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これは魔法の書です。  作者: わおん
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僕は、死ぬ事が出来ない。



生まれる前から、不死であり、


生まれる前から、全宇宙最強なのだ。



それが、僕の魂である。



つまり、僕は、永遠に死ねない。


全宇宙が滅んでも、


僕だけは、死ねない。



確認は出来ないが、


その可能性は、充分にある。



それは、つまり、


永遠に退屈が続くのである。



では、どうすれば良いのか?



この絶望から、逃れる方法は無いのか?



無い・・・



しかし、苦しみから逃げる方法はある。



記憶を消せば良いのだ・・・



僕には、永遠に続く退屈地獄・・・


それが待っている。



しかし、記憶を消す事が出来れば・・・?



『どう成る・・・?』



漫画の本を読み終えた後、


その内容に関する記憶を消せば、


再び、その漫画を楽しむ事が出来る。



これを繰り返せば、


1冊の漫画本で、


永遠に楽しめるのだ。



もちろん、


この世界に漫画本など存在しない。



しかし、


興味のある事を、考える事は出来る・・・



そして、その内容に関しての、


記憶を消す・・・



結果、考える直前の記憶に戻る。



もちろん、記憶を消した事は知っている。



しかし、他にする事な無いので、


再び、先ほどと同じ事を考える・・・


記憶を消しているので、



毎回、新鮮な気持ちで、考える事が出来る。



これを永遠に繰り返す。



『そこに、生きている意味は無い・・・』


『死ねないから、生きているだけ・・・』


『生きているから、仕方なく考えるだけ・・・』



『しかし、退屈地獄からは抜け出せる・・・』



これしか無いのだ。



しかし、現実問題、



『僕の記憶を、消す事は可能だろうか・・・?』



これが、最重要である。



しかし、そんな僕には、


少しの希望があった。



記憶を消せる可能性があるのだ。



僕には、生前の記憶がある。



つまり、前世の記憶があるのだ。



しかし、その全てを覚えている訳ではない。



僕が死んだ日・・・


その3日前の夕食・・・



僕は、覚えていない。



つまり、忘れているのだ。



それは、この世界に来てからも、


同じである。



全てを、覚えている訳では無い・・・


無駄な事は忘れる。



僕が、この世界に来た時、


胎児の僕に、脳は無かった・・・



つまり、僕は、魂で思考していたのだ。



そして、その時期の記憶であっても、


無駄な事は忘れている。



つまり、将来、全宇宙を消滅させ、


何もかも失い・・・



魂だけの存在と成った場合でも、


僕は、僕の記憶を消す事が出来る・・・



その可能性はあるのだ。



『では、どの様にして、記憶を消す・・・』


『記憶を包み込んで瞬間移動・・・?』



しかし、その様な事をした場合、


脳が、どこかに、瞬間移動してしまう・・・



つまり、肉体がある状態での、


記憶消去は危険である。



では、魂から、記憶を消す為には、



『何をすれば良いのか・・・?』



肉体を失った後・・・


魂の半分だけを包み、


残り半分を消費する・・・



『そんな事が出来るのか・・・?』



魂を半分失えば、


記憶が半分消えるのか・・・?



残念ながら、それは、実際に確かめないと、


確認出来ない。



では、将来、僕が、全宇宙を消滅させた後、



『それを試す価値があるのか・・・?』


『それを行っても大丈夫なのか・・・?』



そもそも、魂を半分捨てる事など、



『可能なのか・・・?』



僕は、無意識によって、


バリアで守られている。



そんな魂を半分切り取り、



『処分出来るのか・・・?』



不可能に思えた。



以前は、少し気楽だった。



全宇宙を消滅させた場合・・・



『僕も消滅するのでは・・・?』



心のどこかで、その様に思っていた。



しかし、現在、僕は、


無意識のバリアによって、


守られている。



つまり、僕の精神が限界に達して、


宇宙を消滅させたとしても、



僕の魂だけは、バリアで守られ、


僕の魂だけが存在する世界・・・



そう成る可能性が、考えられるのだ。



僕は、本当に死ねないのかも、知れない。



『記憶を消す事が出来無ければ・・・』


『待っているのは、退屈地獄だ・・・』



現在、台風が、


我々山脈の南に、


上陸しているハズである・・・



しかし、僕は、


何も出来ない・・・


何もしては、いけない・・・



僕が、何かをすれば、


山脈は守られるが、


その結果、気象環境に悪影響が出て、


この星が被害を受ける。



『だから、僕は、何も出来ない・・・』



今、もう、すでに・・・


『退屈地獄は、始まっているのだ・・・』


『一体、どの様にして、切り抜ける・・・?』



答えなど出ない・・・


考えるだけ、時間の無駄である。



そこで僕は、恐竜のゴンの様子を確認する為、


牛の柵の近くへと移動した。



その距離、30メートル、


結果、狼のタロには、母の姿が見えるが、


2頭のメス牛には、見えていない。



野性動物には、我々の姿は見えないのだ。



『では、ゴンは・・・?』



恐竜のゴンは、寝ていた。



現在、狼タロと僕は、30メートル離れているが、


心で会話が出来るので、


見える範囲なら、普通に会話が出来る。



そこで、


『タロは、母の横の肉が見えるの・・・?』


と質問してみた。



すると、タロは、


「はい」と答えた。



『では、匂いはするの・・・?』



と質問してみた。



すると


「いいえ」と答えた。


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