表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
これは魔法の書です。  作者: わおん
310/2343

310

小学校の頃、誰かが言った。



分数の割り算なんて、


「将来、使わない」と・・・



おそらく、彼は、


その事実を見抜いた事で、


自分を、賢い人間だと思っている。



勉強は出来なくても、


社会で通用する賢さがある・・・



その様に思っている。



しかし、それは、勘違いなのだ。



分数の割り算が出来る生徒は、全員、


将来使わない事を知っている。



しかし、知っているが、


それでも勉強しているのだ。



なぜなら、勉強は役に立つからだ。



分数の割り算から逃げた自分と、


分数の割り算を攻略した自分・・・



優秀なのは、


本当に賢いのは、


分数の割り算を攻略した自分である。



中卒で「妥協」した自分よりも、


高卒の自分の方が、優秀であり、



高卒で「妥協」した自分よりも、


大卒の自分の方が、優秀である。



あるいは、


本当に役に立つ、専門学校に行く事も、


良い選択である。



屁理屈を並べても、


それが事実である。



将来、何が起こるかなど、


誰にも解らない。



僕など、原始の世界に来て、


山脈の再生を行っているのだ。



誰も、その様な未来には気付かない・・・



その為、生前の僕が、


山脈の勉強をする事など無かった。



それは、仕方の無い事である。



しかし、その様な未知の未来に向けて、


優秀な人間に成っておく事は出来る。



学校の勉強から逃げなければ、


それによって、忍耐力が身に付く。



そして、難しい問題を、


考える思考力が鍛えられる。



社会の授業で、地図記号など覚えても、


それを使う事は、無い・・・



しかし、それを覚えた忍耐力と賢しは、


将来、役に立つのだ。



学校の勉強は、それ自体に、実用性が無くても、


優秀な自分を作り出す為には、役に立つのだ。



税金で行う義務養育の場合、


1人、1人の特技を見つけ、


それを指導する予算は無い・・・



その為、多くの子供を、


等しく教育する方法として、


学校が存在するのだ。



しかし、


この原始の世界に学校は無い・・・


僕には、先生が居ない・・・



では、そんな僕が、優秀な人間に成長する為には、



『何をすれば良いのか・・・?』



僕には、永遠の時間がある。



そう考えた場合、



何度でも失敗出来る。



その経験を積み重ねれば、


将来、僕は、優秀に成れる。



『しかし、それで良いのか・・・?』



例えば、もし、僕が、人を使い、


ピラミッド建築を始めた場合、


確実に失敗する。



そして、多くの人々が絶望する・・・


そして、寿命で死んで行く・・・



これを、100回繰り返せば、


僕は、優秀に成れる。



『しかし、それで良いのか・・・?』



絶望して、死んで行く人々・・・


僕は、その存在に、納得出来るだろうか・・・?



僕を優秀に育てる為に、


何人が犠牲に成る・・・?



僕には、耐えられない・・・



つまり、僕が、


失敗から、成長する方法を実行した場合、


人々の人生を、台無しにして、しまうのだ。



だから出来ない・・・



それを考えると、学校の勉強は、


とても合理的だった。



役に立たない算数・・・



中学生に成ると、


役に立たない英語も習える・・・



役には立たないが、何度勉強しても、


人々の人生を、台無しにする事は無い・・・



だから、好きなだけ勉強出来る・・・


そして、忍耐、記憶力、思考力、


将来必要な、様々な能力を、鍛える事が出来る。



殺す事は、簡単である。


しかし、現実世界では、殺せない・・・



そんな時、必要なのは、


逃げずに考え、最善を求める優秀な思考である。



現代世界には、それがあった。


学校で学べたのだ。



しかし、ここは学校では無い・・・



僕は、どの様にして優秀に成れば良いのか・・・?


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ