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これは魔法の書です。  作者: わおん
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066

当時、小学5年生・・・


僕は、植物人間に成っていた。



『この状況から、回復出来るのか・・・?』



『回復魔法は、出ているのか・・・?』



『僕の魔法には、なぜ感覚が無いのか・・・?』



僕は、一生懸命に考えた。


回復の為のヒントを、探す為である。



『モノの弾力が見えるのは、感覚だ・・・・』


『でも、魔法を出している感覚が無い・・・』



その結果、


『動かしている最中・・・』


『それを操作している感覚が無い・・・』



以前、草むらで、飛ばした紙飛行機は、


僕の意思通りに、飛んではいた。



しかし、僕には、操縦している感覚が無かった。



『見物しているだけ・・・』


『僕の思った方向に・・・』


『偶然、飛んでいるだけ・・・』



『その様にも思えた・・・』



しかし、紙飛行機が、


偶然、僕の思った通りに、飛ぶ訳が無い。



やはり、僕が操縦していた訳である。



そして、僕は、思い付いた。



『脳からの信号・・・』


『それが魔法なのでは・・・?』



『手を動かす時には・・・』


『脳から、手を動かす信号が・・・』


『出ているハズだ・・・』



しかし、信号が、


身体の中を、伝わる感覚など無い。



という事は、



『どうゆう事か・・・?』



『脳から発した魔法信号は・・・』


『空気中の素粒子を伝わる・・・』



『つまり、それは・・・』


『身体の中を信号が通るのと、同じ状態・・・』



『つまり、伝わる感覚は、無い・・・』


『そして、それが、ドアに届く・・・』



『しかし、ドアには、神経が無いので・・・』


『その感覚が、僕に戻る事は、無い・・・』



『しかし、信号は届いているので・・・』


『ドアは開く・・・』



しかし、疑問を感じる。



『筋肉は?』



通常、脳から発する信号は、


筋肉を動かしているのだ。



ドアを開ける場合、脳から発する信号に、


筋肉やスジが反応して、手を動かす。



つまり、信号だけでは、手は動かないのだ。



『では、僕は、魔法信号を発して・・・』


『何を動かしている・・・?』



『信号で、何を操作して・・・』


『ドアを開けているのか・・・?』



難問であった。



不安だった。



『これが解って何に成る・・・?』


『これが、解れば、僕は治るのか・・・?』



『他に、考えるベキ事が、あるのでは・・・?』



実際、その通りなのかも知れない。



しかし、


『では、何を考えれば良い・・・?』


残念ながら、解らない。



現在、僕は、植物人間状態なので、


何も出来ない。



今、僕に出来る事は、僕の知識の範囲で、


考える事だけであった。



『今、何時だろうか・・・?』


『本当に、治るのだろうか・・・?』



『病院のベッドの上に、居る事は・・・』


『確かだと思う・・・』



『では、医師は、何かをしているのか・・・?』


『何も出来ずに、放置なのか・・・?』



『実際、僕は、どの様な状態なのか・・・?』


『意識があるのに、植物人間なのか・・・?』



『僕に意識がある事は・・・』


『医師に伝わっているのか・・・?』



『僕の近くに、家族は居るのか・・・?』


『誰が居るのか・・・?』



結局、何も解らない。



結果、考える時間だけは、沢山あった。



『素粒子の振動を、増幅してモノを動かす・・・』


『それは、可能だろうか・・・?』



懐中電灯の光を、ドアに当てても、


ドアが開く事は無い。



『しかし、それが、増幅された光だったら・・・?』


『レーザー光線だったら・・・』


『ドアは、開くだろうか・・・?』



『駄目だ、ドアに穴が開く・・・』



しかし、僕が発しているのは、


光でもレーザーでも無い。



未知の信号なのだ。



『それが、見えない手を、作っている・・・?』


『信号が、粘土細工の様に、形を作り・・・』


『それが、ドアを開けている・・・?』



しかし・・・


ドアを開ける程の「何か」



『その「何か」が素粒子で作られ・・・』


『動いている場合・・・』



『それは、それ成りのモノである・・・』



『それが目に見えない・・・?』



『そんな事があるだろうか・・・?』



そして、気付く・・・



『振動・・・』


『空気中の素粒子の振動・・・』


『素粒子は、振動している・・・』



『僕は、魔法で、振動を・・・』


『コントロールしている・・・?』



太鼓やスピーカーの振動は、空気を伝わる。



そして、その振動が大きければ、


壁を震わせる事も出来る。



もちろん、魔法と、音の振動は、別物である。



その為、魔法の振動は、聞こえない。



『しかし、ラムネ菓子は、粉末に成る・・・』


『つまり、振動が、ラムネを分解している・・・?』



『魔法とは、振動なのでは・・・?』


『素粒子を振動させ、分解していた・・・?』



つまり、


『僕の魔法は、脳から発した信号で・・・』


『空気中の素粒子振動を・・・』


『コントロールしている・・・?』



結局の所、こんなモノ、


小学5年生の、空想理論である。



その為、実際には、何も解らない。



しかし、僕が、過去に、


モノを動かしていた事は、事実である。



そして、それを実行しているのは、


僕の無意識である。



僕は、その仕組みを解らないまま、


魔法を使っていたのだ。



そして、それを可能にしていたのが、


僕の無意識だと考えられる。



ラジコンカーのコントロールが、


まさに、それであった。



ラジコンカーを、買ってもらった日・・・



ラジコンカーがテーブルから、


落ちそうに成った。



僕は、


『テーブルから落ちる・・・』


そう思った。



僕は、そう思っだけだった。



ところが、ラジコンカーは、


勝手にカーブしたのだ。



当時、僕は、自分に、


その様な能力がある事を、知らなかった。



それなのに、ラジコンカーは、


魔法の力で、コントロールされたのだ。



つまり、あの時、僕は、


自分の意思で、魔法を使った訳では無いのだ。



僕の無意識が、魔法を使ったのだ。



『僕の無意識は、何を理解している・・・?』


『どこまでの事が出来る・・・?』


『僕の無意識は、僕を治してくれるのか・・・?』


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