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これは魔法の書です。  作者: わおん
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064

当時、小学5年生・・・



『魔法の正体は、素粒子・・・』



その事実を知った僕は、その直後に意識を失った。



その後、



『ここは病院・・・?』



意識を取り戻した僕は、事の重大さに気付いた。


感覚が無いのだ。



目を開く事が、出来ない。


息をしている感覚さえ、無い。



もちろん、身体も、動かない。



『何も、感じない・・・』


『何も、聞こえない・・・』



『おそらく、植物人間という状態・・・』



しかし、僕は、意外と冷静だった。


治せば良いのだ。



僕は、割れたガラスを、治せるのだ。


植物人間に成った原因だって、治せば良いのだ。



僕が、魔法の力で治した場合・・・


医者は、大騒ぎする、かも知れない。



奇跡だと、発表する、かも知れない。


世界の医療に、悪影響を与える、かも知れない。



『かも、知れない・・・』



『しかし、その様な理由で・・・』


『人生を、捨てても良いのか・・・?』


『嫌だ!』


『今こそ、魔法を使うベキ、状況だ・・・!』



『・・・』



しかし、その瞬間、不安を感じる。



『なぜ、僕は、植物人間に成ったのか・・・?』



僕は、テレビを見ていた。


そして、魔法の仕組みに気付いた。



その瞬間、実力を上回る魔法が、


使える様に成った。



『その結果、脳に異常が出て・・・』


『この様な状態に成った・・・』



『魔法を使って、脳が壊れた・・・』


『魔法を使う、脳が壊れた・・・』



つまり、



『魔法が、使えない・・・?』



僕は、絵を描く様に成ってから、


モノの弾力が、見える様に成っていた。



しかし、今は、見えないので、その感覚も無い。



僕は、植物人間に成る前、


ピンクの光に包まれた。



その瞬間、


全ての素粒子の振動を、感じる事が出来た。



その結果、机の上のラムネのボトルを、


動かす事も出来た。



しかし、今は、その感覚も無い。



『治せるのか・・・?』



試す以外に、方法は無かった。



『まず、ぼんやりと見る・・・』


『もちろん、何も見えない・・・』



魔法を使い、身体を動かしてみる。


しかし、身体が存在する感覚さえ無い。



結果、動いているのか、解らない。



『さて、どうする・・・』



とにかく、回復を行う。


何も考えない。



僕に、魔法の力が残っているなら、


無意識魔法によって、回復が行われる。



魔法が無くても、自然回復する可能性もある。


僕は、ぼんやりと、その時を待った。



『時間の感覚が無い・・・』



『何時間経ったのか・・・?』


『何分なのか・・・?』


『もしかすると、何日なのか・・・?』



残念ながら、


僕には、魔法を出している感覚が無い。



その為、魔法が出ている保証は無い・・・



退屈なので、不安を感じる。



仕方が無いので、


『本当に、魔法が出ているのか・・・?』


その確認方法を、考える事にした。



まず、ヒントを考える。



『魔法』


『魔法とは、素粒子を操作する力・・・』


『だと思う・・・』



『では、どの様に操作している・・・?』



ドアを開ける時、風を起こしている訳では無い。



以前、野球ボールが吹っ飛んだ時、


雨が降っていた。



雨は、普通に降っていた。


風の影響など受けていない。



スローモーションで、見ていたのだ。


間違いない。



草むらで、紙飛行機を、飛ばした時も、


草は、風の影響など受けていない。



つまり、僕の魔法は、


風を起こしている訳では無い。



『では、磁力・・・?』


『磁石の様な力・・・?』



『ラジコンカーを、片輪走行させる時・・・』


『磁力の反発では・・・』



『グラグラする・・・?』



『片輪走行を、維持出来ない・・・』



僕には、魔法を出している感覚が無いのだ。


微調整など出来ない。



という事は、


『見えない手が、出ている・・・?』



『では、なぜ、羽毛は、フワフワしている・・・?』


『超ギザギザ飛行の、ティッシュも・・・』


『なぜ、形が変形しない・・・?』



『どこを持っている・・・?』


『持ってる形跡が無い・・・』



『つまり、僕は・・・』


『どの様に、魔法が出て・・・』


『どの様に、動かしているのか・・・』



解らない訳である。



解らないのに、使えているのだ。


とても危険な事に思えた。



実際、そんな魔法の影響で、


僕は、植物人間に成ったのだ。



考えても、何も解らない。


それが、現実であった。



しかし、考える以外に、する事が無い・・・


そこで、考え続けた。



『なぜ、毎晩、天井が見えていた・・・?』



『素粒子の振動を受け取る・・・?』



『結果、それで見えていた・・・?』


『実際には、見える様な、感覚があった・・・?』



しかし、



『素粒子の振動を感じれば、ドアが動くのか・・・?』



そんな訳はない。


考えが煮詰まる。



そこで気分転換に、別の事を考えてみる。



『僕以外に、魔法使いは、いないのか・・・?』


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