ピピッ。対象ヲ発見。鑑識開始」


なんだ?ゴーレムが喋ってる?


「……ピ…ピピ…ピピピッッ対象鑑識終了。対処識別結果。闇ノ神。危険指数最大。モードアサシンカラモードエリミネイト二移行。全力排除遂行」


今僕を見て闇ノ神って言ったか?まさか…壊れているのか?このゴーレム。それに…今モードエリミネイトって言ったか?エリミネイト…排除…?もしかして……


「排除スル…排除…スルッ!!」


「うわぁぁぁぁっ!?」


いきなりゴーレムは背後のブースターを起動させて腕に付いている剣で斬りかかってきた。


「避けたぁぁ!素早い一撃がレント君を襲いましたが、なんと避けました!すご〜い♡」


危なかった…!もう少し反応が遅れていたら真っ二つだ…。剣を抜かなきゃ…!


「さぁ!レント君もようやく剣を抜いたぞ〜!あれ?あれあれあれあれあれ!?あの剣は…伝承に出てくる光の剣にそっくりだ!」


「光の剣!?」


「なんだと!」


「本物か…???」


あの実況女っ!余計なことを!


「レ、レ、レプリカよ!本物があるわけないわ!それに本当に存在していたとしてもあんな一般人に抜けるわけ無いです!!」


「そりゃ、そうか」


「なんだただのおとぎ話好きのガキか…脅かしやがって」


「そんな玩具で勝てるのかー!ガリガリ!」


「あ、えへへ…伝承に出てくる勇者が大好きでして…てへへ…」


あ、あ、危ねぇぇぇ…

ナイスレオ…。光の剣が実在し僕が持ってると知れたらあらぬトラブルに巻き込まれるかもしれない。それだけは避けないと。


「なーんだ、剣は偽物だったのかぁ…でもあの一撃を交わしたのは見事な素早さです!」


咄嗟に体が動いたから良かったもののもう少し遅かったら死んでたな…。さぁどうする…


「ピピッ…パターン予測…完了…攻撃開始ッ」


またしてもブースターで突っ込んでくるゴーレム。

避けようとしたその時ゴーレムは体制を変え避ける先に攻撃を向けてきた。咄嗟に剣で弾く。


「これも弾いたー!凄い!凄いよレントくーん!」


「ピッ…想定外ノ反応ヲ確認」


このゴーレム…さっき僕が避けた動きを覚えて避け先に攻撃を入れてきたのか…?だとしたらこいつはただのゴーレムじゃない。ちゃんと高度な知能があるんだ。今までのヤツらみたいに成り行きで倒せる相手じゃない…考えるんだ…!


「攻撃…開始ッ!」


ゴーレムの高速の剣撃は止むことなく続いた。僕はそれを弾き続けるが反撃するタイミングが無い。

あの体が勝手に動く剣技達を使うには恐らく一定の間構えを取る必要があるんだ。剣技自体の威力や速度はこのゴーレムを仕留めるのに十分だと思うけど技を出すまでにこいつ相手だと時間がかかりすぎる。


「さぁここまでの攻撃を耐えているのは素晴らしいが未だに一撃もゴーレムに入れる事はできてないぞー!大丈夫なのか!レント君っ!」


この試験はタイムアタック…!時間がかかりすぎるのはまずい…!どうする…どうするっ!

その時僕の頭の中に何かの声が響いた。


「ま…だ…な…」


何だ?誰の声だ…?また剣の声?それにしては優しい暖かい声だ。


「まだ……まだだな」


鮮明に聞こえるようになってきたぞ。ぼんやりと景色も浮かんできた。これは……湖畔…?霧のかかった湖畔の近くで誰かと誰かが話している…。


「まだまだだな。頭で考え動いてる。それでは行動も溜めも動きも全てが遅れてしまうぞ」


「はい!もう一度お願いします!」


「よしやってみろ」


「はぁぁぁぁっ!」


男が二人…一人は背が高くて腕が片方無い…。もう一人は僕と同じくらいの身長で剣を振っている。

何だ?どこかで見たことがあるような…?


「まだ力み過ぎだ。いいかどう剣を振るっていいか分からない時。迷っていれば自分がやられる。迷ったらこう意識してみろ。腰を入れてぶった斬る。と」


「腰を入れて…ぶった斬る…」


「そうだ。考えても無駄なら考えるな。後は感覚に任せて腰を入れてぶった斬れ!」


「はい!」


謎の記憶は消えていってしまった。あの人たちは一体何者でなんの記憶だったんだろう…。いや、いい。

この状況を打開する方法が見つかったんだから。

考えても無駄なら………


「隙…発見ッ。排除スル!」


考えるなっ!


ガキンッ


「おおっとー!的確に隙を突いてきたゴーレムの一太刀を弾き剣を折ったー!かっこいいっ!♡」


剣を弾かれ、ゴーレムは体制を崩した。今なら入る。

渾身の一撃が。考えるな。腰を入れてぶった斬れ!


「うぉぉぉぉぉぉぉっ!!『光一閃』!」


思い切り振り切った剣はゴーレムを真っ二つに両断した。


「ピ、ピピ、ピ、ピィ…………」


「き、決まったァァァ!レント君の一撃がゴーレムを沈めましたー!」


「レント〜!!よがっだぁぁぁぁ…!」


やれた…。できたぞ…レオ。初めて自分の意識で剣をふった。上手くいったんだ。良かった…。

それにしてもあの記憶。僕は何か大事なことを忘れている気がする。あの記憶は誰のなんの記憶なんだ…。

勇者として旅を続ければいずれ分かるのだろうか…。



十二ノ書に続く。

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