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これは魔法の書です。  作者: わおん
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現在、僕は、恐竜の赤ちゃんを観察している。



母が、エサを与え、


赤ちゃんは、それを食べ、


今、自力で、巣穴に戻った。



しかし、


弱っている・・・


エサは、食べる・・・


水も飲んでいる・・・


フンは、している・・・



この中で、僕に判断出来ない点は、


水の性質である。



僕には、水の成分が解らない・・・



結果、川の水が有害であっても、


僕には、解らないのだ。



しかし、この川の下流には、


通称・メダカと、エビが生きている。



つまり、北大川の水は、無害だと考えられる。



では、次に、フンである。


正常に思える。



しかし、何を基準に、


正常と考えるのか・・・?



下痢をしていない。



僕に解る事は、


そのレベルであった。



『これでは、何も解らないのと同じだ・・・』



『体調不良の原因・・・』



『そのヒントは、どうすれば見付かる・・・?』



そして、疑問を感じる・・・



『声が聞こえない・・・』



この2匹の赤ちゃんは、


我々の家で生活して居た時、



「エサ、欲しい・・・」


などと、話していたのだ。



もちろん、恐竜が声を出して、


話をする訳では無い。



赤ちゃんの、意思が、僕に伝わり、


それが、僕の無意識によって、



僕に理解出来る、言葉に変換され、


僕に伝わっていたのだ。



ところが、恐竜の赤ちゃんを、


我々の家から、遠く離れた、


この北巣穴に移動してから・・・



『何も、話さない・・・』



そして、疑問を感じる・・・



現在、母は、バリアで守られている。


その結果、外敵には、その姿が見えない。



ところが、家族には、その姿が見える。



母が、上空に浮かんでいても、


父、祖母、狼タロには、


母の姿が、見えるのだ。



ところが、恐竜の赤ちゃんには、


上空の母が見えない。



母が、地面に降りて、


その後、徒歩で接近するまで、


赤ちゃんは、母の存在に気付かないのだ。



つまり・・・



『赤ちゃんは、家族では無い・・・』



僕の無意識が、


その様に判断している・・・?



僕は、赤ちゃんを、


殺さない、死なせない・・・



その様に決めている。



その為、母の左横には、


赤ちゃんの為に、用意した牛肉が、


浮かんで居るのだ。



そして、気付く・・・



赤ちゃんが、上空の母を見れない理由・・・



『これが理由か・・・?』



現在、赤ちゃんは、


巣穴から、目の前の母を、見ている。



しかし、その横に浮かんで居る肉には、


気付いていない・・・


見えていないのだ。



僕は、肉を守る為、


バリアを使っている。



実際には、僕の無意識が、


バリアを使っている・・・



もし、赤ちゃんに、


この肉が、見えた場合、


赤ちゃんが、肉に飛び掛り、



『肉が、痛む・・・』


『賞味期限が短く成る・・・』



つまり、僕の無意識は、


恐竜の赤ちゃんを、


外敵と判断して、



肉の存在を、赤ちゃんに、


見せない様にしている・・・



そして、僕は、気付いた。



『では・・・?』


『回復魔法は・・・?』



現在、赤ちゃんの、心の声が聞こえない。



つまり、僕と、赤ちゃんとは、


心が通じていない・・・



『その場合・・・』


『回復魔法は、どう成る・・・?』



恐竜の赤ちゃんは、


ある意味、肉を狙う敵である。



そんな相手にまで、


回復を行うとは、思えない。



つまり、


現在、この2匹の恐竜の赤ちゃんは、


僕の回復魔法の影響を、受けていない・・・



『では、どうする・・・』


『どの様にして、この問題を解決する・・・?』



『回復魔法を使えば・・・』


『赤ちゃんは、元気に成るのか・・・?』



しかし、



『一体、どの様にして実行する・・・?』



僕は、赤ちゃんを、家族と思っている。



しかし、それは、事実では無い。


僕は、赤ちゃんを、外敵と考えている。



その理由は、


恐竜が危険な生物だからである。



家族を、傷付ける危険性があるのだ。



その為、家族から引き離し、


240キロも離れた場所で、


飼育しているのだ。



『では、爪を切っては、どうか・・・?』



僕の魔法を使えば、


赤ちゃんの爪の先を、


丸く切り取る事も、可能である。



つまり、先の丸まった鉛筆・・・


そのレベルの爪にする事は、


可能である。



『では、爪を切れば良いのか・・・?』



おそらく、それだけでは駄目である。



爪を切り、


家族の元へと連れ帰り、


赤ちゃんを、家族として育てる。



これにより、


僕の無意識が、


この2匹の赤ちゃんを、


家族の一員として、認めた場合、



僕の無意識回復魔法は、


赤ちゃんを、回復させる。



ところが、



『それをした場合・・・』



赤ちゃんは、タロと同じ位に、


賢く成ってしまう・・・



そんな高い知能を持った恐竜を、


将来、牛の大地に戻せるだろうか・・・?



そんな賢い家族を、


捨てる事が出来るだろうか・・・?



この2匹の赤ちゃんと、


同種に恐竜は「牛の大地」で生息している。



その身長は、


頭から、足までの長さが


160センチ程度・・・


全長3メートル以上・・・



ところが、僕は、


この「枯れた大地」でも、


過去に1度、恐竜を見ている。



その時、僕の千里眼は、


数メートル範囲しか見えなかったので、


周囲との比較が出来ないが、



その時、食べられた狼のサイズから、


考えた場合・・・



その恐竜は、



頭から、足までの長さが、


2メートルはあった。


つまり、全長は4メートル以上である。



「牛の大地の恐竜」と「枯れた大地の恐竜」


これは、元々、同種だと考えられる。



その形状は、全く同じである。



ただ、サイズが、違う・・・



では、この赤ちゃんは、


将来、どの程度、大きく育つのか・・・?



僕の回復魔法を受け・・・


エサを与えられ・・・



それで、育った場合・・・


全長4メートルに成長するのでは・・・?



そんな巨体が、


家族と共同生活出来るのか・・・?



爪を切れば、問題が解決するのか・・・?



賢く成ったとしても、


それは、この恐竜の知能の範囲である。



狼のタロの場合、


盲導犬、聴導犬、介助犬、牧用犬、


これらを、行える程の賢さがある。



あくまでも、最高に賢い狼・・・


そのレベルである。



では、この恐竜の赤ちゃんは、


どの程度、賢く成るのか・・・?



『シッポが長い・・・』



赤ちゃんのサイズは、


身長20センチに対して、


尻尾も20センチある。



そして、習性なのか、


その尻尾で、地面を叩く・・・



『武器なのか・・・?』


『ネズミを狩れる・・・?』



現在、牛の大地では、


この種類の恐竜しか見付かっていない。



おそらく、この種類しか居ないのだ。



しかし、進化の過程で、恐竜が、


1種類しか誕生しなかった・・・?



そんな事は、考え難い・・・



では、他の恐竜は、どう成ったのか・・・・


おそらく、滅んだのだ。


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