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これは魔法の書です。  作者: わおん
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僕は、人類の未来を守る為に、


魔法を秘密にする事を決めている。



しかし、



『では、僕は、どうするのか・・・?』



『どの様にして、生きて行くのか・・・?』



『僕の、未来は、どう成って行く・・・?』



その答えが見付からない。



この世界に、明確な答えなど、存在しない。



しかし、それでも答えを知りたい。



その為、インチキと解っていても、


人間は、占いに左右される。



未来を知りたいと考える。



しかし、


星占いが当るなら・・・



同じ星座の人は全員、


同じ日に、


同じ死に方をするハズである。



血液型占いが当たるなら・・・


全員、同じ時期に、結婚するハズである。



しかし、その様な事実は無い。



つまり、占いなど、インチキなのだ。



『では、何を信じれば良いのか・・・?』



僕は、考えた・・・



『現実的な可能性を信じる・・・?』



生前、ニュースを見ていると、


台風の時、必ず、


水路での水死事故が、


放送されていた。



つまり、台風の時に、


水路を、見に行く必要など無いのだ。



その方が、助かる可能性が高いのだ。



これが現実的な可能性である。



しかし、この考え方には、


大きな危険性がある。



災害時、避難指示が出ても、


逃げない人が大勢いる。



今まで生きて来て、無事だったのだから、



『今回も無事・・・』



現実的な可能性を信じて、


逃げないのだ。



しかし、それで死ぬ事もある・・・



つまり、


占いは駄目・・・


現実的な可能性も駄目・・・



では、僕は、何を信じて、


決断すれば良いのか・・・?



『未来を見る方法は、無いのか・・・?』



そして、気付く・・・



『そもそも、未来など存在するのか・・・?』



ここで1時間、待っていれば、


時間の上では、


ここは1時間後の、世界である。



『しかし、一瞬で、1時間後に行けるのか・・・?』



まだ、存在して居ない世界に、


どの様にして行く・・・?



僕は、以前から、千里眼を使い、


未来を見る方法を、考えていた。



しかし、それを、考えると、


魔法が進歩して、


千里眼が、過剰に成長する危険性があった。



何でも、見通せる能力、


何でも、理解出来る能力、



『それが、本当に必要なのか・・・?』



あれば便利に思える。



しかし、現実は、


そんな能力は、地獄である。



もし、自分が、永遠に生きるとして、


この先は、孤独で、何も出来ない状態・・・



『それが解って、どう成る・・・?』



その状況から逃げられない・・・



『それが解って、どうする・・・?』



未来を知っても、


僕に待っているのが、絶望だとしたら・・・



その事実を、今日、知る必要があるのか・・・?



『未来は変えられる・・・?』



『何の保障がある・・・?』



そもそも、変えられる未来を見ても、


そんなモノ、役に立たない・・・



未来を見た事で、


その行動や、思考には、変化が起こる。



つまり、僕に、その意思が無くても、


未来を見た瞬間、



僕は、その影響を受ける。



結果、


見えた未来は、消滅して、


別の未来が誕生する。



つまり、先ほどの未来予知とは、


違った問題に直面する。



つまり、未来予知がハズレて、困る事に成る。



それを回避する為に、僕は・・・



『何時間に1回、未来を見る・・・?』


『何分・・・?』


『何秒・・・?』



未来を見る為に、生きて、


現実を放置する・・・



『心の病気・・・』



おそらく、僕は、その様に成る。



『未来など、知ってはいけない・・・』



僕が、見たいのは、明日の天気では無いのだ。



僕の生きる意味を知りたいのだ。


僕の必要性を知りたいのだ。



『僕は、一体、何の為に存在するのか・・・?』


それを知って、納得したいのだ。



『納得って何だ・・・?』


そんな事を考えながらも、



1日3回は、


恐竜の赤ちゃんに、エサを与えに行き・・・



我々山脈の、苗木の成長を行う。



3日後、我々山脈に降り続いた雨がやんだ。



山脈の谷間、


つまり、川は増水により、激流に成っている。



その為、谷間の形状が、


変化している地域もあった。



山中湖も崩壊していた。



以前、台風の後、


第2山脈と、3人山脈の間に、


湖が出来ていた。



それが、元々存在した湖なのか・・・?


それとも、津波が原因で出来たのか・・・?


それとも、僕の倒木撤去によって出来たのか・・・?



それが解らないので、


僕は、手を出す事が出来なかった。



ところが、現在、


その山中湖が、増水によって崩壊して、


その水が、南大川に流れ込んでいるのだ。



そして、僕は、不安に悩まされていた。



『恐竜の赤ちゃん・・・』



現在、赤ちゃんは、


通称・北巣穴で育てている・・・



そして、その北巣穴は、


北大川の向こう側にある。



そして、先日、2匹の赤ちゃんは、


その北大川を渡って、南へと向かった事があった。



我々の暮らす家へと、帰ろうとしたのだ。



その時、北大川は、水位が低く、


身長10センチの赤ちゃんでも、


渡る事が出来た。



しかし、現在、


3日間の大雨によって、



その水位は上昇して、


現在は、人間が溺れるレベルで流れている。



『巣穴を移動させるベキか・・・?』



そんな事をすれば、


再び移動を開始するのでは・・・?



家を目指すのでは・・・?



恐竜の赤ちゃんに、


それが、不可能であるなどと、理解出来る訳が無い。



本能による行動である。



つまり、



北大川の近くでは、危険・・・


その様な判断で、僕が、巣穴を移動させた場合、



赤ちゃんは、恐竜の本能によって、


再び、自殺的移動を、開始する危険性があるのだ。



『どうする・・・?』


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