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これは魔法の書です。  作者: わおん
5/2231

005

その日、母は、お隣さんの家に行き。


姉は、子供部屋で、お友だちと遊んでいる。



だから、僕は、


庭で、紙飛行機を投げ続けていた・・・


ハズである。



しかし、気付いた時、


僕は、病院のベッドにいた。



母は、怒らなかった。


姉も、僕を、馬鹿にしなかった。



2人とも、とても悲しそうな顔をしていた。



倒れると、頭を打って、


死んでしまうかも、知れない。



だから、もう止めてと、


母は、僕に言った。



なぜか、姉は、泣いていた。



悪いのは、僕である。


それは、解っている。



本当に、反省するベキ出来事だった。



しかし、僕は、納得出来なかった。


僕は、こんな世界が嫌だった。




だから、僕は、幼稚園が嫌いだった。


友達はいる。


悪い奴じゃない。


でも、嫌いだ。



僕は、幼稚園で1番、木琴が上手だった。


僕だけが、必死だったのだ。



僕以外は、練習時間が終わると、


全員が、疲れた芝居をする。



そして、下手な事を自慢する。



発表会では、お父さん、お母さん、


お爺ちゃん、お婆ちゃん、


とにかく大勢の人が、見に来てくれる。



だから、全員、発表会の日には、


一生懸命に頑張る。



でも、練習の日には、頑張っていない。



下手な事を、自慢して、


僕が上手い事を、馬鹿にする。



そんな子が、発表会で、


上手に、演奏出来る訳がないのだ。



『なぜ、頑張る事が、駄目なのか・・・』


『なぜ、僕の身体は、弱いのか・・・』



僕は、この世界にも、自分にも、


腹が立った。




僕は、幼稚園に入る前、祖父に、


玩具のゴルフセットを、買ってもらい、


それで遊んでいた。



庭に穴を掘って、そこにボールを入れるのだ。



パターというのは、駄目だった。


地面が凸凹なので、ボールが転がらない。



でも、アイアンというヤツは、


ボールを飛ばせるので使えた。



僕は、穴を目掛けて、何度も打ち続けた。


すると、入る様に成った。



でも、プラスティック製のアイアンは、


折れてしまった。



そして、気付いたら僕の手は、


血だらけだった。



その後、姉が、意識を失った僕を発見した。



当時、僕は、病的とか、


異常という言葉を、何度か聴いた。



僕は、好きな事は、何度も何度も繰り返す。



それが病的であり、異常であると理解した。



だから僕が、練習をすると、


母は、それを没収した。



だから僕の家には、ボールが無い。



そんな僕が、再び、病院に担ぎ込まれたのだ。



しかも、その理由が、紙飛行機の飛ばし過ぎ・・・


看護師さんが笑っていた。



僕は、病院のベッドで、モゾモゾしていた。


筋肉疲労が原因で、発熱して苦しい。



紙飛行機を投げ、


走って、しゃがんで、拾って、


走って、戻って、投げて・・・



それを、3時間、繰り返していたのだ。


仕方が無い。



しかし、得たものは、大きかった。



多少ではあるが、


紙飛行機を、コントロール出来たのだ。



『偶然では無い・・・』


『偶然な訳が無い・・・』


でも、不安だった。



だから、明日も実験がしたかった。


偶然では無い証拠、それが欲しかった。



『動いているモノを、動かせる魔法・・・』


その実在を、自分自信に証明しかたっかのだ。



しかし、紙飛行機を使った実験は、


さすがに、もう不可能である。



『では、どうするか・・・?』



他の方法を、考えれば良いのだ。



でも、その為には、家に帰る必要がある。


入院してしまったら、実験道具が手に入らない。



そこで、僕はゴネた。


「病院に泊まるの恐い〜!家に帰りたい〜!」


泣き叫ぶ僕に、周囲は迷惑した。



結果、帰宅が許された。



帰宅後、父が、僕をベットまで運んでくれ、


その日は、このまま寝る事に成った。



しかし、


明日、実験をする為には、回復しておく必要がある。


明日は、筋肉痛を理由に、幼稚園を休めるのだ。



それなのに、本当の筋肉痛で、


実験が出来ないのは、無駄である。



そこで、僕は回復方法を考えた。



「痛いの痛いの飛んで行け〜」は、


『言わなくてもいい・・・』



言う事に集中して、肝心の回復の邪魔に成る。



『もっと、上手な方法がある!』


『必ずある!』



僕は、そう考えた。



『では、何をすれば良いのか・・・?』



『痛いとは何か・・・?』



『痛いとは、力の入り過ぎ・・・?』


『痛いと力が入る・・・』



『では、力を抜くと回復する・・・?』



『力を抜くと・・・』


『痛みがファ〜っと流れ出す・・・?』



『流れ出すから、痛みが無くなる・・・?』



『これだ・・・・』


気付いたら、朝に成っていた。


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