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これは魔法の書です。  作者: わおん
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056

当時、小学4年生・・・



僕は、まだまだ幼稚であった。



変身ベルトは卒業したが、まだ未練があった。


悪と戦いたいのだ。



そして、魔法を使えば、


悪と戦う事も、可能に思えた。



しかし、


一人前を、気取りたい・・・


幼稚を、卒業したい・・・


その様な、時期でもあった。



そのお陰で、僕は、


シーグラス作りに、専念出来たのだ。



当時の僕は、職人を気取っていた。



一般的に、シーグラスの材料は、


不法投棄されたビンである。



河川敷に放置されたビンが、


大雨で川に流され、


割れて、砂に磨かれたり・・・



海に捨てられたビンが、浜辺に漂着して、


それが割れて、数年間、砂と波で磨かれたり、


その様にして完成する。



つまり、シーグラスは、


元々、誰かが捨てる様なビンであり、


その色は、限られているのだ。



その為、紫色や黄色などは、珍しいのだ。


つまり、色付きシーグラスは、希少性が高いのだ。



そして、僕が使っているのは、


ステンドグラス用の、色ガラスである。



つまり、価値が高いのだ。



しかし、元が、ステンドグラス用なので、


厚さが3ミリしかない。



『これでは、駄目だ・・・』



シーグラスの場合、もう少し、肉厚の方が良い。



その方が、角の丸みが強調されて、


雰囲気が出るのだ。



これが、職人化した、僕の意見であった。



そして、気付いた。



『では、ガラスを重ねたら・・・?』



『ガラスの亀裂が、消えるのだから・・・』


『2枚のガラスを、重ねれば・・・』


『厚さ2倍の、肉厚ガラスに成るのでは・・・?』



『これだ・・・!』



確認開始である。



青と黄色を重ねてみる。


形状とサイズが似ていたのだ。



形状は、台形、


サイズは、


底辺2センチ、


上辺1センチ、


高さ1センチ



完成した時に、


『重なった部分が、黄緑に成るのか・・・?』


興味があった。



まず、2枚のガラスを、水で貼り合せる。


それを、名刺サイズに切った新聞紙で包む。


それを、太さ1ミリ以下の針金で固定。


それを、ティッシュで包み、水をかける。


それを、ラップで包み、セロテープで固定。


それを、ラップで包み、ビニールテープで固定。



そして、魔法による製作を、寝る前と、早朝に行う。


途中の開封は、行わない。


そして、持ち歩かない。



これまで、シーグラス作りは、


登下校の最中も行っていた。



目立たない様に、手さげ袋を持つ手に、


ガラス片を握っていたのだ。



しかし、2枚重ねの場合、厳重に包んでも、


2牧が1つに成る前に、ズレる心配がある。



そもそも学校に、大切な品を、


持って行くベキではない。



僕の中で、その様な価値観が、生まれていた。



これが、文化であり、人間の誇りなのだ。



無駄なのに、必要・・・


役に立たないのに、大切・・・



その為、寝る前と、早朝は、


職人気取りの、異常な集中力を発揮して、


その作業を行った。



15日後、開封の日がやって来た。



しかし・・・



『いや・・・まだだ・・・』



心に、何かが引っかかった。



『何を根拠に、その様に思うのか・・・?』



そんな事は、解らない。



しかし、僕の中の名人が、


『まだだ!』と言っているのだ。



だから、僕は、開封しなかった。



その10日後・・・


名人から『よし!』との声が出た。



もちろん、僕の自作自演である。


僕は楽しんでいた。



開封・・・



『2枚のガラスは、どう成った・・・?』



僕が見たモノ・・・



それは1つのシーグラスだった。


厚さ約6ミリ、周囲には、理想的な丸みがある。



色は、青、黄緑、黄色・・・


3層に成っていた。


手が震えた。



『本当に、こんな事が起こっても・・・』


『良いのだろうか・・・?』



僕は、そのシーグラスを、光にかざした。



『違和感が無い・・・』



完全に一つに成っていた。



この瞬間、妙な馬鹿馬鹿しさが、


込み上げて来た。



『こんなの・・・』


『何でも、ありじゃないか・・・?』



『金属とガラスなら・・・・?』



『鉛を純金に変える事は、出来るのか・・・?』



僕の中で、危機感と、好奇心が、渦巻いた。



しかし、



『こんな事、軽々しく、考えては、いけない・・・』


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