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これは魔法の書です。  作者: わおん
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原始人の胎児に成って、2日目・・・



現在、太陽の位置から察すると、


昼の12時・・・



これは、別の国や星であっても、


同様である。



太陽が真上であれば、


それは、その地域の、真昼なのだ。



3人は、山脈の頂上付近を、


横ばいに、進んでいる。



その為、湧き水など無く、


水の確保が困難であった。



しかし、水分補給の為に、


山頂から少しでも下ると、



木々が、倒れており、


それらが、時おり、崩れる状態であった。



その為、移動の為には、


山頂付近を歩く以外に、選択肢が無い様だ。



水分補給の為には、山を1時間下る。


場所によっては、2時間かかる。



足場が悪く、思う様に、進めないのだ。



下った先も、斜面であり、


そこが山である事が、理解出来る。



だから、その場所を、


僕は、中腹部と認識していた。



『中腹部まで1時間・・・』


『どの程度の高さの山なのか・・・?』



『本当に、中腹部なのか・・・?』


『それとも、山頂の近く・・・?』



『しかし、山頂近くに、川がある訳が無い・・・』


『では、平地の近く・・・?』



『しかし、平地が近いなら・・・』


『向こうに山が見えるのは不自然だ・・・』



事実、向こうに山が見えている。



『ここより、低い山が見えている・・・』


『つまり、ここは高い山脈の中腹部・・・?』



実の所、僕は、何も解っていない。



3人は、通称・中腹部に到着したが、


そこに川がある訳では無い。



川があっても、ドロ水なので、


飲める訳が無い。



結果、3人は、まず、川を探し、


そこに流れ込む、湧き水を、


探す必要があった。



父と祖母に、疲労が見える。



そんな中、1人疲れない母、


父と祖母は、疑問を感じる。



休憩中、母が、お腹をさすり、


単語の羅列で、何かを伝えている。



納得出来ない2人・・・


楽しげな母・・・



水分を補給した後、移動の為、


再び、山頂を目指す。



『木が見えてきた・・・』


『山頂に、戻って来たのだ・・・』



『水を飲んで戻るだけで3時間・・・』



『効率が悪い・・・』



父も祖母も、疲労を隠せない。


祖母のヒザは痛む様である。



その為、再び、休憩が必要であった。



父と祖母は、倒れる様に、座り込んだ。



しかし、状況が一変する。


あせる3人、ゆっくりと、木の影に隠れる。



母の感情から、何かが居る事は理解出来た。


しかし、僕には、見えない。



『また、狼が来たのか・・・?』



しかし、3人の様子を見ると、


戦う意志は、無い様である。



『戦えない相手・・・?』


『戦っても、無駄な相手・・・?』


『3人では、無理な相手・・・?』



と考えていたら、一瞬、何かが見えた。



『熊・・・?』



『熊の頭部だったのか・・?』


『こちらに気付いているのか・・・?』



その判断は難しい。



しかし、一瞬とはいえ、


千里眼で、見えたのだから、


その距離は数メートル。



『でかい・・・』


『おそらく、でかかった・・・』



僕は、全体を見た訳では無い。


熊の頭部が一瞬見えた、だけである。



しかし、その印象から、理解は出来た。



『勝ち目は無い・・・』



その時である。


今度は、熊の側面が見えた。


頭部は見ない。



『熊が向きを変えた・・・?』


『立ち去るのか・・・?』



『熊の左脇腹に、違和感がある・・・』


『ケガ・・・?』


『骨折している・・・?』


『一度、津波に流された・・・?』



熊が負傷している事は、明らかだった。



『こちらに、気付いていないのか・・・?』


『それとも、戦えないのか・・・?』



母から、一応の安心感が伝わって来た。



『熊は、追って来ない・・・?』



その後、3人は、再び山を下る。


熊から、遠ざかる事が目的であった。



その為、横ばいに進みながら、斜面を下っている。



約3時間後、ドロと倒木の川に到着。


先程、水分補給をした川とは、別の場所である。



おそらく、3人は、


津波被害地を避ける為に、進んでいる。



『しかし、変化が見えない・・・』



3人は、村を出て、


12時間ほど、横ばいに歩いて来た。



水分補給の時間は、除外して、


約12時間、同じ方向に、進んでいるのだ。



しかし、被害状況に変化が無い。



『それほど、巨大な津波だったのか・・・』



『地球は一体、どの様な状態なのか・・・?』


『本当に、ここは地球なのか・・・?』



それは、考えていても、仕方の無い事である。



考えている芝居・・・


悩んでいる芝居・・・



そんな事で、賢い自分を演じても、


何も得られないのだ。



『では、今、何を考えるベキか・・・』


『それは、母との会話方法・・・・』



と、その時、3人が、何かに反応した。


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