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これは魔法の書です。  作者: わおん
67/2329

067

当時、小学5年生・・・



植物人間に成った僕は、


回復方法を、考えていた。



僕は、魔法使いである。



しかし、ある意味、僕は、


魔法を使う事が、出来ない。



魔法を使っているのは、全て、


僕の無意識であると、考えられる。



僕は、魔法に関して、無知である。



そして、僕の無意識は、毎回、


僕が知らない魔法を、発動させている。



ラジコンカーのコントロール・・・


背中を押す・・・


野球ボールを、吹っ飛ばす・・・


天井が見える・・・



これらが、発動した時、


僕は、その様な魔法の存在を、知らなかった。



しかし、僕の無意識は、


それを知っていて、使ったのだ。



『僕の無意識は・・・』


『どこまで知っているのか・・・?』


『どこまで、理解しているのか・・・?』



『僕が、植物人間に成る事を・・・』


『知っていたのか・・・?』



『しかし、そこまで有能とは思えない・・・』



『そこまで、有能なら・・・』


『そもそも、植物人間に成っていない・・・』



『では、どこまで、有能なのか・・・?』


『どこまでの事が、出来るのか・・・?』



僕には、医学的知識など無い。



その為、現在、僕が、


どの様な状態なのか、解らない・・・



『それでも、僕の無意識は・・・』


『機能するのだろうか・・・?』



『僕が、解らない事でも・・・』


『僕の無意識は、理解して・・・』



『それを、解決してくれるだろうか・・・?』



『そんな都合の良い事が、あるだろうか・・・?』



解らない・・・



『しかし、ケガは・・・』


『本人の意思とは、関係無く、治る・・・』



『植物人間も、それで治るだろうか・・・?』



解らない・・・


しかし、時間はある。



『次だ・・・』


『出来る限りの、可能性を考えよう・・・』



僕は、不安を振り払う為に、


魔法の仕組みを考えた。



僕が、少しでも多く、魔法を理解する事で、


『僕の無意識は、それ以上に賢く成る・・・』


そう信じたのだ。



そう信じたかった。



『魔法を出す感覚は無いが・・・』


『モノの、弾力を、見る事が出来る・・』



『これは、魔法の感覚だ・・・』


『では、なぜ見える・・・?』



最近は、毎晩、天井が見えていた。



見えるという事は、一種の感覚である。



僕の魔法に、感覚があるから、見えるのだ。


素粒子の振動を、感じ取る事が、出来るのだ。



ティッシュの箱の絵を、描き続けた事で、


モノの弾力を、見て感じる事が、


出来る様に成ったのだ。



『では、なぜ、その感覚が・・・』


『動かす魔法に、反映されないのか・・・?』


『回復魔法に、反映されないのか・・・?』



不思議である。



『あれ?』



僕は、気付いた。



『脳から発した信号が・・・』


『天井に当たって・・・』


『反射する・・・』



『それが再び、脳に戻り見える・・・?』


『僕が発している魔法は、戻って来ている・・・?』



そして、思い出す。



『つまり、あのピンクの光が・・・・?』


『あれが、魔法の感覚なのか・・・?』



植物人間に成る以前、


僕は、目を閉じていても、天井が見えていた。



しかし、それには、条件がある。



それは、ベットで横に成り、


正しい姿勢で、天井を向き、半分眠った状態。



つまり、数分間、あるいは数十分、


その状態を、維持している訳である。



結果、僕が発した魔法が、


天井に当たり、戻って来る。



それを受信出来たのだ。


だから、見えたのだ。



それに対し、モノを動かす魔法の場合、


そのままの状態で、数十分間も、


待っていた事など無い。



信号が戻って来るなどと、


考えた事も無い。



結果、


『信号を発する能力だけが・・・』


『先に成長したのか・・・?』



『ところが、絵を描く様に成り・・・』


『ティッシュの箱を、病的に見続けた・・・』



『つまり、信号を送り・・・』


『その反射を、受け取る練習・・・』


『それが繰り返し行われ、急激に成長した・・・』



『と思う・・・・』



僕は、一応、納得した。



見るのでは無く、素粒子の振動を感じ取る。


これが重要なのだ。



はっきり見ようとすると、


『1点に集中するので・・・』


『素粒子振動の反射が減る・・・』


だから見えない、感じない。



つまり、


『広い範囲を、ぼんやりと感じ取る・・・』


『そうすれば、反射する面積が増える・・・』



僕は、それを意識して、実際に試してみた。



すると・・・



『あっ・・・見えた・・・』



ぼんやりと見えた。



突然、見えたのだ。



『えっ!!!!』



明るい部屋で、目を「閉じた」状態。



赤い世界・・・



実際には、見えていないが、明るさは感じる。



『これは、錯覚か・・・?』


『これは、僕の思い込みなのか・・・?』



その可能性も否定出来ない。


事実、何も見えていない。



『目を閉じて、太陽を見た様な状態・・・』


『そこまで、明るくない・・・?』



『魔法の反射で、見えているのか・・・?』


『それとも・・・』


『「まぶた」の裏側が見えているのか・・・?』



現在、僕は、植物人間である。



しかし、意識がある。



そんな、特殊な状態なのだから、


この光景は、錯覚の可能性もあるのだ。



しかし、



『よし・・・』


『あわてない・・・』



『おそらく、これは、錯覚では無い・・・』


『目を閉じても見える能力・・・』


『それが復活しつつあるのだ・・・』



『おそらく、現在・・・』


『ブドウ糖の点滴が、行われている・・・』



『それが、効果を発揮しているのだ・・・』



『あせっては駄目だ・・・』


『ゆっくり・・・』



『無理をすると、脳に負担がかかる・・・』



しかし・・・次の瞬間・・・



『やった・・・・・・!!!!』



僕は、うれしくて、


我慢が出来なかった。



今、何かが、ぼんやりと見えたのだ。



僕の無意識が、仕事をしたのだ。



『よし!!!よし!!!よし!!!!』



『僕の魔法は生きている・・・』


『回復魔法が、機能している・・・!』



僕は、興奮した。



興奮は、危険だと解っていても、


喜びは、押さえられない。



結果、ぼんやりと見えたモノは、


消えてしまった。



しかし、それでも見えたのだ。


魔法が使えるのだ。



魔法を使う脳は、生きているのだ。



つまり、回復魔法は発動しているのだ。



『やったぁぁぁぁぁぁぁ!!!』



僕は、しばらく喜び続けた。



そして、好奇心が湧いて来る。



『僕の姿は、見えるのか・・・?』



この魔法は、見ている訳ではない、


感じ取っているのだ。



それが脳に伝わり、見えている様に、


感じているのだ。



つまり、脳から発した信号を、


空気に反射させれば、



『自分の姿が見れる・・・?』


『千里眼の様に、遠くのモノでも見える・・・?』



その瞬間、「それ」は見えた。


しかし、「それ」は、僕の姿では、無かった。



『コントロールが難しい・・・』


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