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現在、僕は、牛の大地から、
山菜森を見ている・・・
『本当に、偶然なのか・・・?』
僕は、絶望感に襲われた。
山菜森に豪雨が、降っているのだ。
そして、その雨が、
牛の大地に流れ出している・・・
『湿地帯・・・』
山菜森から、流れ出した水は、
岩塩の大地方向へ30キロ流れていた・・・
そして、それは、現在も進行している・・・
『これは、何が原因なのか・・・?』
『僕なのか・・・?』
『僕の仕業なのか・・・?』
しかし、冷静に考える。
僕には、以前から疑問があった。
『なぜ、牛の大地には草があるのか・・・?』
これまで、僕の理屈では、
雨は、狼山脈にしか降らず、
その雨が、山菜森を育てている・・・
その様に考えていた。
つまり、狼山に降った雨が、
流れ落ち、それが山菜森を作った。
しかし、その水にも限界がある。
結果、山菜森が途切れ、
その先は、牛の大地に成った。
しかし、その場合、疑問がある。
では、なぜ、牛の大地に、
草が生えるのか・・・?
草を育てるにも、水が必要である。
『その水は、どこから来る・・・?』
山菜森の近くなら、その地域の地面には、
水分がある・・・
その為、草が育つ・・・
その理屈は解る。
しかし、森から岩塩の大地方向へ、
100キロ進んでも、草が生えているのだ。
そして、その先、20キロ進んだ地点には、
池があるのだ。
山菜森から、岩塩の大地方向に、
120キロの地点・・・
それが、恐竜池である。
なぜ、牛の大地に、恐竜池があるのか・・・?
恐竜池は、3頭の恐竜が、
池を守って生活している。
ところが、その池には、川が無い・・・
池が単独で存在しているのだ。
つまり、湧き水・・・
それによって、水が保たれているのだ。
しかし、そこには、疑問がある。
僕の理屈では、牛の大地の下には、
岩塩の地層が存在する・・・
僕の考えでは、
その昔、
大陸の移動によって、
海底に、大陸の原型が誕生した・・・
それは、全方向が山脈で囲まれていた・・・
その後、地盤の上昇や、
海面の低下・・・
それらを繰り返した事で、
大陸の中央には、大量の海水が残された。
それが、何万年もの年月をかけ、
蒸発して、岩塩の大地が誕生した。
その後、山から崩れた土が、山菜森を作り、
森から流れた土が、牛の大地を作った。
つまり、牛の大地を少し掘れば、
そこには、岩塩の大地が存在している。
その様に考えていた。
ところが、その場合、
恐竜池の湧き水は、岩塩の影響で、
塩水に成ってしまう。
この様な疑問は、
我々の生活には、直接関係無い事なので、
これまでは無視していた。
考えても、役に立たないのだ。
しかし、状況が変った。
現在、山菜森に豪雨が降っている・・・
その森を徒歩2日進むと、
狼山である。
結果、山菜森の入口からでは、
狼山は見えない。
しかし、現実的に考えた場合、
この豪雨は、狼山でも降っている・・・
それほど、大量の雨が降る・・・
それが、
僕の魔法の影響なのか・・・?
それとも、
無関係の自然現象なのか・・・?
そして、現在、
牛の大地に生えた草の存在・・・
恐竜池の存在・・・
それらに関して考えた結果、
今、降っている豪雨は、
自然現象である可能性・・・
それが有力に成ったのだ。
しかし、その結果、
僕には、疑問が生まれた、
牛の大地には、雨は降っていない・・・
山菜森も、入口付近は、
降っていない・・・
しかし、現在、牛の大地は、
雨水が流れ出し、
湿地帯に成っている・・・
地面の下には、岩塩がある・・・
ハズなのだ。
そこが湿地帯に成った場合、
地中の岩塩が水で溶け出し、
土に染み込み、
それが地表に上がって来る。
つまり、草が生える訳が無いのだ。
この地域の草が、塩水でも育つ様に、
進化したモノである可能性・・・
それも考えたが、
地面から、塩が染み出している場合、
地表には、塩の結晶があるハズなのだ。
もちろん、今は、湿地なので、
塩の結晶が無くても、当然だが、
我々は、過去、何度も牛の大地に来ているのだ。
そして、その時、塩の結晶など見ていない。
つまり、これは、どういう事なのか・・・?




