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これは魔法の書です。  作者: わおん
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小学1年生、2学期、自宅リビング・・・



魔法の暴走を止める為には、


僕が、納得する方法で、


魔法を使う必要がある。



そして、気付いたのだ。



『誰も、僕を知らない場所・・・』


『つまり、遠くに行けば・・・』



『魔法が使える・・・?』


『自転車・・・?』



『自転車で、普通に走り・・・』


『遠くに行く・・・』



『遠くに着いたら・・・』


『そこで、全力を出す・・・』



『坂道を登る・・・』


『これだ・・・!』



僕は試しに、自転車を買ってもらえるか、


両親に聞いてみた。



もちろん、駄目だった。



理由は、


遠くまで行く・・・


警察が動くレベル・・・


ニュースに成るレベル・・・


それ位、遠くに行ってしまう・・・



無理な登り坂に、挑戦する・・・



難易度の高い山道を、探しに行って、


戻って来ない・・・



意識を失い、転倒するまで、


挑戦を止めない・・・



つまり、死んでしまう・・・



両親は、間違っていない。



全く、その通りだと、僕も思った。


当然、祖父母にも、買ってもらえない。



『では、どうするか・・・?』


『暴走する魔法を、どの様にして止める・・・?』



僕には、最後の手段があった。



『しんどくても、回復を行わない・・・』


『その為には、ラムネを食べない・・・』



そうすれば、魔法は発動しない。



『しかし、そんな人生に、意味はあるのか・・・?』


『誰の為の、人生なのか・・・?』



魔法が使えない様に、


勉強せずに・・・


運動せずに・・・


しんどく成る努力をする。



何もせず、ゴロゴロしていれば、しんどく成る。



『それだけに専念する人生・・・』


『そんなのは嫌だ・・・』



しかし、状況は、深刻だった。



僕は、毎日、ラジコンカーで遊んでいる。


僕は、ラジコンカーの天才と、思われているのだ。



そして、


僕に、ラジコンカーを、買い与えた祖父母は、


僕が、毎日、ラジコンカーで、遊んでいる事を、


喜んでいた。



結果、ラジコン遊びを、


止める訳には、行かないのだ。



ところが、それは、とても危険な行為だった。



当時の、僕にとって、この時だけが、


魔法を使い、達成感が得られる、


唯一の時間だったのだ。



その為、


誰も見ていない時に、それは起きる。


毎回、必ず、起きるのだ。



僕が、コントローラーの前進ボタンを、


一瞬だけ押す。



すると、その後は、ボタンから指を離しても、


ラジコンカーは、走り続ける。



『これが、僕の意思なのか・・・?』


『それとも、無意識なのか・・・?』



それは、解らない。



『本当なら、ラジコン遊びなど止めたい・・・』



しかし、このラジコン遊びは、


ある意味、義務である。



母は、台所に居るので、


ラジコンカーを、見ている訳では無い。



しかし、僕が、ラジコン遊びをしている事は、


音で理解している。



だから、母が見ていない時でも、


ラジコンカーを、走らせる必要がある。



祖父母を悲しませない為に、


ラジコン好きを、演じる必要があるのだ。



ところが、このラジコンカーは、


実際には、走っている訳ではない。



その動きは、日に日に進歩して、



現在では、床の上を滑っている。



バッテリーによって、タイヤは回転している。



しかし、それとは無関係に、


床を滑って移動するのだ。



つまり、タイヤの方向に関係なく。



ラジコンカーは、真横に動く事も、可能である。



すると、タイヤが、床との摩擦を起こし、


片輪走行の状態に成る。



すると、僕の無意識の魔法が、


その状態を維持・・・



僕の、下手な操作など、関係無しに、


ラジコンカーは、片輪走行を続ける。



その状態でカーブだって出来る。



ひっくり返っても、その瞬間が、


スローモーションに見える。



その動きを使い、ラジコンカーを起こし、


走行可能に戻す。



『これは、僕がやっているのか・・・?』


『それとも、無意識魔法がやっているのか・・・?』



僕にも解らない。



基本的には、僕の思った通りに動く・・・



しかし、僕の予想を、越える動きを、する事もある。



そして、現在、ラジコンカーが、左後輪の1点立ちで、


スピンをしている。



『こんなモノ、ラジコンの天才ではない・・・』



超常現象である。



『見付かれば、一発でアウトだ・・・』



僕の魔法は、状況に応じて発動する。


その為、この様な現象が、起きてしまうのだ。



『どこからが、自分の意思で・・・』


『どこからが、無意識魔法なのか・・・?』



その区別も難しい。



それが、僕の普通に成っていた。



そして、この時、僕は、理解していた。



もし、今、僕が、


「魔法使いを、やめる!」と言った所で、


それは、不可能なのだ。



魔法は、勝手に発動するのだ。



『もう、後戻りは出来ない・・・』


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