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原始人の胎児に成って、2日目・・・
現在、早朝、山頂付近・・・
夜中、眠らずに、
周囲を警戒していた3人だったが、
日の出が近付くと、まず、祖母が眠り、
30分程度で起きたと思ったら・・・
次は、父が眠った。
30分後、父が目覚め、母が寝る番である。
しかし、母は、僕の回復魔法の、影響を受けている。
その為、眠く無い。
母は、その事を、何とか伝え様としたが・・・
父と祖母には、それが理解出来ない。
その為、母も、寝る事と成った。
現在、
僕の回復魔法は、母に伝わり、
母の感情は、僕に伝わっている。
つまり、僕と母は、互いに影響を与えている。
つまり、母が夢を見れば、
それが、僕にも、見える可能性がある。
その事を、僕は、僕に認識させた。
その上で、絵を描く時の感覚で、
心の絵を描く・・・
『ハート型・・・』
その様なイメージを行う。
『実際、これで・・・』
『母の夢の中を、見る事が出来るのか・・・?』
それは、解らない。
先ほどから、母の、脳や心臓は見える。
『心は、見えないのか・・・?』
『他人の夢の中を、見る方法・・・?』
『いや・・・他人では無い・・・』
現在、僕と母は、一心同体である。
『母が死ねば、僕も死ぬ・・・』
『つまり、他人ではない・・・』
『僕なんだ・・・・』
『僕が夢を見れば・・・』
僕は、以前、
神社に行っては、手を合わせ、
拝んでいる芝居をしながら・・・
立ったまま、寝る練習をしていた。
今こそ、その成果を、発揮する時である。
力を流れ出させる・・・
すると、母が眠った。
『これは、成功するのでは・・・?』
トンネルを、のぞく感覚。
望遠鏡を、のぞく感覚。
針の穴を、のぞく感覚。
吸い込まれる感覚・・・
すると、
『ぼんやりと見えた・・・』
『断片的光景・・・』
『支離滅裂・・・』
『これは、母の夢なのか・・・?』
それを、僕は、何も考えずに見る。
覚えよう、などと、考えない。
とにかく、ぼっと見る。
欲を出さない。
偶然見えている。
だだ、それだけ・・・
その後、睡眠を終え、母が、目を覚ます。
僕には、母が見た夢の記憶が、残っていた。
それは、順序など滅茶苦茶であり、
事実と空想が、混在している様であった。
それを整理する。
『母は、選ばれた・・・』
母と父、
そして、
通称・祖母と、
通称・祖父、
この4人で山を登っている。
本当に、祖父母なのかは、不明である。
母と父は、祖母に、何かを習っている。
その後、母と父が、2人で寝る・・・
複雑な心境だが、
僕は、牛や馬の、種付けを見た事がある。
それと同じだと考えた。
2人は作業を終え、就寝・・・
周囲は暗い、夜中である。
ところが、鳥が飛び立った。
遠くの山でも同様である。
全ての鳥が飛んで行く・・・
祖父が、3人に、
残る様に指示をして、1人で下山する。
直後、地響き・・・?
地震・・・・?
夢が途絶える。
支離滅裂が続く・・・
その後、再び夢が再開する。
下界が、激流に飲まれる光景。
母の足元まで、水が来ている・・・
それが事実か、どうかは不明・・・
時間の経過も不明・・・・
水が引く・・・
3人は、下山を決意する。
しかし、地面が震える感覚・・・・
3人は、あわてて山頂に戻る。
これは母の夢である。
真実である保障は無い。
おまけに、そこには、僕の推測も加わっている。
地響きの正体は、
津波が山に激突した音と、考えられる。
支離滅裂が続く・・・
水が引かない。
先程、水が引いた光景を見たのだが・・・
これは、母の悪夢である。
順番など、無茶苦茶であった。
水が引かず、丸1日、山の上で過ごした。
これも事実か、どうか解らない。
3人は下山・・・
その途中、1頭の狼が現れ、
母は、右足を噛まれた。
狼の、その後は不明・・・
3人は、必死に下山・・・
途中、母が、熱を出して倒れる・・・
その後、不可解な回復・・・
村に戻る・・・
絶望・・・
母、号泣。
これらが、断片的に、ごちゃ混ぜで見えた。
順番不明、真実不明、
結局、有力な情報は、得られなかった。




