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これは魔法の書です。  作者: わおん
73/2329

073

当時、小学5年生・・・



魔法の力に耐えられず、


僕は、死んだ・・・



ところが、僕には、生前の記憶があり、


先程まで、千里眼で、原始人を見ていた。



しかし、連続使用は、困難な様で、


現在は、回復待ちである。



そこで、僕は、考え事をしていた。



僕は、僕の考えに、疑問を持っている。


つまり、僕は、僕を信用出来ないのだ。



だから、何度も、考える必要があるのだ。



実際、僕は、


自分が、植物人間に成った。


と勘違いした。



震災が起きて、山に避難した。


と勘違いした。



僕の魔法で、女性を植物人間にしてしまった。


と勘違いした。



この様に、何度も、勘違いを繰り返している。



つまり、僕の仮説は、信用出来ないのだ。



魔法の正体が、


「素粒子を操作する脳信号」というのも、


間違いだった。



今現在、受精卵である僕に、脳は無いのだ。



『脳信号など出せない・・・』


『僕の仮説は、間違いだらけだ・・・』



しかし、それでも僕は、妙にワクワクしていた。



自分の間違いに気付く事で、僕の考えは進歩する。



魔法の使い方など、誰も教えてくれない。


だから自分で考える。


これは仕方ない。



結果、間違いに気付かない。


これも仕方ない。



しかし、偶然、その間違いに気付いたら・・・


それはチャンスである。



このチャンスが、先生なのだ。



僕は、考えた。



現在、僕は、胎児の初期段階である。


その為、まだ、脳が無い。



しかし、僕には思考力があり・・・


千里眼と、驚異的な治癒魔法が使える。



つまり、


『脳が無くても、魔法が使える・・・』


『ラムネは、いらない・・・』



生前の僕には、脳があった。



その為、脳を使って、魔法を発動させていた。



人間なのだから、何かをする時、必ず脳が働く。


その為には、ブドウ糖が必要だった。



しかし、脳を失った今、


脳が無くても魔法が使える。



これは、事実である。



『つまり、僕の身体には、負担が無い・・・』



そして、原始人である母は、獣に噛まれ、


死にかけた状態から、回復している。



『つまり、母にも、負担が無い・・・』



しかし、千里眼を使うと、多少の休憩が必要だ。



今が、その状態である。


何も見えないのだ。



『疲れたから、使えない・・・?』


『何が疲れた・・・?』


『身体では無い・・・』


『では、精神・・・?』



『つまり、精神力があれば・・・』


『魔法が、使える・・・?』



『精神力・・・・?』


『精神力とは、何だ・・・?』



『単純な、思考・・・?』


『純粋な、思考・・・?』



『思考力で、魔法が使えるのか・・・?』



しかし、疑問が生まれる。



『では、その思考は、どこで行っている・・・?』



残念ながら、僕は、


自分の疑問に、即答出来る訳では無い。



考えても、解らない事の方が多いのだ。



しかし、ヒマである・・・



そこで、僕は、考え方を変えてみた。



『なぜ、僕は、転生した・・・?』


『僕は、僕の記憶を残したまま・・・』


『胎児に成っている・・・』



実際に、見た訳では無いが、


なぜか、胎児である事は、実感出来る。



『なぜ、そう思う・・・?』



僕は、自分が死んだ事を、理解している。


そして、原始人の胎児に成った事も理解している。



『それは、なぜ・・・?』



『僕は、魂と成って、この世界に来たのか・・・?』



『なぜ・・・?』



考えても、答えなど出ない。



これでは、退屈である。



仕方が無いので、考え方を、少し変えてみる。



『僕は、霊なのか・・・?』



僕は、呪いなど、存在しないと、考えている。



『戦争で、何人が殺された・・・?』


『事件や事故で、何人が死んだ・・・?』



『もし、呪いが実在するなら・・・』


『その人達の呪いで、人類は滅亡している・・・』



しかし、現実には、滅んでいない。


それを考えれば、呪いなど存在しないのだ。



つまり、呪いを使う事など、出来ないのだ。



ところが、


『幽霊・・・』


『全てが、見間違いなのか・・・?』


『嘘なのか・・・?』


『妄想なのか・・・?』



『もしかすると、幽霊は、存在するのか・・・?』


『では、なぜ、幽霊は存在する・・・?』



実際、現在、僕は、魂の様な存在なのだ。


その為、幽霊の存在を、否定出来ない。



『では、幽霊は・・・』


『どの様な理由で誕生する・・・?』



『恨みでは無い・・・』


『恨みで幽霊に成るなら・・・』


『世の中、幽霊だらけである・・・』



『という事は・・・?』



『体質・・・?』



『幽霊に成るのは体質・・・?』



『その体質を持った人間が、死ぬと・・・』


『幽霊に成る・・・?』



『怨念ではなく、体質で幽霊に成る・・・?』



『僕が、それに該当する・・・?』



ところが、疑問を感じる。



『何か違う・・・』



『体質で、幽霊に成るなら・・・』


『役に立つ幽霊も、現れるハズだ・・・』



山で、遭難者を探し、


捜索隊に、教えてくれたり・・・



殺人現場で、


犯人が誰かを、教えてくれたり・・・


その様な幽霊も現れる。



しかし、そんな幽霊など存在しない。



つまり、


『幽霊など存在しない・・・』


それが僕の考えだった。



『しかし、だとしたら・・・?』


『僕は、何なのか・・・?』



『これも、魔法の1つなのか・・・?』


『それとも、魔法とは別の・・・』


『何かなのか・・・?』



『宇宙の意志・・・?』



『宇宙の意思で、僕は、ここに来たのか・・・?』


『そんな、まさか・・・』



僕には、持論がある。



それは、


『宇宙には、始まりなど無い・・・』


という事である。


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