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第二話 オフィスレデーはかく語りき

 

 『恋と邪悪な学園モノ。』


 タイトル通りの乙女ゲームである。ファンタジー世界で主人公イヴが、個性的でもない面々と学園ラブを繰り広げる。「封じの呪文はえろいえろいラマサバクタニ!」と叫ぶゲームのオープニングが一部の界隈で話題に。大手通販サイトでのレビュー評価は星二。


 平凡なオフィスレデーの私にとって、青春のゲームだった。より正確に記すならばこのゲームにのめり込み過ぎて青春を浪費した。

 中学校時代にこのゲームをワゴンで見かけ、何も考えずに購入。睡眠時間を削ってゲームに明け暮れ、熱中し過ぎて友を失い成績を地に落とした。社会人になってからは流石にプレイの頻度は落ちたが、辛いことがあればこのゲームを起動していた。


 私をゲームにのめり込ませた戦犯というべき存在が、攻略対象のひとりである第六王子アダム・フォン・シャルロワである。名前だけでときめいてしまう。

 人当たりが良く、どんなことでも優しく受け入れてくれる。天然で抜けているところもあるうっかりさん。正に王子、という性格をしているが、それ故にキャラ付けが甘く他の攻略キャラと比べると影が薄い。残念なところが愛おしい。

 そして何より顔。顔の造形が素晴らしい。コテコテの王子らしい爽やかハニーフェイス。無駄のない美貌。逆手に取れば特徴がなくモブみたいな顔をしている。顔が好き過ぎて動悸が止まらない。


 そんな彼と主人公イヴは素敵なラブを繰り広げるのだが、二人の前にはお邪魔虫が現れる。

 そのお邪魔虫はイヴに悪質な嫌がらせ及び犯罪行為を繰り返す悪辣な存在である。

 ふたりはなんやかんや苦難を乗り越え、お邪魔虫を断罪しハッピーエンドとあいなるのだ。

 そのお邪魔虫とはアダム王子の婚約者であり、公爵令嬢でもあるリリア・オールドマン。


 つまり私である。


 えっどうして私が悪役令嬢になってるの?

 会社どうした?

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