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これは魔法の書です。  作者: わおん
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理屈は解らないが、


僕の意識は、現代の日本に移動して、


シュンタという少年を観察する事に成った。



その後、シュンタが寝た事で、


その観察は終了したが・・・



僕は考えた。



『もう1度、僕の脳を見れば・・・』


『シュンタを見れるのか・・・?』



あくまでも、僕の予想ではあるが、



シュンタが起きている時間に、


僕が、僕の脳を見た事で、


今回の現象は起きた。



そして、シュンタが寝た事で、


その現象は解除された。



『では、なぜ、シュンタだったのか・・・?』



残念ながら、考えても、


それは、僕の空想であり、


事実は不明である。



『では、僕は、何をするベキなのか・・・?』



シュンタが、瞬間移動の存在を公表する事で、


現代社会に悪影響を、


与える危険性がある・・・



それを阻止する為には、


最悪の場合、シュンタを、


殺す事も考える必要がある・・・



ところが、本当に、もう1度、



『シュンタの所へ行けるのか・・・?』



そして、シュンタを殺した場合、僕は再び、



『こちらへ戻れるのか・・・?』



戻れる保障は無い・・・



『では、僕は、何をするベキか・・・?』



悩む事は、簡単だが、


考える事は、困難である。



考えても、それが出来る保証は無いのだ。



だから、僕は、


僕の脳を観察する事をしなかった。



実の所、シュンタを殺す可能性を考えると、


恐くて、脳の観察が、出来なかったのだ。



翌朝、僕は、


牛の大地から、


オス牛を1頭、連れて来る事を、


家族に説明した。



しかし、その内心は、


不安を感じていた。



『牛の大地は、大丈夫だろうか・・・?』



『山菜森の豪雨が、続いていた場合・・・』



『牛の大地が、洪水だった場合・・・』



それを考えると、行くのは嫌だった。



しかし、現在、僕がするベキ事は、


オス牛を、連れて来る事である。



そして、今晩、


再び、シュンタの所へ行く・・・



僕は、その様に決めていた。



やはり、シュンタの事は、放置出来ない。



しかし、現代に行く場合、


僕には、覚悟が必要だった。



現代に行くという事は、


場合によっては、


シュンタを殺すという事である。



そして、僕の意識が、


原始の世界に戻れなく成る可能性・・・



それも、覚悟しておく必要があった。



僕が人を殺した場合・・・


何が起きるのか・・・?



そもそも、殺せるのか・・・?


現代での僕は、見る以外、何も出来ないのだ。



しかし、シュンタが、


危険人物であると、確定した場合、


おそらく、僕の何かが発動する。



そして、その何かとは、何なのか・・・?



僕にも解らないのだ。



つまり、原始の世界には、


戻れない危険性もあるのだ。



家族には、


もう2度と、会えない可能性もあるのだ。



つまり、現代に行く前に、


オス牛を連れて来る必要があるのだ。



それが、


家族の為に出来る最後の事かも知れないのだ。



などと考えるが、



現実問題、


メス牛2頭に、オス牛1頭の組み合わせで、


『牛が増やせるのか・・・?』


『近親交配で、問題が発生するのでは・・・?』


その様な不安もある。



しかし、シュンタの事も心配である。



『シュンタが何をするのか・・・?』



全く予測出来ないのだ。



現在は、善人であっても、


非現実的な力を手に入れた事で、



彼が暴走する可能性は、


充分に考えられるのだ。



『その場合は、僕が、シュンタを殺す・・・』


『キレイ事では無い・・・』



『鬼と話し合いで、問題を解決する・・・』


『そんな事は不可能なのだ・・・』



幼稚園の、桃太郎芝居では、無いのだ。



つまり、


『シュンタが鬼に成る前に、殺す・・・』


『彼が、被害を出す前に・・・?』


『悪い事をする前に・・・?』



『実際、出来るのか・・・?』



『僕は、シュンタを殺せるのか・・・?』


『殺す以外に方法は・・・?』



『そもそも、殺す手段があるのか・・・?』



解らない事だらけ・・・



しかし、放置出来ない問題、


それは解決する必要があった。



その為には、


まず、牛の大地に行く必要がある。



しかし、ここにも問題がある。



牛の捕獲に向かえば、


結果的に、牛の大地を見る事に成る。



雨季が続き、洪水地獄である可能性・・・



それを見て、僕の無意識魔法が、


何かをする可能性・・・



それを考えると、不安である。



『もう、滅茶苦茶だ・・・』



しかし、


それが危険と解っていても、


僕には、時間が無かった。



シュンタが暴走する前に、


それを止める必要があるのだ。



その為には、まず、家族の食料問題を、


解決する必要があった。



僕は、あせっていた。



僕には、無意識魔法がある。



その為、昨晩、僕の意識が、


現代に行っている間も、


無意識魔法は発動を続け、



こちらの世界では、


植物人間の僕の横で、


肉も芋も浮かんでいたのだ。



ちなみに、落下した肉に、土が着いても、


再びバリアで守ると、


その土は除去される。



それは、以前、恐竜ドラが死んだ時に、


確認出来ている。



しかし、落下した地面には、


その痕跡が残るのだ。



それも、以前確認している。



結果、今回、


僕の意識が現代に行っている間、


肉が浮いていた事は、証明されている。



つまり、今現在も、僕の無意識魔法は、


『シュンタに影響を与えている・・・』


『魔法が使える状態である・・・』



その可能性も、考えられるのだ。



不安で、たまらない・・・



しかし、だからと言って、


今、行った場合、


僕の家族が、生活に困る・・・



だから、今は、牛の問題を、


解決するベキなのだ。



僕にとって、大切なのは家族なのだ。



という理屈で、


僕は、勇気を振り絞り、


牛の大地に瞬間移動した。



『雨は降っていない・・・』



山菜森の雨は、やんでいた。


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