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これは魔法の書です。  作者: わおん
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約1ヶ月ぶりの牛の大地は、


雨が降っておらず。



水もひいて、


そして、草が増えていた・・・



しかし、山菜森付近は、


まだ、湿地帯に成っている。



僕は、それらを成るべく見ない様にして、


牛の群れを探した。



何か問題点を発見した場合、


僕の無意識魔法が、牛の大地に、


影響を与える危険性があるのだ。



その影響は、僕の価値観で発動する。



倫理など関係無い。



例えば、子牛が溺れている場合、


僕は、助けたいと考えてしまう。



しかし、助けては、いけないのだ。



溺れた牛を食べる何か・・・


その生き物にとって、


溺れた子牛は、大切な食料なのだ。



それを食べないと、死んでしまうのだ。



僕に、それを奪う権利は無いのだ。



ところが、僕の無意識魔法に、


その様な理屈は、通用しない。



牛は大切・・・家族の食料・・・


それが無駄死にする・・・



その発想で、僕の無意識魔法は、


発動する危険性があるのだ。



僕の無意識は、僕が助かる為に、


大陸の東側を壊滅させたのだ。



自分勝手な、悪魔なのだ・・・



その為、森には近付かず、


岩塩の大地近くで、


牛を回収して帰る予定だった。



ところが、牛が居ない・・・


だから、山菜森の近くまで来てしまったのだ。



しかし、牛の姿が無い・・・



『北か南へ移動したのか・・・?』



無意識魔法の、影響を考えた場合、


広範囲は探したく無い。



しかし、肝心な牛が居ないのだ。



探す必要がある。



その為、僕は、南へと向かった。



巨大湖を越え、


その先を目指す。



北よりも、南の方が暖かい、


その為、草が良く育つ。



つまり、牛は、南へと移動している・・・



だから、南を探す・・・


それが僕の理屈なのだが、



しかし、草なら、この周囲にも生えている。



湿地帯の草は、弱っている印象だが、


岩塩の大地方向に進めば、



湿地は無くなり、


その代わりに草が増える。



つまり、草が必要なら、


南へと移動しなくても、



牛の大地方向へと、少し移動すれば良いのだ。



しかし、その場所に牛は居ない・・・


僕は、不安を感じた。



『なぜ、牛が居ない・・・?』


『森の中なのか・・・?』



『それは、無理がある・・・』



現在、森は、湿地帯であり、


牛が生息するには、不自由な環境なのだ。



地面は滑るし、群れでの移動が困難・・・


それが湿地の森である。



そんな場所に、


100頭以上で入って行く理由は・・・?



襲われたら、逃げる事が不可能・・・



そんな場所に入るだろうか・・・?



などと、考えながらも、


南を目指す事200キロ、



牛の群れを発見。



『なぜ、こんな場所まで移動したのか・・・?』



興味はあるが、


謎の解明など、必要無い、


僕は、若いオス牛を、2頭探す。



『どうする・・・?』


『2頭、連れて帰るか・・・?』


『柵は1頭分しか無いが・・・』


『もう1頭分は、僕が作れば良い・・・』



今晩、僕は、シュンタの観察に向かう。


そして、その時、再び戻れる保障は無いのだ。



その場合、残された家族は、


牛の大地には、来れないのだ。



2度と牛が手に入らないのだ。



『どうする・・・?』


『同時に2頭・・・』


『しかも、オス牛・・・』



『タロをリーダーと認めるのか・・・?』



少し、考えてみる。



2頭のオス牛は、互いをライバル視する・・・



自分の強さをアピールして、


メス牛に求愛する。



結果、タロに対しても、


強気な行動に出る・・・



その可能性は充分にある。



この牛は、恐竜が生息する地域で、


生き延びているのだ。



弱い訳が無い・・・



狼タロや、恐竜ゴンが強いとしても、


牛を殺す訳には行かない。



殺さずに、敗北させる必要がある。


牛は家畜なのだ。



育てて、増やす為の牛なのだ。



それを、殺す訳には行かない・・・



しかし、牛は、違う、


タロやゴンを殺しても、


何も問題は無い。



立場が違うのだ。


答えは出た。



『ここは安全を選ぶ・・・』



僕は、若いオス牛を1頭選ぶと、


その牛を、連れて帰り、


柵に入れた。



1頭でも不安なのだ。



『2頭など、とんでも無い・・・』



その後、狼タロと恐竜ゴンに、


オス牛の監視を、お願いして、


僕は、家へと戻った。



家に戻ると、


父と母と祖母が、


家の製作を再開していた。



現在、季節は夏、


しかも、寝る時は、


僕のバリアに守られる。



その為、芋の保存方法の研究を優先して、


家作りは、一時中断していたのだ。



しかし、母が手伝える様に成り、


芋を保管する、レンガ小屋が完成し、



父も解放された事で、


家の製作が、再開されたのだ。



事実として、3人も、


他に、する事が無いのだ・・・



『今後、3人は、何をして生きて行く・・・?』


『牛の世話と、農業・・・』



やりたい事は、山の様にあるが、


それが出来る訳では無いのだ。



芋は、基本、放置で育つ・・・


保存庫の性能確認も、


結果が出るまで待つ必要があり、


次々と、作れる訳では無い。



牛も、今後は、


1頭選んで散歩に連れて行く・・・


それを、繰り返すだけ・・・



祖母に、才能があっても、


現在の環境では、



次の発明を必要とするチャンス・・・


それは、やって来ない・・・



『牧草地の牛のフンを、どうするか・・・?』



その問題はあるが、


現実的に、解決方法など存在しない。



本来、なら、虫が、フンを分解するのだが、


この地域の虫は、ボクが滅ぼしたのだ。



その為、現在は、僕が瞬間移動で、


通称・フン置き場へと、瞬間移動を行っている。



このフン置き場は、木材置き場よりも、


さらに北にある。



現在、枯れた大地に虫は居ないが、


ハエが異常繁殖しても困るので、


フンは、寒い地域に置く事にしたのだ。



そして、将来的に、


乾燥したフンを、肥料として、使う予定である。



僕が、生まれても、


この世界には、問題が山積みであり、


僕の魔法は必要なのだ・・・



だから、僕は、原始の世界に必要なのだ。



しかし、シュンタを放置する訳には行かなかった。


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