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これは魔法の書です。  作者: わおん
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世の中には、主人が会社を出た瞬間に、


その帰宅を、理解する犬が存在する。



そして、僕とタロは、会話が出来るのだ。



『素粒子による糸電話・・・』



おそらく、その様な原理で、


互いの意志が伝わっているのだ。



『では、魂とは何か・・・?』



素粒子は、数種類存在している。



その数種類の組み合わせで、



『魂が出来るのでは・・・?』



『少量の素粒子の組み合わせで・・・』



『最小限の魂が・・・作れる・・・』



完全版に比べれば、性能は落ちるが、


一応の機能はする・・・



僕は、その様に考える。



そして、その最小限の魂に、


細胞が加わる事で、



その性能が安定して、


充分な機能を発揮する。



つまり、現代社会で死んだ僕は、


最小限の魂と成った。



その為、その間の記憶が無い・・・


最小限の魂には、記憶能力が無いか・・・?



しかし、その間も、僕は、


魂として、思考は可能だった。



だから、移動して、


次の身体を探せたのだ。



そして、再び細胞を得た事で、


僕の記憶能力は復活した。



では、将来、全宇宙を消滅させ、


僕の魂だけが残った場合・・・



僕の魂は、退屈を感じるのか・・・?



その確認が出来ない。



僕には、この世界に来るまでの記憶が無い。


しかし、その間も、考え行動していた事実。



今現在の僕には、


その記憶が無いだけで、


その時、僕は、考えて、行動していたのだ。



そして、考え、行動する為には、


記憶が必要なのだ。



移動する為には、


何の為に、移動するのか?


それを記憶しておく、必要があるからだ。



つまり、最小限の魂にも、記憶力はあるのだ。



つまり、僕の未来には、


退屈地獄が存在する・・・



だから、僕は、僕の魂から、


魔法能力を、消滅させる必要がある。



生前、聞いた事がある。



人間は、どこまでを、


リンゴを認識出来るのか・・・?



リンゴの絵を、少しずつ単純化して行く。



すると、最終的には、赤い点に成った。



そして、赤い点では、


人間は、それをリンゴとは認識出来なかった。



しかし、それに、芯・・・



つまり、棒を足すと、


人間は、それをリンゴと認識出来た。



これを、人間に置き換えてみる。



手が無くても、


足が無くても、


人間である。



この理屈であれば、



最終的に、脳が無事で、生命維持が可能なら、


それは人間である。



では、次に、


この理屈を、魂に当てはめる。



人の目に見えなくても、


記憶能力が無くても、


魂なのだ。



つまり、


最小限の素粒子の組み合わせでも、


『そこに、意志があれば・・・』


『それは、魂なのだ・・・』



そして、僕の場合、そこには、


『魔法を使う機能も存在している・・・』


『最低限の魂の中に、僕の魔法の仕組みが・・・』


『存在している・・・』



『その部分が機能して、魔法が発動している・・・』


『そこを、破壊すれば、魔法は使えなく成る・・・』



『では、その最小限の素粒子の集合体を・・・』


『どの様にして、破壊する・・・?』



僕は、素粒子を消費する事が出来る。



理屈では、この方法で、


僕の最小限の魂は、


消費され、その機能を失う。



しかし、自分の眼球を破壊するなど・・・


僕には、出来いない。



動作的には、可能でも、


僕の意志も、無意識も、


その動作を認めない。



だから、出来ない。


それと同様、僕は、僕の魂を破壊出来ない。



しかし、


素粒子の消費・・・


これは、簡単に出来る。



瞬間移動を修得する以前は、


宇宙破壊の危険性にも気付かずに、


木に穴を開けるなど、


気軽に、周囲の素粒子を消費していた。



つまり、素粒子の消費そのモノは、


簡単なのだ。



つまり、


僕の魂・・・


最小限の素粒子の組み合わせ・・・



その中から、魔法を機能させている素粒子・・・


それを消費すれば、



『僕の魔法能力は消える・・・?』



ところが、


最小限の素粒子の魂・・・


通称「最小魂」は



『どこにある・・・?』



魔法を機能させる組み合わせは・・・?



『どこにある・・・?』



結局、その様な事は、


全く解らない。



あくまでも、小学生の空想・・・



その程度の考えで、


僕の魔法理論は出来ているのだ。



その為、肝心な時には、


何の役にも立たない・・・



では、どうするか・・・?



『人類の進歩を手助けして・・・』



『素粒子の研究を行ってもらい・・・』



『その力で、僕の魔法を破壊してもらう・・・?』



その様な選択支も考えられるが、


それは、僕が、神に成るという事であり、



それは出来ない・・・



『僕を殺す為に、この世界を進歩させる・・・』



『一体、何の為の人類だ・・・』



『それを何代受継ぐ・・・』



『神様が居て・・・』



『ケガや病気を治してくれる・・・』



『犯罪者も、殺してくれる・・・』



でも、その代わりに、


素粒子の研究を続け・・・


将来、その神様を殺す・・・



そんな世界に生まれる子供には・・・



夢も希望も無い・・・



素粒子研究家に成る為に、


作られ、育てられ・・・



僕が、宇宙を崩壊させる前に、


僕を殺す・・・



その為に生産される子供、


その為に生きる人生・・・



『何だ、それは・・・』


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