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これは魔法の書です。  作者: わおん
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041

小学1年生、2学期・・・



魔法の暴走に、恐怖を感じる日々・・・


学校からの帰り道、僕は考えた。



『必要なのは、魔法を消費する方法・・・』



実の所、魔法は、消費するモノでは無い。


身体の中に、溜まる事など無いのだ。



その事は、理解している。



しかし、


「魔法を消費した」という達成感が無いと、


僕の魔法は、ストレスで暴走する。



つまり、魔法を使い、達成感を得れば・・・


しばらくの間、魔法は、暴走しないのだ。



ところが、それには、問題があった。



『魔法は、使えば、上達する・・・』



僕は、その事を、ラジコンカーの操縦で、


実感していた。



毎日、魔法を使う事で、


『出来て当然』という思いが生まれ・・・



その後は、魔法での操作が、


日に日にスムーズに、成って行くのだ。



これは、以前、ドアの開閉を行っていた時にも、


実感していた。



最初、努力で行っていた事が、


毎日続ける事で、自然な行為として、


出来る様に成るのだ。



そして、その段階に達すると、


魔法を使った達成感など、無くなり、


それ以上の事をしないと、


ストレスが溜まるのだ。



そして、深刻な問題が、もう1つ・・・



魔法は、体力が増える事で、


強く成ってしまうのだ。



僕の体力が増えると、


僕の無意識は、自信を得てしまう。



その結果、魔法の力が増すのだ。



つまり、魔法を秘密にして、生きる為には、


体力を増やさない方法も、考える必要があるのだ。



『一体、どうすれば良いのか・・・?』



このモヤモヤした気持ちを、振り払う為に、


走りたかった。



しかし・・・



『走れば、体力が増えてしまう・・・』



だから、僕は、出来る限り、のんびりと歩いた。



『魔法の成長を、止めたい・・・』


『魔法の力を、弱くしたい・・・』



しかし、その様な事は、不可能である。



『ラムネを食べるの量を、少なくすれば・・・』


『魔法の発動が、鈍く成る・・・』



これは、事実である。



しかし、


成長期の僕は、


成長するだけで、体力が、増えてしまう。



その分、魔法の力も、増してしまう。



結果、脳がブドウ糖を、必要とするのだ。



その状態で、ラムネを食べる量を減らしたら、



『僕は、どう成るのか・・・?』



『大人に相談したい・・・』


『病院に行って、答えを教えてもらいたい・・・』



しかし、それでは、


僕が魔法使いである事が、バレてしまう。



すると、


『多くの人が、僕に期待するだろう・・・』



『泣いて手を合わせる・・・』



『僕は、その期待に応える事が・・・』


『出来るだろうか・・・?』



僕には、その自信が無かった。



『体力を増やさない方法・・・』


『そんな方法が、あるのだろうか・・・?』



答えは、出ていた。



『成長期に、体力を増やさない方法・・・』


『そんな方法は無い・・・』



柴犬シロは、生まれた時よりも、


今の方が、体力がある。



同級生だって、幼稚園の時より、


小学1年生に成った今の方が、体力がある。



特別鍛えている訳ではない。



それでも強く成る。


それが成長期である。



つまり、僕が、小学6年生に成れば、


それだけで、体力は、増えてしまうのだ。



そう成れば、魔法の力も、増えてしまう。



『どうすれば良いのか・・・?』



僕は、途方に暮れた・・・・



しかし、考える以外に、選択肢など無い。


だから、僕は、考え続けた。



以前、隣の、おばさんに、聞いた事があった。



毎日、自転車で買い物に行くのに、やせない。


クタクタに疲れるのに、太る。



僕は、その理由を、父に聞いた事があった。



すると、


「疲れるだけでは、やせない」


「疲れるだけで、やせるなら」


「変なポーズで寝るだけで、やせる」



僕は、それを聞いて、


『なるほど』と思った事があった。



僕は、その事を想い出し、


『これだ・・・!』と思った。



僕には、それが名案に思えたのだ。



『変なポーズで寝れば・・・』


『身体を鍛えずに、体力を無駄に消費出来る・・・』


『そして疲れた状態では、魔法は出ない・・・』



僕が、魔法の力で、回復する為には、


安静に寝た状態が、必要である。



呼吸を正常にして、脳をリラックスさせ、


身体から、疲れを流れ出させる。



この手順が必要なのだ。



つまり、リラックスしなければ、


回復魔法は発動しない。



そして、疲れている時には、


魔法の発動が、困難に成るのだ。



つまり、疲れていれば、



『魔法の暴走は、起こらない・・・』



これは事実である。




しかし、そう成ると、疑問を感じる。



『背中を押す魔法・・・』


『あれは、疲れている時に発動する・・・』



そこで、僕は、その理由を考えた。



『あれは、非常事態だから・・・?』



そして、冷静に考える。



僕は、以前、学校帰りに、毎日、走っていた。


そして、1ヶ月が経過した頃・・・



僕は、全力疾走している「つもり」でも、


疲れにくく成っていた。



そして、その時期から、走っている時、


背中を、押されている感覚が、始まった。



『つまり、疲れていない・・・』


『だから、発動している・・・?』



そこで、さらに、考える。



『走っている最中、集中して・・・』


『無心に成っている・・・』



つまり「脳が寝た」様な状態に成るのだ。



『だから、魔法が発動する・・・』


『では、何の為に、発動するのか・・・?』



『おそらく、そのまま走り続ければ・・・』


『死ぬ危険性がある・・・』


『非常事態・・・』



『だから、魔法が発動しているのだ・・・』



『火事場の馬鹿力・・・?』


『つまり、魔法とは・・・』


『火事場の馬鹿力なのか・・・?』



『同じ、原理なのか・・・?』



『そんなモノ、どうやって止める・・・?』



僕は、これまで、疲れた状態で、


条件反射魔法を、発動させた事が無い。



『偶然、その様な状況が無かったのか・・・?』


『それとも、発動しないのか・・・?』



おそらく、どれだけ、疲れていても、


最悪の状況に成れば、


僕の無意識は、僕を守る為に、


魔法を発動させる。



しかし、その様な事は、日常的には起こらない。



『溺れている最中に、銃で撃たれる・・・』


『そんな、可能性は、無い・・・』



『そんな、非現実的な対策は・・・』


『考えても、無駄だ・・・』



つまり、今、考えるベキは、



『日常的な、安全対策・・・』



それが重要なのだ。



そして、思い出す。



以前、ドアの開閉を行っていた時、


4往復半で、疲れてしまい、


その後、開閉が出来なく成っていた。



つまり、一時的に、魔法が使えなく成るのだ。



つまり、体力が回復するまで、


魔法は、暴走しないのだ。



『やはり、疲れる事は有効だ・・・』


『疲れていれば、魔法は暴走しない・・・』



しかし、ドアの開閉で、疲れていたのは、


以前の、話である。



現在、僕にとって、


魔法よるドアの開閉は、簡単過ぎた。



だから、今、ドアの開閉を行っても、


全く疲れない。



つまり、無意味なのだ。



『では、どうすれば疲れる・・・?』



『体力を向上させずに、疲れる方法・・・』



『疲れるポーズ・・・』


『変なポーズで寝るとは・・・?』


『どんなポーズだ・・・?』



冷静に考えれば、寝ている最中に、


無理なポーズを維持する事など、困難に思えた。



僕は、寝相が良いのだ。



身体を「しばる」など、家族に、バレる。



『空想では、出来ても、現実には、出来ない・・・』



そして、気付く、



『では、寝なければ・・・』


『これだ・・・!』



僕には、それが名案に思えた。



睡眠不足に成れば、体力が低下する。


しかし、冷静に考えてみる。



現在、僕は、姉との2人部屋、


その為、夜に成れば、ベッドに入る必要がある。



睡眠不足の僕が、ベッドに入って、



『寝たふりをして、実際には、寝ない・・・』



そんな事、出来る訳が無いのだ。



その後も、名案は、次々と出てきた。



しかし、僕が名案と思った事など、


客観的に考えれば、無理な行為であった。



僕の考え方は、幼稚なのだ。


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