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当時、小学5年生・・・
僕が、強力な千里眼を使った結果、
全く、無関係な女性の脳を、
破壊してしまった。
しかし、現状、それを治す事は、
不可能である。
そこで、
まず、僕自身の、治療方法を考える。
魔法を出して、反射させる。
『それを自分の治療に・・・』
『どの様に、生かせるのか・・・?』
それを考える。
考える事で、僕の無意識に、ヒントを与える。
無意識は、天才では無い。
あくまでも、僕が理解している事や、
僕が出来る事を、実行するのだ。
例えば、嫌な予感という現象。
これは、普段とは違う雰囲気を、
感じる事で、発動する。
本人は、上手く説明出来なくても、
無意識が理解している。
その様な、状態である。
つまり、本人が、普段を理解している。
それが、重要である。
次に、
クシャミ、あくび、まばたき・・・
これらは、自分の意思で、
多少、我慢する事が出来る。
しかし、これらの発動は、止められない。
クシャミは、我慢出来ても、
クシャミが、出そうに成る現象・・・
それは、止められないのだ。
『では、なぜ、クシャミが、出るのか・・・?』
それは、身体の反応である。
身体が、不具合を感じ、
その対応として、反射機能を使い。
クシャミが、発動するのだ。
『不具合・・・』
『不具合がを感じれば・・・』
『無意識が、それを改善する・・・?』
『ケガの回復も、無意識が行っている・・・?』
『いや・・違う・・・・』
『意識不明でも、傷の回復は進む・・・』
『つまり、無意識では無く・・・』
『機能で回復する・・・』
『回復は、機能によって行われる・・・』
という事は、
『回復機能に、魔法を送り・・・』
『その反射を、受け取る・・・』
『結果、回復が、必要な箇所が・・・』
『特定出来る・・・』
『特定出来れば、意識が出来る・・・』
『意識が出来れば・・・』
『回復の為の、魔法が送れる・・・』
『そして、その魔法の発動方法は・・・』
『僕の無意識が知っている・・・』
では、実行である。
ところが、
『回復機能とは、どこにあるのか・・・?』
『細胞・・・』
『細胞分裂・・・?』
そう考えた瞬間、再び、必死の2人が見えた。
千里眼が、勝手に発動したのだ。
もちろん、あせる。
僕が、千里眼を使う事で、
彼女の脳に、ダメージを与えるのだ。
が・・・
僕が見たのは、
少し上から、3人を見下ろした様な光景・・・
『視点が変わった・・・』
そして、倒れている彼女の足に、
視線が止まる。
その瞬間、千里眼が途絶える。
『僕の無意識が・・・』
『何かを見せようとした・・・?』
『何が見えた・・・?』
僕は、その光景を思い出し、考えた。
『おそらく、彼女は・・・』
『足に、怪我をしていた・・・』
『おそらく、彼女が倒れているのは・・・』
『それが、原因なのだ・・・』
『しかも、彼女は、動いていた・・・』
『植物人間では無い・・・』
『植物人間では無い・・・?』
つまり、
『魔法の被害を、受けていない・・・?』
『そうと解れば・・・』
心を静める。
そして、2階のベランダから、
ぼんやりと見下ろすイメージ・・・
すると、3人の姿が見えた。
見下ろす様な視点で、見えている。
ほとんど見えないので、
何度も何度も、千里眼と休憩を、繰り返した。
そして、何となく理解した。
彼女は、足の手当てを受けている。
頭からも、軽く出血している。
おそらく、足を負傷し、転倒して、
脳震盪を起こしていた。
そして、意識が回復した。
今、その状態なのだろう。
僕は、千里眼が途絶える事を、
承知の上で、彼女の足を見る。
その瞬間、映像は途絶えた。
何度も繰り返す。
そして、解った。
『彼女の右足に、噛まれた跡・・・』
『犬だろうか・・・?』
その後、見ては途絶えるを繰り返し、
僕は、状況を把握した。
僕は、以外と冷静だった。
『僕は、死んだのだ・・・』




