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当時、小学5年生・・・
植物人間に成った僕には、
回復を待つ以外に、選択肢が無かった。
その為、とてもヒマである。
だから、考え事をしていた。
『僕以外にも、魔法使いがいる可能性・・・』
以前から考えていた。
実際に、調べた事もあった。
まず、最初に調べたのが、気功術だった。
しかし、違った。
気功術で、癌を治せるらしい・・・
祖母が、ガンに成った時、その様な話を聞いた。
しかし、不思議に思った。
『もし、本当に・・・』
『気功術で、ガンを治せるなら・・・』
『なぜ、その気功術師は・・・』
『世界的な、有名人では無いのか・・・?』
世界中、多くの人が、ガンで亡くなっている。
その中には、大富豪も、世界的なスターもいる。
本当に、気功術で、ガンが治るのなら、
1億円出してでも、治療を受けるだろう。
世界的なニュースに成るだろう。
しかし、その様な事実は無い。
つまり、実在しないのだ。
ガン治療には、未知な部分が多い、
音楽を聞いたら・・・
お笑いを見ていたら・・・
旅行から帰ったら・・・
気付いたら・・・
ガンの進行が止まった。
などという話もある。
しかし、万人に、効果がある訳ではない。
結局、気功術でガンが治ったのも、
その未知の産物と考えられる。
つまり、気功術だから、治った訳では無いのだ。
『では、気功術による・・・』
『疲労回復はどうか・・・?』
残念ながら、これも存在しない。
もし、可能なら、世界的なアスリートが、
それを利用している。
試合中など、使用に関しての、ルールが生まれる。
ドーピングと同等の、知名度に成る。
有能な気功術師は、専属契約をして、
多額の報酬を得て、有名人に成るだろう。
しかし、その様な事実は無い。
つまり、存在しないのだ。
『では、気功武術は・・・?』
これも存在しない。
存在するなら、なぜ使わない。
教室や、書籍で、教えている。
『それなのに、なぜ、それを使わない・・・?』
『なぜ、使う人間が、1人も現れない・・・?』
『使えば、相手が死ぬから・・・?』
『では、なぜ練習で死なない・・・?』
『手加減を間違い、相手が死ぬ・・・?』
『その様な事故が、なぜ起きない・・・?』
『もし、本当に死ぬなら・・・』
『なぜ軍で、正式採用しない・・・?』
『そもそも、使った事があるのか・・・?』
『誰を殺して確認した・・・?』
『何人殺して確認した・・・?』
普通に考えれば、その様な事実など無い。
結局、気功など、自己暗示レベルのモノなのだ。
催眠術で無茶をする。
そのレベルの話である。
つまり、気功は、魔法では無い。
超能力に関しても、同様であった。
実在するなら、
『なぜ、使わない・・・?』
『なぜ、役に立っていない・・・?』
『警察に、協力している超能力者・・・?』
『本当にいるのか・・・?』
『では、なぜ、未解決事件が存在する・・・?』
超能力捜査官が実在するなら、
なぜ、冤罪の防止に、
『その能力を使わない・・・?』
無実を訴えている人を、超能力で調べ、
その無実を、証明すれば良い。
しかし、その様な事実も無い。
つまり、使えないのだ。
『では、呪いは、どうだろう・・・?』
現実的に考えれば、これも存在しない。
呪いに、効果があるのなら、
裁判所で、凶悪犯が死んでいる。
被害者や、その家族に、呪いで殺される。
『病院では、毎日、超常現象が起きるだろう・・・』
『呪いによって、多くの医師や看護師が・・・』
『死んで行くだろう・・・』
しかし、その様な事実も無い。
『動物の呪いが実在するなら、動物を殺せない・・・』
ペットの殺処分など、
『元飼い主が、どれだけ死ぬだろう・・・?』
しかし、その様な事実も無い。
つまり、呪いなど存在しないのだ。
では・・・
気功、超能力、呪い、
『これら全てが嘘なのか・・・?』
おそらく、ほぼ全ては、
嘘、勘違い、妄想の類である。
『しかし、全てが、そうなのか・・・?』
僕には、解らない。
解らない事を考えても、それは無駄である。
『さて、どうする・・・?』
この様な事を、考えている最中も、
僕の回復は継続している・・・かも知れない。
しかし、その確認が出来ない。
つまり、今出来る最善を考え、
それを僕の無意識に、実行させるベキなのである。




