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これは魔法の書です。  作者: わおん
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当時、小学3年生・・・



魔法を使えば、魔法は成長する。



つまり、魔法の威力が強く成る。


これは、危険である。



しかし、魔法を使わないと、


暴走が起きて、危険である。



つまり、結局は、魔法を使う必要があるのだ。



では、


水で濡らした新聞に、ガラス片を包み、


ラップで包み、テープで固定して、


それを、持ち歩いた場合と・・・



ガラス片を直接、手に持って歩く場合・・・



『魔法の成長が、遅いのは、どっちだ・・・?』



悩む所である。



シーグラスが、


簡単に、完成する事で、


魔法が、成長する可能性・・・



難しい方法を、選ぶ事で、


魔法が、成長する可能性・・・



どちらの可能性も、否定出来ない。



そして、考えても、答えは出ない・・・



そして、気付く。



『つまり、どちらを選んでも良いのだ・・・』



なぜなら、これは趣味である。


ストレス軽減の為に、やっている事なのだ。



つまり、興味がある方が選ぶ事が、


正解なのだ。



結果、僕は、ガラス片を直接持って、


歩く事を選んだ。



『水新聞が無くても・・・』


『スジ消しが出来る・・ハズ・・・』



『しかし、何日かかるのか・・・?』



結局の所、


『どの段階を・・・』


『シーグラスの完成と呼ぶのか・・・?』


その基準が無い。



7日目、傷は消えていないが、


シーグラスとしては、完成と呼ぶ事も出来た。



8日目、初日の記憶と比較した場合、



『傷が薄く成っている・・・?』



10日目、最初の基準であれば、


完成しているのに・・・



僕の中で、妙な職人意識が芽生え、


納得が出来ない。



以前の完成品が、駄作に思える始末。


趣味なのだから、それでも良いのだが・・・



30日目、スジ傷が消えた時点で、


一定の品質を認め、完成とした。



その後、素手によるシーグラス作りは、


スジ傷入りであっても、


15日で、一定品質に、達する様に成った。



しかし、今後は、これ以上の、


ペースアップは、禁止である。



例えば、ラムネを好き放題食べて、


何時間でも、魔法を使い続ければ、


毎日1つのペースで作る事も、


可能に、成るかも知れない。



しかし、それは、危険過ぎた。



これは、あくまで魔法の暴走を、


止める事が、目的であり、鍛える事では無い。



本当なら、魔法を使わない趣味を、


見付けたかったのだ。



しかし、それは、小学3年生の僕にとって、


不可能であった。



その為、魔法をバレずに消費する。



それが、目的と成っていた。



理想をいえば・・・



暴走する程、魔法が使えるなら、



『趣味に、魔法を使いたい・・・』



この思いが、僕の無意識に伝わり、



『暴走を、止める事が出来れば・・・』


『良いのだが・・・』



ちなみに、魔法の暴走とは、


僕が、止めたいと考えても、


それに反して、


魔法が発動を、続ける状態をいう。



つまり、もし、人前で、暴走が起きれば、


魔法の存在が、人に知られるのだ。



魔法の存在が、知られれば、


『誰かの仕事が、無くなって・・・』


『世界の価値観に、悪影響を与え・・・』


世界の衰退が、起こる。



僕は、そんな事を、


毎日、自分に言い聞かせていた。



その為なのか、特に問題も起きないまま、


僕は、小学4年生に成っていた。



ところが、次の日、問題が起きた・・・



子供部屋を、2つに分割するのだ。



現在、僕と姉が使っている子供部屋は、


12畳あり、ドアが2つ設置されている。



姉が来年、中学生に成るので、


雪の季節が来る前に、業者に壁を入れてもらい、


部屋を2つに、分割する事に成ったのだ。



元々、その様な設計であり、


簡単な工事だったので、1日で終了した。



問題である・・・



これからは1人部屋なのだ。



僕は、子供部屋に1人でいる事を、


認められていない。



しかし、寝る時や、早朝は、結果的に1人である。



それは、危険であった。



今までは、姉がいたから、無茶はしなかったのだ。


出来なかったのだ。



しかし、1人部屋であれば、無茶が出来る。



『それを、我慢出来るのか・・・?』



僕は、その日の夜、考えた。



僕は、以前、紙飛行機の飛ばし過ぎで、


意識を失った事がある。



そんな訳で、それ以来、紙飛行機を、


飛ばした事がない。



しかし、



『今、飛ばしたら・・・どう成るのか・・・?』



普通に考えれば、紙飛行機も、


ティッシュの、超ギザギザ飛行と同様、


僕の意思で操作出来る。



しかし、



『しかし、家族の誰かが・・・』


『突然、ドアを開けたら・・・?』



『家族に見られたら・・・?』



『その時、紙飛行機は、どう成るのか・・・?』



僕は、以前、軟式野球ボールを、


凄い勢いで、吹っ飛ばした事がある。



その時は、草が千切れて散乱した。



『もし、あの時の魔法が、発動したら・・・?』


『紙飛行機は、どう成る・・・?』



『紙が強化されたら・・・?』


『紙飛行機は、壁に刺さるのか・・・?』



僕の魔法は、僕の意思よりも、


僕の、無意識を優先する。



つまり、もし、僕が驚いて


『しまった!』と動揺したら・・・



僕の意思とは関係無く、魔法が発動する。



これは理屈では無い。



紙飛行機が、壁に突き刺されば、


言い逃れなど、出来ない。



『魔法の存在が、確実にバレる・・・』


『僕に、異常な能力がある事が、バレる・・・』



『バレたら・・・世界に被害を与える・・・』


『それは、許されない・・・』



『世界を守る為、魔法は隠す必要がある・・・』



しかし、僕が、1人部屋の誘惑に負け、



『もし、紙飛行機を飛ばし・・・』


『それが、家族に見つかった場合・・・』



無意識魔法は、条件反射で発動する。



目的は、紙飛行機を、瞬間的に、隠す事である。



今後の事など、考えない。



『その瞬間の回避・・・』



それが凄い力で、発動する可能性があるのだ。



『紙飛行機は、どれ程の被害を出す・・・?』



確認が必要だと感じた。



『今現在の僕が、どれくら危険なのか・・・』



しかし、普通に考えれば、



『本当に、確認が必要なのか?』


『それを知って、どう成る・・・?』


『・・・』



『必要は、無い・・・』



僕は、その様に判断した。



結果、その日も、寝る前の、


シーグラス作りを行い就寝。



翌朝も、母が起こしに来るまで、


ベッドの中で、シーグラス作りに専念。



僕は、紙飛行機の確認よりも、


シーグラス作りを、優先させたのだ。



『紙飛行機に、魔法を使うのは無駄・・・』


『シーグラスを作る方が、楽しい・・・』



僕は、本気で、その様に考えたのだ。


良い趣味を、持ったモノである。



ところが、3日後、僕は、


学校帰りに、寄り道をした。



以前、草むらに埋めた、ステンドグラスの回収。



それが一応の目的だった。



しかし、僕は, チラシを用意していた。



紙飛行機を作る為である。



我慢が出来なかったのだ。


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