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小学1年生、1学期・・・
僕が、読んでいた小説は、
ライトノベルと呼ばれモノだった。
表紙絵が、アニメのイラストの様であり、
ある意味、そのイラストで売れている。
その様な、印象を受けた。
『何歳の人を、対象にしているのか・・・?』
無駄に、難しく書いてあるが、
何も知らない・・・
何も考えてない・・・
売れる為に、何かの真似をしている。
僕が、買ったライトノベルは、
そんな作家が、書いた作品であった。
『本質が、解っていない・・・』
『その世界の現実が、理解出来ていない・・・』
千年前の、魔法大戦。
エルフは、数百年生きる。
魔王やドラゴンが、存在する。
それ以外にも、モンスターが、存在する。
その様な、世界の物語である。
しかし、主人公以外は、
呪文を唱えないと、魔法が出せない。
そして苦戦する・・・
その様な設定が、存在する。
しかし、それは、間違っている。
千年以上前から、魔法が使われている。
ところが、呪文を唱える間、
無防備である為、苦戦する・・・
『作者は、現実を理解していない・・・』
呪文を唱えている間、不利に成るなら、
その間「守り、戦う」手段が、
必ず、存在する。
それでないと、人類は滅んでいる。
魔法によって、素材を加工出来るなら、
銃やミサイルが、発達している。
魔法があるから、兵器が発達しない・・・
そんな事は無い。
魔王や、ドラゴンの襲撃を、
受ける世界なのだから、
兵器が無いと、一般兵は戦えない。
『何の為の、兵士なのか・・・?』
また、モンスターが存在する世界で、
なぜ、人類は、人へと進化が出来たのか?
進化するよりも以前、猿の時点で、
モンスターのエサに成って、滅んでいる・・・
あるいは、人には進化せず、
逃げる事に特化した動物に、進化したのでは?
それが、現実なのでは?
エルフの様に、何百年も、練習出来る存在がいて、
呪文を唱えないと、魔法が出せないのに、
なぜ、主人公は、呪文無しで魔法が出せる?
そもそも、
呪文とは、何なのか?
なぜ、それで出るのか?
最初に気付いたのは、誰かなのか?
何が切っ掛けだったのか?
魔方陣とは、何なのか?
誰が考えたのか?
何を根拠に、それを書いたのか?
なぜ、発動するのか?
精霊とは何か?
なぜ契約をするのか?
精霊は、魔法が使えるのか?
それなら、人間と契約しなくても、
精霊は、自分の魔法で、
自分の目的を、叶える事が、出来るのでは?
契約が必要なら、
精霊と精霊が、契約し合えば良いのでは?
そもそも、契約など不要なのでは?
人類が登場する前は、誰と契約していたのか?
生きる為に、契約が必要なのか?
そんな不便な精霊は、なぜ生まれた、なぜ存在する?
なぜ、人間に協力する?
どうせ協力するなら、
呪文無しで、魔法を使わせれば良い。
なぜ主人公だけ、呪文無しに対応するのか?
その説明が全く無い。
昔の作家が、考えた設定、
それを、そのまま使っているだけ、
何も知らない。
何も考えていない。
そんな愚か者が、作家に成って、
難しい、漢字や言葉や表現で、
自分は賢いと、アピールしたいだけ。
こんな作品に、何の未来も無い。
僕は、その本を捨てた。
やはり、時間の無駄だった。
『では、どうするか・・・』
僕は、街の図書館で、本を借りる事にした。
両親も先生も、心配したが、
『では、僕は何をすれば良いのか・・・?』
誰も、その答えを、出す事が出来ず。
結局、僕は、図書館で本を借りて、
それを読む様に成った。
しかし、残念な事に、
街の図書館にも、魔法の本など、存在しなかった。
仕方が無いので、
僕は、別の方法で、魔法の存在を調べる事にした。
ある日、疑問を感じたのだ。
『ピラミッドは、誰が、考えたのか・・・?』
作ったのは、その時代の人間であっても、
その時代の人間に、
『その作り方を、考える事が、出来たのか・・・?』
考える事が、出来たとしても、
『それが、本当に、実現出来たのか・・・?』
『1発で、成功したのか・・・?』
そんな訳が無い、試行錯誤が必要である。
『では、どの様に実験した・・・?』
『それに、何年使った・・・?』
『その間に、何人の王が死んだ・・・?』
『なぜ、次の王は、それを受け継いだ・・・?』
僕は、その疑問を、調べようと、必死に成った。
しかし、図書館で、それを調べる事など、
不可能だった。
その後、ダーゥインの進化論にも、疑問を感じたが、
その疑問に答えてくれる本も、存在しなかった。
『時間の無駄だった・・・』
とはいえ、僕は、その期間、
本を読む以外にも、魔法の研究を続けていた。




